テレワークをちょっぴり幸せにする秘訣。

Society & Business 2021.03.09

毎日のテレワーク生活、そこに何か「ささやかな幸せ」を見つけてみるのはどうだろう? たとえZoom会議の時でも、気分よくクリエイティブに、自分らしくいられる方法。リフレッシュするために、すぐに取り入れたい、フランスの女性リーダーたちの工夫とアイデアを紹介しよう。

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彼とのランチ、花を買う、本屋を散策...女性リーダーたちが教えてくれるテレワーク生活を楽しむためのアイデア。 photo : Getty Images

長引くTeams会議、きっちり決められない勤務時間、忘れがちなランチ休憩...。ずっとテレワークをしていると、その限界が見えてくる。より自由な働き方だと思われているテレワークも、時には「監禁」状態になってしまう。椅子に縛りつけられ、景色も変えられず、同僚とのカフェタイムもない鬱屈した日々を、どうやってうまく乗り切ればいいんだろう? そこに何かちょっとした楽しみを取り入れれば、気分もよくなるし、仕事もはかどるはずだ。

「テレワークで常にパソコンの前に座っていられるのは心強い」と話すのは研修インストラクター、キャリアコーチのキャロリーヌ・ロワゼル。彼女の仕事は、組織を改革する時に生じる人間関係の変化につき添うこと。「こういう不安な状況で皆と離れて仕事をしていると、テレワークの"常につながっている状態"は避難場所みたいなもの。けれども、決して効率的だという保証はありません」。

キャロリーヌの言う通り、実際我々は一日中効率よく働けるわけではない。「今は、自分自身に耳を傾け、自分に合ったリズムやエネルギーに満ちた時間帯を知るチャンス。私自身の例で言えば、11時から15時までが、複雑なタスクに取り組むことができるベストな時間。残りの時間は、比較的シンプルな書類の処理に充て、罪悪感なく自分の時間を作っています」

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サプライズの演出

彼女の「ささやかな幸せ」リストには、次のようなことが記されている。窓際で陽の光を浴びながらコーヒーを飲むこと、ランチタイムにはしっかり休憩すること、30分のウォーキング、同じように"おうち生活"を過ごすご近所さんたちとのおしゃべり、パズルに集中してひたすら自分の世界にこもること...。

「自分のエネルギーを取り戻すには、本当にちょっとしたことで十分。世界中でバカンスや旅行の計画ができなくなって、人との出会いも限られてしまっている。だから、仕事の合間こそ、ちょっとしたサプライズを演出するいい機会。それこそ、私たちが今必要としているもの」だと、キャロリーヌは話す。そこに罪悪感を持つなんてとんでもない! 「そういう楽しみは、ごくささやかなものだし、大して時間がかからないもの。日課にもなるし、ひと呼吸して、一歩引いて考える余裕を与えてくれる。結局、そういう工夫がいい仕事につながるんです」。

リラックスし、人生を楽しむことにもつながる、日々の「ささやかな幸せ」について、活躍中の女性リーダー4人にも聞いてみよう。

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セシル・ロシャール(ゲランのサステナブル・ディベロップメント担当部長):
「息子とのランチ」

「高校生の息子と週に2、3回のランチを楽しんでいます。食事は、ベジタリアン向けでエシカルな上質のレストランだけが登録している、宅配プラットフォームの『Eatic』で注文。テレワークのおかげで、この楽しみを見つけることができました。おうちスパも楽しんでいます。毎週金曜の朝、パソコンを開く前に、いつもゲランのアベイユ・ロイヤルのケアを行います。よく使うのはバンデージマスク。当社の商品ですが、血色をよくしてくれます。顔色と言えば、自分自身に、カラーフィルター付きのライトをプレゼントしました。Zoom会議で使うんですが、顔色が明るく見えて、オンライン会議も気分がいい。テレワーク生活では勤務時間をきちんと終わらせるのは難しいとわかったので、毎週火曜の夜だけは特別な時間にすると決めました。19時には切り上げて、Zoomで友人たちにヨガを教えています。とても満ち足りた時間です」

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シャルロット・レヴィ=フレボー(広告代理店BETC広報部長):
「見えるところに美しいものを」

「BETCではコロナ禍の前からテレワークを始めていたので、すでに少し慣れていました。でも、最初のロックダウン以来、レストランを経営しているパートナーが毎朝ベッドに朝食を運んできてくれるようになって。彼が自発的にそうしようと決めたのですが、おかげで気分よく、一日が順調に始まります。ポジティブに働けるよう、仕事をする場所にも気を遣っています。選んだのはダイニングで、左の窓からは空と素敵な建物のファサード、向かい側には植物と花束と、美しいものばかりが見えるんです。オンライン会議の時のおしゃれな背景にもなるよう、席の後ろにはフェリーニの『甘い生活』のポスターを貼っています。これら美しいものは、必要な時に気分転換をさせてくれる。簡単に実現できる小さな幸せです。午後は毎日ジンジャーレモンのオーガニックのハーブティーを飲みます。それから、習慣にしているリラックス方法もあります。会議が続く時や緊張を感じる時には、すぐに呼吸エクササイズを行って、ポジティブなイメージを思い浮かべるんです。人と直接会って言葉を交わすことには代えられないけれど、気分はよくなります」

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コンスタンス・デュボア(Tranoï マーケティング&広報部長):
「決まった日課で一日を区切る」

「私の場合は、朝から晩までのテレワーク生活を、ちょっとした日課で区切るようにしています。まずは、朝。テレワークになったからといって、通勤に費やしてた時間を書類仕事に使うことはしません! 以前は公共交通機関の中でぎゅうぎゅうになっていた時間、娘たちが学校へ行き、夫がもうパソコンの前に座って仕事を始めるこの時間に、私はコーヒーを味わい、ラジオを聞き、ネットで記事を読みます。この30分は私だけのもの。以前は一度もなかったことです。このちょっとした隙間時間は、私にとって贈り物のようなものです」

「昼ごはんの時も、しっかり休憩します。30分ほど散歩し、家の隣にある本屋さんへ。本をぱらぱら読んだり、最新号を見たり。時々、自分のために花を買ったり、おいしいパンやチーズを買ったりもします。自分を喜ばせ、世の中を眺める。こういう時間も、私には初めてです。他にも新しい楽しみがあります。それは、定期的にちゃんとテーブルセッティングをして、夫と2人でランチすること。笑ったり議論したり。その後、お互いによりいい気分で自分の仕事に戻れるんです」

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セヴリーヌ・ムニュ(Reed MIDEM国際販売部長):
「早起き」

「もうオフィスでの生活がどうだったかわからなくなってしまいました。テレワーク生活が大好きです。朝は6時半に起きて、息子を高校に車で送って行くことから1日をスタートさせます。車の中から、街の賑わいを眺めるのが本当に心地よい。帰ると、近所を徒歩で一回り。こうして、9時半には、気合を入れて仕事に取り掛かります。もちろん、昼にはランチ休憩を取り、天気がよければ窓のそばでコーヒーを飲みます。冬のほんのり暖かい日差しは本当に心地いい。最初のロックダウンの時は、18時に仕事を切り上げてZoomでヨガを教えていました。友人たちとはそこで会うことができました。この友人たちとのアクティビティが、自分のオンラインヨガサイト『Yog@aUm』のプロジェクトの立ち上げにも繋がりました。二度目のロックダウンの時、夜間禁止令が出る前は、パソコンを18時きっかりに消し、友人と一緒に10kmのウォーキングをしていました。ついでに小さなレストランで、家族とのアペリティフのためにテイクアウト。今はそれが難しくなってしまいましたが…。他に、友人たちとは定期的にお互いの家に行き来して仕事をして楽しんでいます。パソコンを持参して、それぞれ別の部屋で仕事して、休憩は一緒。おしゃべりしたり、ランチをしたり。最高に楽しいです!」

texte : Vanessa Zocchetti ( madame.lefigaro.fr ), traduction: Akiyo Maeda

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