自分に自信がない人ほど、オフィスで力を発揮できるってホント?

Society & Business 2022.02.14

自信がないことが、オフィスでは強みになるかもしれない。マサチューセッツ工科大学(以下MIT)の心理学者の研究によると、自信のない社員は、より真面目に対応しようと努力し、より良いスキルを身につけることさえあるという。

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自信のなさがリスニングスキルを高め、同僚や顧客、パートナーとの関係を良好にするとマサチューセッツ工科大学の研究で発表された。photo: Getty Images

成功は自分の能力や実力ではなく、ただ単に運が良かっただけ、と自分を過小評価する「インポスター症候群」は、仕事への集中力を高め、その結果、仕事の効率を上げることができる——これは、心理学者バシマ・タウフィクがアメリカで行なった研究から導き出した結論だ。MITの教授であるタウフィクは、アメリカ人の会社員155人に、自分のスキルに対する自己認識について質問。その後、彼らの上司にそれぞれの評価を質問した結果、自分に自信がない人は上司からの評価が高いという結果になった。

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他者への配慮

彼らの長所は? 同僚や顧客、パートナーに気を配ることで、対人関係のスキルが向上すること。バシマ・タウフィクは、ニュー・サイエンティスト誌のインタビューで、「インポスター症候群に苦しむ人々は、実際には、一緒に仕事をしたいと思われる人々のことである」とまとめている。世界の人々の約70%がこのような不安を抱えているというが、このような人々は、自分の欠点だと思っている点を補うかのように、特別な注意を払い、より多くの話を聞き、より多くの努力をする。その結果、最終的により多くの成果を生みだすという。

バシマ・タウフィクは医療実習生を対象にした実験も行っている。その結果、自信のない人ほど、患者さんの痛みを認識し、症状について詳しく質問し、穏やかな口調と姿勢をとる傾向が強いことが確認できた。

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ほどほどに

では、インポスター症候群を新しいソフトスキルとして祝福すべきなのか? いや、そうとも言えないようだ。

「(インポスター症候群は)幸福度を損なうことがわかっています」とバシマ・タウフィクは説明する。「いますべきことは、この不安を解消し、対人関係のメリットを十分に享受できるようにすることだと思います」

そして、誰もが自分の居場所を確保し、他の人の居場所を奪わないようにすること。すべての人の利益になるよう、まずは会社から。

text: Sofiane Zaizoune (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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