起業で天職を見つけた、10人の女たち 新興国の理工系女性のパワーを、日本企業で生かす提案。

Society & Business 2021.12.17

社会と向き合い、自身の夢を描き、それを起業という形で現実のものにした女性たちがいる。
天職と出合った人の女性が伝える、仕事を始めた理由と、働くことの意義。

大野 理恵

キャリアフライ代表

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大野 理恵 Rie Ohno
愛知県生まれ。ファッション業界で働き、サステナビリティに疑問を感じて退職。オーストラリアで経営学を学び、人材派遣業へ。 2015年にキャリアフライを設立。経営者の祖父と父を見て、幼い頃から社長になろうと考えていた。
https:/career-fly.com

新興国の理工系女性が、日本経済発展のカギに。

20代で留学したオーストラリアで、移民の国ならではの混在文化に感銘を受けた大野理恵。「人の話を聞くし 、 個性を受容する社会が心地良かった」。帰国後は人材派遣業に10年勤め、高度外国籍人材を紹介する会社を設立。「さまざまな視点の話し合いでこそ、新しい物事が生まれる。日本企業には多様性が必要です」。特に、第4次産業を牽引するIT業界は男社会。国内の理工系女性は少なく、一方でインドやミャンマーは多くの女性が理工系学部を専攻する。新興国の理工系女性によって企業に一石を投じ、日本教育にも刺激を与えたいと採用に尽力する。多様性のある社会に向けて、彼女の小さな革命は続く。

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インドで、読解力や論理性など測るテストの実施風景。インドは、高等教育を受けた女性のうち、システム分野を学んだ人が8割にも上る。

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ー 起業の際に苦労したことは? どう乗り越えましたか?

ずっと苦しいですね(笑)。ビジネスの土壌を作るまでは、一言で言うと行動し続けるだけでした。でも、ビジネスは続けていくもの。外国籍求職者に前向きな日本企業はまだまだ少ない。そういうニッチな分野ということもあり、ゴ ールまでの課題はたくさんあります。

ー 1週間の仕事のリズムを教えてください。

7時に起きて、10時までに出社。18時30分頃に退社し、24時頃には就寝。普通のスケジュールで動いていますが、基本的に1日1食。食べると眠くなって効率が悪くなるし、昼に炭水化物を取って、夜は会食があれば軽食程度です。毎日お酒は飲んでいますね。身体を動かすことが活力になるので、仕事の合間にゴルフレッスンに行くことも。週に1度のパーソナルトレーニングも5年続けています。

ー 憧れの人はいますか?

経営者としては、イーロン・マスクです。ツイッターをフォローしていて、彼の考え方に感化されています。あとは、その時に出会った人たちの立ち居振る舞いなど、誰であれ素敵だなと思ったら、お手本にさせてもらいます。

ー これからやりたいことは?

インドでのビジネス展開です。すでにビジネスパートナーは現地にいますが、支社を作ってより力を入れていく予定。インド市場は13億人マーケットといわれているので、そんな場所でビジネスすることはワクワクしますよね。

ー 悩みや不安がある時は、どのように解決しますか?

行き詰まった時は、とにかく歩きます。走ることはしんどいし、走る行為自体に夢中になってしまうけど、歩くことなら続けられる。歩いていると、電柱に張ってある広告や街角の知らない店が目に留まったりして、何かしら気付きがあるんですよね。思考の整理ができて、新しいアイデアが出てきたりします。

ー 新しいことに飛び込む時に心がけていることは?

人の話を聞くことです。でも最終的には自分で決めます。あとは、同じことをひとつでも多く続けること。いろんなことをいくつも抱えている人だと思われることもあります。もちろん、トライアル&エラーは大事。でも続けることは難しいから、ひとつでも続けていることがあれば、自分の自信になるし、礎になってくれるはず。

ー 働くことのモチベーションは?

会社を継続させるためには、新しい種を蒔き続けることが大事。社長としての私の役割は、続けていくための準備です。続けるためにどうしたらいいか考えて、新規事業に挑戦して作り込んでいく。そんな中で、社員が成長する姿を見ることもモチベーションに繋がります。

*「フィガロジャポン」2022年1月号より抜粋

photography: Kei Sakakura

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