マオリの伝統タトゥーを入れた女性アナウンサーが初の快挙!
Society & Business 2022.01.24
ニュージーランドのアナウンサー、オリイニ・カイパラが、自分のルーツであるマオリ族への思いを込めて、顎にモコ・カウアエと呼ばれるタトゥーを入れたのは2019年。それから3年の月日が経った昨年2021年12月、彼女はプライムタイムのニュース番組を担当した。
ニュージーランドのニュース番組に登場したオリイニ・カイパラ。
オリイニ・カイパラにとって、これは大きな一歩だ。カイパラは現在39歳。2019年にニュージーランドのニュース番組に登場し、マオリ族の伝統であるタトゥーを入れた女性アナウンサーとして、初の快挙を成し遂げた。
そして今度は、「Newshub Live」の18時のニュースで代役を務めることになり、レギュラー司会者サム・ヘイズとマイク・マクロバーツに代わって番組を担当した。ニュージーランドのニュースメディア「Stuff」に対し、「私の夢はプライムタイムのニュース番組を担当すること。それが現実になったのです」と語っている。
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DNA検査
2017年にDNA検査を受け、確実に自分の先祖の98%がマオリ族であることを確かめたカイパラは、マオリの伝統的習慣であるタトゥーを入れることに決めた。英紙デイリー・テレグラフによると、各人のタトゥーは家族が代々受け継いできたもの、社会的な地位などを象徴しているそうだ。カイパラは「マオリの女性にとって通過儀礼のようなもので、子どもから大人の女性に変わったという印なのです」と説明している。
自分の文化の誇りであるタトゥーを施し、堂々とテレビに登場したカイパラは、人々に夢やあこがれの仕事を追い求めて力を尽くしながらも、自分自身の文化を受け入れ、大切ににしてほしいと願っている。「私の歩みの一歩一歩が、ガラスの天井を打ち破るようなもの」と「Stuff」に語るカイパラはこう続ける。「それが、私たちマオリ族が一歩前に踏み出すことになるだけでなく、他の有色民族の前進にもつながっていきます。タトゥーの有無が重要なわけではないのです」
Text : Léonie Dutriévoz (madame.lefigaro.fr) Traduction : Aki Saitama