美の常識を破壊する、ボディ・ニュートラルの実践者。
Society & Business 2022.02.07
文/ダイアン・ハリス
Newsweekが選出する「破壊的イノベーター50」のひとり。ありのままの美で社会の意識を改革する歌手/ラッパー/活動家のリゾ。
GONZALES PHOTO-THOMAS RASMUSSEN-PYMCA-AVALON-UNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES
どんな体形でも美しく、の「ボディポジティブ」なんてもう古い。
若者の新たなロールモデルとなった歌手でラッパーのリゾは、ソーシャルメディアで「ボディ・ニュートラル」を提唱し、自ら身体を張って実践している。
目標は、美の多様な定義を世に受け入れさせ、「現実の自分はそれほど美しくないから写真をデジタル加工しなければ」と思わせる社会の空気を変えることだ。
リゾはツイッターやインスタグラムを拡声器代わりに、自身の曲線美やファッションセンス、見事なトゥワークダンスを披露している。
昨年4月には、スキンケアブランド、ダヴのブランドアンバサダーとして自己肯定感を高めるプロジェクトに参加することを発表した際、無加工のヌード写真をSNSに投稿した。
最新シングル「ルーマーズ」には、女性をけなしてばかりいるやからをたしなめるフレーズも登場する。
最新シングル「ルーマーズ」
アメリカで開催されたアートフェアでは、絵の具を塗りたくった尻をキャンバスに押し付けて絵を描き、「ザ・ボディ」と書かれた白いレオタード姿でステージに登場した。
リゾが伝えたいメッセージは、ありのままの自分を受け入れようということ。そして彼女は、人からどう見られるかよりも自身の内面の美しさを見つめる方向に世間の風潮をシフトさせたいと考えている。
「もうクタクタ」とリゾは言う。「そんなのっておかしいし、本当ならこれ以上この話はしたくない。私たちはみな、ボディ・ニュートラルであるべき」
●リゾ
歌手/ラッパー/活動家
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