7割以上が月経トラブル経験...働く女性の健康実態が明らかに。
Society & Business 2022.03.15
都心で働く女性の7割以上がPMSや月経痛に悩まされている———国際女性デーの3月8日、「働く女性ウェルネス白書 2022」が発表され、働く女性の健康課題が浮き彫りになった。
発表会には、お笑い芸人のバービーさん(左から3人目)も登場。産婦人科にかかりにくい女性の心理などについてトークを繰り広げた。photo : 働く女性ウェルネス白書PR事務局
働く女性の健康支援を行う「まるのうち保健室」を運営する三菱地所と医療コンサルティング会社のファムメディコが共催。丸の内エリアで働く女性ら約300人を対象に、就労環境についてのアンケートと経腟超音波検査を含む臨床検査を行い、データを収集した。
同調査によると、全体の7割以上がPMS、月経痛の症状があると答え、45-55歳以上のおおよそ65%は更年期症状に悩まされているという。一方で、「生理痛や更年期についてなかなか相談できる人がいない」という声も多く上がった。
また、経膣超音波検査を受けた女性の4人に1人は、子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症などの異常所見があった。うち3人に1人は産婦人科に通院したことがなく、婦人科症状が受診行動に結びつきにくいという課題が明らかになった。
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在宅勤務でPMS症状が軽減される傾向も。
働く女性の健康課題と就労環境との関係についても報告があった。調査によると、上司によるサポートが充実しており、さらに裁量権が高い仕事に就いている女性ほど、仕事に対する活力が高く、PMSの症状が出にくいと言う結果になった。
また、在宅勤務が多い人ほどPMS症状が軽減される傾向があり、時短制度やフレックス制度を活用している人ほど婦人科疾患の有病リスクを下げる可能性も示唆された。
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月経時は「女性ホルモンに流されるがまま」。
白書の発表を受けたトークセッションでは、お笑い芸人のフォーリン・ラブのバービーさんが登場。PMS、生理痛時の過ごし方や、産婦人科の受診をしにくい女性の心理について語った。
月経時は通常時よりパフォーマンスが20%下がるという調査結果に対し、月経時の気持ちの切り替え方を尋ねられたバービーさんは、「(月経前は)ピルを飲んだり温活をしたりするけれど、なってしまった時は、女性ホルモンに流されるがまま」と回答。自分の体調に合わせて働き方を変えていく大切さを訴えた。
また、産婦人科に行くのをとまどう女性が多いという話題では、「(受診して)怒る先生や理不尽なことを言う先生はたまにいる。私はネットで先生の顔やキャッチコピーを見て、寄り添ってくれる先生かどうか調べてから行くようにしています」とバービーさん。ファムメディコ取締役CVOで薬剤師でもある佐々木彩華さんは「生理痛ぐらいで、と受診をためらう女性もいるが、むしろ生理痛があったら何かの病気が潜んでいるのではないかと思って、ぜひ受診していただきたい」と呼びかけた。
まるのうち保健室は、「ウィルコンシャスマルノウチ」プロジェクトの一環として、2014年にスタート。丸の内各所で女性に特化した健康測定やカウンセリング、企業と連携した啓発活動などを行い、働く女性のヘルスリテラシーの向上、またライフ・キャリアプランに対する選択肢を広げようと活動を続けている。
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022/