ペンギン観察もあり? 英国の南極施設がスタッフ募集中。

イギリスのアンタークティック・ヘリテージ・トラスト(UKAHT)が、南極で働く人材募集を出し静かな注目を集めている。
 

ペンギンとのふれあいを夢見て、この職に応募する人も少なくないかも?

職場となるのはイギリス史上初の南極の拠点だったことからアルファベットの最初の一文字を取ってベースAとも呼ばれている、ポート・ロックロイ。

第二次世界大戦中は極秘ミッションの場となり、戦後は1962年まで科学的な研究施設として使われていた。その後ブランクを経て、1996年にミュージアムとして生まれ変わり、遠隔地にもかかわらず毎年およそ18000人が訪れる人気観光スポットとなっている。

求人しているのはベースリーダーとショップマネージャー、そしてジェネラルアシスタントの3種のポストだ。期間は南極の観光シーズンとなる11月から来年3月までのおよそ5カ月間。チームのリーダや一員として、館内での業務がスムーズに進行するための仕事以外にも、内部にあるギフトショップや南極の消印が付く郵便局の運営、建物のメンテナンス、さらにはペンギンをはじめとする南極動物たちの観察の手伝いもあるとか。
 

建物内にあるギフトショップはこんな感じ。

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また、応募要項にはポート・ロックロイでの暮らしを説明する記述があり、これがなかなか興味深い。

職員の宿舎はホステルのような共同ベッドルームに、キッチンやリビングルームが併設されたサステイナブルでシンプルなもの。水道はなく、水は給水タンクに入れたものが船で届けられるだけで貴重なために、お風呂はもちろんシャワーもない。電気はソーラーパネルで集めた電力に頼っており、電化製品の使用も極力制限されている。

暖房や調理器具はプロパンガスを使い、調理はスタッフ全員の当番制。食材の多くはイギリスから船で届けられる乾物か缶詰になるという。

インターネットと携帯電話は使用圏外で、外部との連絡はサテライト経由のみ。しかしサテライト電話は高額で回線の状態も不安定なために、使用は緊急時だけに限定されている。メールはシンプルな文字だけでの送受となるとか。

任期中の南極は比較的穏やかな気候とはいうものの、気温はマイナス5℃から10℃。防寒具は支給されるそうだが、それ以外にも十分暖かい服を持参する必要があるとしている。

想像以上に過酷な南極の住&職場環境だが、人生をがらりと変えてしまう貴重な体験になるかも。
 

イギリスでの労働ビザ所有が応募資格のひとつではあるものの、その条件を満たしていて気になる人は応募してみてはいかが? 締め切りは4月25日。実は筆者も興味津々だ。

editing: Miyuki Sakamoto

在イギリスライター。憂鬱な雨も、寒くて暗い冬も、短い夏も。パンクな音楽も、エッジィなファッションも、ダークなアートも。脂っこいフィッシュ&チップスも、エレガントなアフタヌーンティーも。ただただ、いろんなイギリスが好き。

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