BWAピッチコンテスト ファイナリスト発表会 子ども同士が助け合い、英語を楽しく学べる機会を。

Society & Business 2022.05.23

Dream Award ファイナリスト #2
Read by Anna (リード・バイ・アナ)

発表者:菊地真莉佳さん

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菊地真莉佳 / Marika Kikuchi
シンガポール生まれ、インドとシンガポールで教育を受け帰国、小学校は3カ国4校で学ぶ。幼い頃より、インドやシンガポールでさまざまな社会貢献活動に参加する。13歳でRead by Annaを設立。Annaはもうひとつの本名。趣味は、読書、ヨット。
https://ameblo.jp/readbyanna/
instagram : @readbyanna2020
twitter : @ReadbyAnna1

 

菊地真莉佳さんによる、Read by Annaのピッチ。

この春に高校2年生になった菊地真莉佳さん。シンガポールやインドで暮らした経験を持つ彼女は英語力を活かし、日本の子どもに英語の本の読み聞かせをする「Read by Anna」をスタートさせた。2019年から月1回のペースで、同じく海外在住経験を持つ学生メンバーとともに活動を続けている。

「英語の絵本を通じ、子どもたちに英語に興味を持ってもらいたいと思っています。気を付けているのは、“読み手”と“聞き手”という一方的な関係にならないこと。こちらがただ読み上げるのではなく、子どもたちに『どの部分が好き?』『(絵本に出てくる)この動物の名前は何?』などと質問をしながら、楽しい環境を作るようにしています」(菊地真莉佳さん、以下同)

幼いころから海外で英語教育を受けてきた菊地さん。3年前に帰国した際、日本の「英語を学ぶ環境」について課題を感じたという。

「日本では塾などに行かない限り、小さい子どもたちが英語を学ぶ場がないように感じました。そこで、幼いころからその機会を作ってあげたいと思ったことが、活動を始めた動機です。子どもが英語を学ぶことは、幅広い情報の取得につながります。インターネット上でも、英語を理解すれば最も多くの資料に触れることができます。多くの情報に触れることは、子どもたちの将来の活動にもつながっていくはずです」

新型コロナウイルスの流行によって対面での読み聞かせが難しくなった時期は、オンラインで活動を継続。対面と同じく、双方向のコミュニケーションを意識しながら、楽しくカジュアルな雰囲気づくりを大切にしている。

「オンラインの場合、読み手の顔が見えないことで子どもたちが怖がってしまったり、つまらないと感じてしまうこともあります。そこで、今後はかわいい動物の3Dアバターを使うことも検討中です。子どもにも楽しく聞いてもらえますし、年齢やジェンダーに関係なく、誰でもフラットに教えられるようになるのではないかと思っています」

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「子どもが子どもを助ける」仕組みをつくりたい

現在は英語の読み聞かせに特化した取り組みだが、今後は広く“教育”という観点で、子どもたちにより多くの機会を提供していきたいと菊地さんは語る。

「いま考えているのは、英語の絵本のコンテストです。お話をつくることで英語への理解がより深まりますし、クリエイティビティも刺激されます。また、絵を描くことで“勉強”という意識を持つことなく、楽しく取り組めるのではないかと思います。それに、子どもたちに英語だけでなく『美術』に興味を持ってもらうきっかけにもなるかもしれません。今後は他にも、英語以外の言語やプログラミングなど、さまざまな分野に活動を広げていくことも考えています」

菊地さんがRead by Annaの活動のなかで最も大切にしているのが、「子どもが子どもを助ける」という仕組み。この仕組みを文化として根付かせることで、活動を持続可能なものにしていくことを目指している。

「Read by Annaでは中学生や高校生などの子どもが、さらに年下の子供に絵本を読んでいます。理想は、そこで英語の本が読めるようになった子どもたち自身が、また別の子どもに読み聞かせてあげること。そうやって、子どもが子どもを助け続けるシステムを作っていきたいと思っています」

<審査員のコメント>

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CTI Japan ファカルティ 畑中景子さん
聞いていて温かい気持ちになれる、とても素敵なプレゼンテーションでした。特に素晴らしいと思った点が3つあります。

1つ目は、この活動の発端に、菊地さんや仲間たちの純粋な思いがあること。人が最もクリエイティブなエネルギーを発揮できるのは、誰かに言われたことではなく、「自分自身がこれをやりたい」という気持ちです。菊地さんからはその思いを強く感じますし、これからもずっと大切にしてほしいです。

2つ目は、すでに菊地さんたちがお持ちのリソースを最大限に活用していること。自身が持っているすべてのものを出し惜しみせず、どんどん使っていこうという姿勢が素晴らしいと思います。そのリソースには英語というスキルだけでなく、「好奇心」や「冒険心」、子どもたちを助けたいと思う「優しさ」といった、菊地さんの“being(あり方)”も含まれているように感じました。

3つ目は1人ではなく、複数のメンバーで取り組んでいること。みんなでやる大変さもあると思いますが、その分多様なアイデアが出ますし、広がりも生まれていきます。ぜひ、これからも仲間たちとの関係性を大切にしてください。

 

 

text : Noriyuki Enami (Yajirobe.Co.Ltd)

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