フランスBWAアワード 2022ファイナリスト パリのギャラリーの概念を揺るがすアメリー・ デュ・シャラール。
Society & Business 2022.05.30
フランスのマダムフィガロBusiness with Attitude選考委員会で7人のファイナリストが選出された。よりアクセスしやすい作品、デジタルモデル、新しい才能…文化と知識部門から選ばれたアメリー・デュ・シャラールはパリのアートギャラリーのコードを揺るがすことに成功した。
photo : Amélie, maison d'art / Photo presse
ロスチャイルドの元投資銀行家だった彼女は、2015年以来、スタイリッシュな展示空間をもつアクセスしやすいアートギャラリーと、デジタル化に対応した事業戦略(オンラインショップでの販売が全体の25%を占める)でアート業界のモデルに風穴を開けている。手の届きやすい価格帯(200~1万ユーロ)、アパルトマンのような設えのふたつの美しい展示空間。アンチスノッブな姿勢で新風を吹き込むだけでなく、プライベートコレクションや美術館への売り込みなど、アーティストの支持率向上のためのサポートも積極的に行う。
個人顧客向け販売と、ブランドやブティックホテルなどの企業を取引相手とするBtoBのふたつの柱に支えられた強固なビジネスモデルを構築している。2020年には新たなプロジェクト「Airbnb artistique」やモノグラフ出版も事業に加わった。最近も16~30歳を対象にしたスタジオ「Miracolo」(各作品限定30点、価格は100~200ユーロ)がスタートしたばかりだ。総売り上げ400万ユーロ、従業員11人を抱えるギャラリーは、海外進出(アメリカ)の足がかりとして500万ユーロの資金調達を目指している。
彼女を支持する理由は?
現代美術の「イザベル・マラン」、すなわち手の届く贅沢を実現したこと。また「芸術家たち(女性が70%を占める)が自分の作品で(きちんと)生活できるように取り組んでいる点。
text : Morgane Miel (madame.lefigaro.fr)