フランスBWAアワード 2022ファイナリスト スマホを使ったペリネリケアを提唱するエムリーヌ・アン。
Society & Business 2022.05.30
フランスのマダムフィガロBusiness with Attitude選考委員会で7人のファイナリストが選出された。ネクスト・テック部門から選ばれたエムリーヌ・アンは、アプリと連動した会陰(ペリネ)のリハビリ器具を開発したFizimedの創業者だ。女性がひとりで会陰のリハビリトレーニングをすることを可能にした。
photo : Fizimed / Photo presse
エムリーヌ・ハーンが2017年に商品化した医療器具Emyは、アプリと連動して会陰部のリハビリトレーニングができる器具だ。生物学を修めた後、ESCP経営大学院で学んだ彼女は、Emyの発売にあたって、市場はもとよりタブーも自分が立ち向かう相手であると意識している。会陰は恥骨から尾骨までを覆う筋肉だが、出産や加齢によって、女性の3人に1人がこの部分に問題を抱えている。会陰を鍛えることは、一言でいうと、性交渉の改善や運動パフォーマンス向上、尿漏れ防止のために非常に重要なのだ。
エムリーヌと彼女の共同経営者たち(技術者と運動療法士)が医療関係者たちと共同で開発したこの器具のおかげで、女性たちは、安全に(アプリに接続して利用する装置は電磁誘導方式によるワイヤレス充電。医療器具として認定されている)、自宅で日常的に、楽しく、自分のペースでリハビリトレーニングが行えるようになった(販売価格は199ユーロ)。自主的に自分の身体のコントロールを取り戻すことができるというわけだ。フェムテックのパイオニアであるドイツでは公的医療保険が適用されるようになったばかり。スペイン、アメリカ、ベトナムなどにも出荷されており、急速に成長を遂げている。(2020~2021年の1年間に売上高は2倍に伸びた)。
彼女を支持する理由は?
課題への徹底したアプローチ。つまり、実用的、技術的な革新性、フェミニスト、世代を超えた製品開発、財政面の強さ、そしてすでにグローバル展開を果たしている点。
text : Viviane Chocas (madame.lefigaro.fr)