フランス マダム・フィガロ Business with Attitude 創造の喜びあふれる仏BWA授賞式の舞台裏に潜入!
Society & Business 2022.06.09
6月2日、フランス郵便局ラ・ポストの協賛で、フランスのマダム・フィガロが毎年発表するBusiness with Attitude賞の授賞式が開催された。クリエイティブで自由な雰囲気に包まれた授賞式で、革新性と社会貢献で際立った3人の起業家に賞が授与された。
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Business with Attitude賞の7人のファイナリストたち。左から、オレリー・ブトブル(読者賞受賞)、アスマ・シャキール・アラウィ(BWA賞受賞)、ジン・グオ、エムリーヌ・アン、アメリー・デュ・シャラール、マルジョリー・ダニエル(ポテンシャル賞受賞)、ヴィルジニー・エオニアン。photography: Nikolas Brulez / Say Who
まず、驚きの声が上がった。それから歓声。興奮はやがて涙に変わった。涙を浮かべているのは、法人向け電動自転車の製造とリースを手がけるスタートアップ企業VelyVélo共同創業者のアスマ・シャキール・アラウィだ。
マダム・フィガロのイベント・プロジェクト・マネージャーのキャロリーヌ・トゥルネ(写真右)に伴われ、涙を拭いながら壇上に上がるアスマ・シャキール・アラウィ。photography: Nikolas Brulez / Say Who
6月2日にパリ弁護士会館で開催された第6回Business with Attitude賞授賞式で、35歳のアスマが受賞者に選ばれた。「信念を持って賞に応募しました。これまで全力を傾けてきました。このトロフィーを勝ち取ったことをとても誇りに思います。私にとって重要な意味を持つ賞です」。舞台の上でそう語る彼女は興奮を隠せない様子だ。「これからもVelyVéloを可能な限り発展させていくつもりです。効率的でグリーンなモビリティの推進は真の意味での社会的課題だからです」
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8カ月に及んだ選考会の山場である授賞式では、他にもふたりの女性に賞が授与された。数週間にわたって実施されたネットユーザーの投票で選ばれた「読者賞」に輝いたのは、ファッションブランドSoi Paris共同創始者のオレリー・ブトブル。
読者賞に輝いたオレリー・ブドブル。photography: Nikolas Brulez / Say Who
また、マダム・フィガロと起業界の男女平等推進に取り組む団体Diversidaysが共同で今年立ち上げた第1回ポテンシャル賞は、Volunteers 4 Sport共同創業者のマルジョリー・ダニエルが受賞した。
ポテンシャル賞を受賞したマルジョリー・ダニエル(写真中央)。photography: Nikolas Brulez / Say Who
「会社を興したのはパンデミックの直前でしたが、私たちは持ち堪えました」と、マルジョリーは舞台上でトロフィーを手にして語った。「これから事業を加速させなければなりません。短期間にやるべきことがたくさんあります」
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自由を培う
マダム・フィガロのチームと提携企業各社はこれからも、彼女たち受賞者や歴代80人のファイナリストからなるBusiness with Attitudeコミュニティのメンバーを支えていく。設立時にマダム・フィガロが掲げたモットーはいまも変わらない。起業する女性たちにできる限り忠実で有益であること、そして、毎年の賞の開催を通して、彼女たちが自分たちにふさわしい場所を手に入れられるように支援すること。
授賞式の司会も務めたマダム・フィガロ・ビジネス担当副編集長のモルガン・ミエル。photography: Nikolas Brulez / Say Who
「この賞を立ち上げた当初、起業家のなかで女性が占める割合は30%でした」と、授賞式の冒頭でマダム・フィガロ・ビジネス担当副編集長モルガン・ミエルは述べた。「それがいまでは40%です。国立統計経済研究所によれば、女性が指揮を執るプロジェクトは男性が統率するプロジェクトに比べて収益性が高いということです」。それでも、フランス企業全体の資金調達額のうち、女性が興した企業の資金調達額はわずか2%以下だ。
それゆえに、マダム・フィガロは6年前から、医療、教育、農業、芸術、ファッションまであらゆる分野で、現代の重要課題に対する有効な解決策をイメージし、創造し、革新する女性たちへの支援に取り組んできた。モルガン・ミエルはこう続ける。「起業とは、人生、そして、人生において自分が果たす役割を、冒険にすること。起業家はリスクを選び、リスクを管理し、上下関係や権威に対して特殊な関係を築く人です。それは何よりも、自分で考える自由という、不服従のひとつのあり方なのです」
(写真左から)The Ladies Bank by Oddo BHF共同設立者のアリックス・ドゥ・ランティ、マダム・フィガロ・ビジネス担当副編集長のモルガン・ミエルとビジネス・メンターのヴァレリー・アッカリー。photography: Nikolas Brulez / Say Who
6月2日に『マダム・フィガロ』チームとBWA賞のパートナー企業、そして授賞式のゲストたちが祝福したのは、豊かで貴重なこの自由。大きな野心を抱えた女性起業家たちを授賞式で称えた後は、シテ島に係留された船上レストラン「ジャルダン・デュ・ポン=ヌフ」で、カクテルパーティーが催された。植物の生い茂る華麗なデッキに、ゲストたちの笑い声と喜びと興奮の声が夜遅くまで響いていた。
「ジャルダン・デュ・ポン=ヌフ」でカクテルパーティーを楽しむ参加者たち。photography: Nikolas Brulez / Say Who
(1)パートナー企業は、アーンスト・アンド・ヤング、ネスプレッソ、グーグル、BNPパリバ、エンジー、The Ladies Bank by Oddo BHF、Maje、Bpifrance、フランスアンフォ。
text: Sofiane Zaizoune (madame.lefigaro.fr)