イギリスの男性国会議員が更年期のホットフラッシュを体験。
Society & Business 2022.07.06
6月28日、英国の労働党および保守党の男性国会議員数名が、代表的な更年期症状の一つであるホットフラッシュを体験した。
英国では、働く女性の10人に1人が更年期症状を理由に離職している。photo: Getty Images
イギリスの男性国会議員に更年期症状を体験してもらう試みが行われた。いくつかの英国メディアで報じられたように6月28日、労働党のキャロリン・ハリス議員は、ホットフラッシュを体験できるシミュレータージャケットを男性の同僚議員に着用してもらった。その意図は代表的な更年期症状への理解を社会や公的機関に深めてもらうこと。上半身にのぼせ、ほてり、発汗が起きるこの症状を抑えるためのホルモン補充療法(HRT)薬の在庫が、現在英国で不足しており、保健行政上の大きな問題になっている。
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「爆発する」ような感じ
男性議員たちはジャケットを着用して数秒も経たないうちに反応した。労働党のウェス・ストリーティング影の保健相は「非常に不快」な感じがすると語り、繰り返し「熱に包みこまれるような感覚」に襲われたとのことで、急いでジャケットを外すとほっとした表情を見せた。
「(男性も)こうだったら、だいぶ文句を言うだろうな」というのが同議員の感想だった。同様に体験したステファン・キノック労働党議員は内側から「爆発する」ような感じだった、と表現した。
Male MPs get a taste of what it's like to have menopause hot flusheshttps://t.co/AxAm8wYlRR pic.twitter.com/AVYhRh1MKi
— BBC Politics (@BBCPolitics) June 29, 2022
同僚議員の感想に対してキャロリン・ハリス議員は「私の世界へようこそ」と皮肉っぽく応酬した。更年期症状ワーキンググループの共同議長であり、この体験会を企画したキャロライン・ハリス議員は、「人口の51%が直面している、あるいはいつか直面する体験を同僚と共有した素晴らしい機会でした」とツイッターに投稿した。
更年期の女性へのカウンセリングを行うオーバー・ザ・ブラディ・ムーン社とイギリスの製薬会社のTheramex社の支援を受けてキャロリン・ハリス議員は、ホルモン補充療法を医師が処方しやすくするために、保健当局が承認したホルモン補充療法用の医薬品リストを通達するよう政府に働きかけている。
Wonderfully @wesstreeting and @MPIainDS put on the #MenoVest and experienced just how debilitating hot flushes can be during #Menopause
— Carolyn Harris MP (@carolynharris24) June 28, 2022
They make quite the team!
I’m sure they enjoyed me and @twocitiesnickie chewing their ears off! pic.twitter.com/6rQQrx4TIE
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労働条件の改善
体験会に同席した国会議員や活動家たちによれば、これは単なる健康問題だけでなく、経済問題でもあるそうだ。男女不平等と戦うフェミニスト団体のフォーセット協会が5月上旬に発表した報告書によると、働く女性の10人に1人が更年期症状を理由に離職している。
キャロリン・ハリス議員はBBCの取材に応じ、企業がこの問題をもっと意識し、女性の働く環境が改善されることを願う、と語った。「私たちにはエアコン、扇風機、新鮮な空気、冷たい水が必要です。ささやかな願いのようですが、日々を乗り切るためには十分な違いなのです」と語った。
text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr)