ドイツ、子連れで分科会出席のパパ議員が話題に。

Society & Business 2022.07.14

ドイツの同盟90/緑の党のアントン・ホフライター議員が、6月20日、議会の分科会で息子を膝に乗せている姿を写真に収められ、話題を呼んだ。

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ドイツの議員が子連れで議会に出席(2022年6月20日、ベルリン)photography : Getty Images

あまりにも見慣れない光景が世論を分断した。あるドイツ議員が驚くべき同伴者を連れて連邦議会に出席したのだ。彼の膝の上には15カ月の息子が心地よさそうに座っていた。おもちゃの自動車で静かに遊んでいたし、泣き声を上げていたわけでもないが、その姿が注目を集めた。「緑の党のアントン・ホフライター議員はEU連合の委員会においての議論を、コロナ渦で標準化されたオンラインではなく、まさしく対面で行った」とSüddeutsche Zeitung Magazin誌は報じた

同盟90/緑の党のメンバーの協力者は、この子連れ姿をすぐにネットにアップ。瞬く間に広まった。ドイツの保育園不足の問題はもちろん、子どもを利用しているのではないかという意見も浮上した。広報戦略、または政治的行為と見る人もいれば、純粋に父親としての務めを果たしていると考える人もいた。「ホフライター議員の演出だという辛らつな意見もあれば、緑の党代表のカタリナ・シュルツのように、彼が息子連れで議会の廊下を歩く姿は何度か目撃されているし、今回もそれなりの理由があったのだろうと推測する人もいた」と同雑誌の記事は書いている。
 


アントン・ホフライター議員が子連れで出勤した理由が何であれ、ネット上ではこの特殊な状況を賞賛する声が上がった。「この議員を“スーパーパパ”とほめる人もいますが、単に職場で父親としての義務を果たしているだけです」。仕事をしながら子どもの面倒を見ること自体は特殊なことではない。しかし「大半の場合、母親がその役割を担っている」。4年前にマデレイン・ヘンフリング議員が赤ちゃんを抱いて採決に臨もうとした際には、このような扱いではなかったと指摘する声もある。ドイツ中部テューリンゲン州の議会は、新生児を抱っこしているという理由で、ヘンフリング議員が採決することを認めなかった。

ホフライター議員のマスコミ報道は、よい影響をもたらす可能性があると上記のSüddeutsche Zeitung Magazin誌は評価する。「画像は大きな力を持っています。この件が、私たちの社会に存在する男性と女性、父親と母親の間の不平等な扱いを減らすきっかけになるかもしれません」と締めくくった。

text: Mathilde Seifert (madame.lefigaro.fr) translation: Hana Okazaki, Hide Okazaki

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