若い世代の英国女性たち、ポルノショップから女子高校生の制服を撤廃する署名運動を開始。
Society & Business 2022.10.22
女子高生たちは、ポルノ産業で過剰に性的に表現された制服のせいで、日常的にセクハラを受けていると糾弾している。
2018年には、イギリスの未成年女子の33%が制服着用中にセクハラを受けたことがあるという調査結果が発表された(イギリス、2020年8月12日)。photo: Andy Buchanan / AFP
イギリス海峡の向こう側では、私立学校ではいまだに制服が義務づけられている。女子の場合は、伝統的なプリーツスカートに、体のラインにフィットしたシャツ、ジャケット、ベストを着用している。長年にわたり、制服は様々な妄想を膨らませ、ポルノサイトやセックスショップの中で人気上位を獲得してきた。2018年、イギリスのNGO団体「プラン・インターナショナル」の調査によると、イギリスの女子の33%が制服を着ているときにセクハラを受けたことがあると述べている。
これは憂慮すべき数字であり、タイムリーな話題である。チェシャー州サンドバック高校の女子高校生たちは彼女たちの制服をセックスショップやオンラインショップで販売することを禁じる署名活動を先ごろ開始した、とインディペンデント紙が報じた。一週間で3063名の署名を集めた嘆願書には「私たちは、子どもたちの性的虐待を止めるために、これらの制服を展示・販売することを違法とするよう政府に要請します」との説明がある。
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60歳代の男性たち
このマニフェストを掲げた学生グループは、英国のウェブサイトの取材に対し、13〜60歳までの男性からセクハラを受けたと断言している。「私や学校の生徒だけでなく、多くの女の子たちが毎週のように体験していることです。帰り道で男性とすれ違ったとき、レイプされると脅されたこともあります」と、少女のひとり、ハンナは語った。17歳の学生の彼女は、これらの制服を性的なシナリオの中に使用するということは、現実の大人の行動を正当化することになると付け加える。
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クラスメートのジェマも同様のことを述べている。これらの制服は「セックス・シンボル」として見られているのだと、彼女はインディペンデント紙に語っている。そして、制服の使用がセックス産業で許されることは、子どもたちを性的対象として見ることにつながると言う。そこで16歳の女性高校生の彼女もまた、彼女たちの教師であるサラ・マイユによってオンライン上に立ち上げられた嘆願書にサインした。宗教学を指導するマイユは、生徒たちから聞く話に心を痛めている。「彼女たちに安心して過ごして欲しいです。しかしながら、彼女たちは今現在、困惑し、恥ずかしさを感じ、無力感を覚えています」とマイユは述べた。
署名活動開始後、世界各国から多くの証言が寄せられている。中には数十年前のものもあり、その現象の大きさを裏付けている。11月までに1万人の署名を目指しているが、予想をはるかに上回るスピードで目標に到達しそうだ。
text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi