ソフィー・マルソー、気候変動に無関心な風潮に喝を入れる動画を投稿。

Society & Business 2022.10.30

フランス女優のソフィー・マルソーが環境や動物保護の問題へ関心を持とうと訴える動画をインスタグラムに投稿した。辛口のナレーションが入った強烈な動画だ。

 

 

Instagram@sophiemarceau

環境問題に熱心なことで知られるソフィー・マルソーが10月21日、1本の動画をインスタグラム投稿した。女優自らがナレーターとして、マチュー・コランの文章に従い、地球温暖化に無策な指導者層の強欲さと不実、悪弊を強い口調で告発している。見る人に強烈なパンチを浴びせかける映像だ。

インスタグラムの投稿には、「チクッとするリマインダー!」のキャプションがさらりとつけられていた。環境保護や動物保護を訴え、人類の利己的な行動が破滅をもたらしていることを告発した5分間の動画だ。

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全体のトーンはかなりシビアだ。最初の数秒は美しい映像が続く。人の気配のない雪山の無垢な美しさは、脅かされつつあるピュアな世界の象徴だ。フリーダイバーの世界チャンピオン、アーサー・ゲラン・ボエリが凍った湖のなかへ潜り、凍てつく水温に挑戦する。この導入部は、多くの自然ドキュメンタリー番組と似ているが、実のところはとても皮肉めいている。なぜならば、続いてフォトジェニックとはいいがたい地球の生々しい映像が流れるからだ。イライラした声のソフィー・マルソーのナレーションがガツンとかぶさる。「ふん、きれいだけど、ちょっと退屈だわ」

ひとりの少女が登場する。彼女は人類の未来を象徴している。少女はこれまでの環境汚染の印を地球儀に付けていく。その後、ジャック・シラク元フランス大統領が国連でおこなった有名な演説、「わたしたちの家が燃えているのに、わたしたちはよそ見しているのです」のシーンのアーカイブ映像が流れる。少女は「ただのおしゃべり」と関心がなさそうに言う。「ま、わたしたちはいつもよそ見してきたわよね、しかもいつもうつむきながら」とナレーションが入り、「でも、気候なんか、気にしている暇があると思う?!」と続いた。 

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その後も嫌味たっぷりなナレーションが続く。「惑星が3つぐらいあるような勢いで消費しているけれど、いいことに、たくさん予備の惑星が見つかったみたい。だったら徹底的に使ったほうがいいわよね!」とか、動物に関しては「同居人がのさばった上に、恩知らずなことに文句を言いはじめたから場所を確保することにしたわ」のナレーションをバックに発育不全の白熊や網にかかった海亀、屠殺場での光景など、苦しむ動物の映像が流れる。さきほどの少女が斧を手にしている。少女が斧を振り下ろすたびに生き物を仕留めたかのような血しぶきが上がる。

さらに少女は地球儀にガソリンをまいて火をつける。「少し温めようと思って。とてもうまくできた」とソフィー・マルソーの声が入る。戦争や自然災害のアーカイブ映像が流れる前で少女は破壊的な文明の指揮者を演じる。「そろそろ演奏をやめたほうがいいんじゃないの?」と女優は問いかける。

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地球がとうとう爆発した。「青にはうんざり」とナレーションが入り、宇宙飛行士の映像が映し出される。「あなたは、火星に行けるの?」とソフィー・マルソーは言う。赤い惑星の植民地化を目指すイーロン・マスクのスペースXプロジェクトを皮肉ったものだ。

制作プロダクションのコニオによるこのビデオクリップのタイトルは「青い惑星が赤く激高する」で、「気候の兵士を応援しよう」というスローガンがついている。この動画は消防活動を通じて気候対策も担うフランス消防団の活動を応援する目的で作られた。

text: Louis Delafon (madame.lefigaro.fr)

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