イラン人男性が、ヒジャブ姿の写真を投稿する理由。

Society & Business 2023.04.06

数日前から、イラン男性がべールを身につけた写真をSNSに投稿している。その多くは学生や薬剤師たち。自国で女性に課せられている厳格な服装規定に対する抗議の表明だ。

230323-Iran-veil-01.jpgタリバンの復権後、イランの女性たちにはベールの着用をはじめとした厳しい服装規程が課せられている。(*写真はイメージ) photography: iStock

「男たちが服装規定をあざ笑っている!」
中東・北アフリカ地域監視機関とジャン・ジョレス基金の副ディレクターを務めるファリド・ヴァイドは、ツイッターで興奮をあらわにした。数日前から、べールを身につけたイラン男性の写真がSNSに大量に出回っている。年齢も階層もさまざまな市民が、イランで「女性たちに課されているべールの着用義務と服装規則に対する抗議として」、ヒジャブで頭を覆い、職場や街頭でその姿を写真に収めている。

「男たちが服装規定をあざ笑っている! 仲間との連帯、そして女性に課せられたベールの着用義務と服装規定に抗議して、イランの男子学生はベールを着用して大学に通っている!」

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立ち向かい、嘲弄する。

強いメッセージを持つこの行動は、マフサ・アミニの死以降、イランを揺さぶっている抗議のうねりの一部だ。当時22歳だった彼女は、昨年9月、べールを「適切に着用していない」という理由で道徳警察に連行され、その後に死亡した。この事件は市民の怒りを呼び、抗議デモに発展。たくさんのイラン人女性が、命がけで街頭に出て、ヒジャブを燃やしたり、髪を切ったりして抗議の意思を示した(この行為は革命のシンボルとなった)。

フランスのフィガロ紙のインタビューに応じたファリド・ヴァイドによれば、この行動は、性差を逆転させ、「べールをつけた男性は滑稽。それは女性にとっても同じこと」と訴えるのが狙いだという。ちなみに同国で公共の場での女性のべール着用が義務化されたのは、イスラム革命後の1979年のことだ。

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「男性たちを誇りに思う」

学生だけでなく、薬剤師も同僚の女性たちを支援するために闘っている。薬局に勤務する多くの男性従業員が、保健省の下部組織であるイラン食品医薬品局(IFDA)に対して反対の意を表明するために写真を投稿している。食品医薬品局は近頃、すべての女性従業員に伝統的なべールの着用を義務付けたばかりだ。

「世界中の薬剤師にイランの同業女性たちへの支援を呼びかけます。べールの着用を義務づける法律に抗議したために、多くの女性が職を失いました。女性にヒジャブの着用を強制することは、世界中のすべての女性、すべての男性に対する侮辱です。人権は普遍的なテーマです。連帯を示してください」と、イランのジャーナリストで活動家のマシー・アリネジャドはツイッターで訴えた。投稿には、医薬品棚の間に立つべール姿の男性の写真も2点掲載されている。

SNSで拡散されたイラン男性たちの写真に、世界中から賞賛の声が上がった。「自由を求める闘いのために、私たちの味方をしてくれた男性たちを誇りに思う」と、ある女性ユーザーはコメントしている。

text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr)

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