海外のビーチリゾート、水着のみでの移動にご注意を!

Society & Business 2023.07.16

近年、フランス国内外のいくつかの自治体では、特定の通りや街の中心部において、休暇を過ごす人々や地元の人々に対し、水着を覆う衣類の着用することを奨励する措置を講じている。その例を見てみよう。

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アルカション湾の湾口に位置するピラ砂丘を登る観光客たち。photography: Getty Images

夏が到来し、水辺でのんびりしたり、アイスクリームを食べたり、暑い通りを散策したりする休日の暑い日々がやってくる。しかし、どんな服装でもいいわけではない。実際、記録的な気温に達していたとしても、一部の海辺のリゾートではドレスコード規制が採用されている。たとえば、海辺のエリア以外ではビキニの着用が禁止されていることもある。しかし、仏日刊紙『Ouest-France(ウエスト-フランス』が指摘するように、胸を露出して街を歩くことを正式に禁止する法律はない。禁止されているのは「他人から丸見えの状態での性的露出」のみである。

しかし、いくつかの自治体は、上半身裸または水着での散歩を禁止する市の条例を制定することで積極的な措置を取っている。違反者は38ユーロ(約6000円)の第1級の罰金が科される。

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公共の場で上半身を覆わずに歩いていい? 法律では禁止されていない

1994年以降、水着や上半身裸で買い物に行ったり、歩き回ったりすることは罰せられないことになった。それまでは刑法で「公然わいせつ」が禁止されており、2年以下の懲役が科されていた。現在では、刑法第222条の32に基づき、「公衆の面前で性的な行為をすること」のみが処罰の対象となっている。罰金は15000ユーロ(約235万円)である。

フランスでは

カシ(マルセイユの隣町)の入り口には、はっきりと「正しい服装が必要」と書かれている。毎年夏になると、小石のビーチと小川で有名な南仏のこの街は、街の中心部で観光客や住民に上半身を隠すよう求めている。そのため、海辺のリゾートの石畳の道を水着で歩いたり、濡れたままでも裸足で土産物を買ったりすることは、罰金を科される恐れがあるため、もうできない。

ヴァンドール市では、街中を「明らかに不適切と見なされる服装で歩く」人に対しても38ユーロ(約6000円)の罰金が科される。

フランスのもう一方の端、大西洋のアルカションで、ビーチを離れる際にはTシャツやショートパンツなどを着用するよう注意が必要だ。それを怠ると、大きな代償を払うことになる。2019年以来、アルカションの市街地では「適切な服装」の着用が市の条例で義務付けられているからだ。アルカションはジロンド県にあるリゾート地である。

コルシカ島のアジャクシオでも同様だ。仏地方紙『コルス・マタン』が指摘するように、6月1日から10月15日まで適用される市条例では、「ビーチとその周辺以外では、胴体を露出した水着だけの服装で公道に出ること」を禁止している。「良識」と「善良なモラル」の問題である。

フランスの他の町、例えば、トゥルーヴィル、ニース、カンヌ、マントン、ラ・グランド・モットでも、ビーチから出る際には適切な服装を求めている。

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海外では

2022年の夏から、ナポリ湾に面するソレント(イタリア)の路上で水着を着用したり、素っ裸になったりすることが禁止された。この決定を下したのはマッシモ・コッポラ市長である。コッポラ市長は、「このようなわいせつな行為」が「住民や観光客に不快感や不安を与え、ソレントのイメージや観光業に大きな影響を与える」と考えている。違反者には25ユーロ(約4000円)から500ユーロ(約8万円)の罰金が科せられる。

同様に、サレルノ県(イタリア)のヴィエトリ・スル・マーレとカラブリア州のプラーイア・ア・マーレの海岸沿いの街では、観光客も住民も海水パンツ、ワンピース水着、ビキニの着用が禁止されている。

数キロ離れたクロアチアのスプリトでは、外国人であろうと地元住民であろうと、「水着、下着、素っ裸で」歴史地区を歩くと150ユーロ(約23000円)の罰金となる。テレビドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」の撮影以来、特に人気の高い観光地であるドブロブニクも同様だ。

スペインの有名な都市バルセロナでは、2011年以来、ビーチへの出入り前後に中心街でお腹を出したまま、水着姿で歩く観光客に罰金が科されている。罰金の金額は最大で300ユーロ(約47000円)になることもある。その後、他の多くの自治体も同様の措置を取っている。したがって、ビキニ姿でアイスクリームを食べに行く前に法律を確認することをお勧めしたい。そうでなければ、アイスクリームが予想よりも高くつくことになるかもしれない。

text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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