ケイト・スペードと考える、エンパワーメントとメンタルヘルスの関係。
Society & Business 2024.04.06
「Joy Colors Life(喜びが人生を彩る)」をパーパスに掲げ、カラフルでユニークな世界観で多くの人々を勇気づけてきたケイト・スペード ニューヨーク。同ブランドは10年以上にわたり、女性と女の子をエンパワーする活動にも力を入れてきた。
女性のエンパワーメントに向けて、ケイト・スペードが特に重要視するのがメンタルヘルスだ。女性たちが発言力(Voice)、選択肢(Choice)、力(Power)を持って活躍するためには、メンタルヘルスが重要な「土壌」になるーー。そんな考えのもと、これまでさまざまな取り組みを実施してきた。
カラフルで大胆なデザインのアイテムが並ぶケイト・スペード ニューヨーク 銀座店。
「女性は女性であるというだけで、より多くのストレスを感じている」
2023年には、これまで綿密な立証は行われてこなかった女性のメンタルヘルスとエンパワーメントの関係について、イギリスのコンサルティング会社、プロスピラグローバルと連携し、大規模な調査を実施した。
その結果、90%の女性が「自分が単に女性であるだけでストレスが増加すると感じている」と回答した。そして97%の人々が「女性のエンパワーメントにメンタルヘルスを統合することで、より持続可能なエンパワーメントの成果が得られる」と考えている。これらの実態にもかかわらず、メンタルヘルスは長きにわたり軽視され、十分な財源を受けずに過小評価されてきた*。
*調査結果はケイト・スペード ニューヨーク「女性と女の子:メンタルヘルスを通したエンパワーメント」より見ることができる。
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メンタルヘルスについて、安心して話せる環境を。
3月8日の国際女性デーに開かれたパネルディスカッションの様子。第1部に登壇した(左から)ケイト・スペード ジャパンプレジデントの柳澤綾子さん、#なんでないのプロジェクト代表の福田和子さん、「blossom the project」代表の中川・ホフマン・愛さん、ケイト・スペード ソーシャルインパクト・カウンシルメンバーで昭和女子大学キャリアカレッジ学院長の熊平美香さん。
前出の調査では2人に1人が「メンタルイルネス」の状態を経験したことも報告された。その一方で、日本ではまだまだメンタルヘルスについて安心して話せる環境が少ない。
そこでケイト・スペード ジャパンは、国際女性デーの3月8日、エンパワーメントにおけるメンタルヘルスの重要性やセルフケアについて話し合うイベントを銀座店で初開催。第1部のパネルディスカッションでは、メンタルヘルスを中心にさまざまな社会課題をイラストと日・英のテキストで発信する「blossom the project」代表の中川・ホフマン・愛さん、日本で性と生殖に関する健康と権利(SRHR)実現をめざす#なんでないのプロジェクト代表の福田和子さん、ケイト・スペード ソーシャルインパクト・カウンシルメンバーで昭和女子大学キャリアカレッジ学院長の熊平美香さん、ケイト・スペード ジャパン プレジデントの柳澤綾子さんの4人が、女性のエンパワーメントにおけるメンタルヘルスの重要性や、日本で感じている課題などを語り合った。
メンタルヘルスについて話しにくい風土がある日本で、どう会話を始めればいいのか?という問いに対して、「性もタブー視されていて、メンタルヘルスと一緒で話しにくい状況にある。けれど『こんなふうにしゃべれるんだ』と心を許せる場所があったり、ほかの人がしゃべっているのを見れば、会話を始められる」とSRHRプロジェクトを進める福田さんは回答。みんなが安心して話せる場づくりについて熊平さんは、「自分の気持ちはオープンに話す、人の気持ちはジャッジ(評価)しない」アティチュードが大切だと指摘した。
SNSでの発信を通して、メンタルヘルスについて気軽に話せる環境づくりに取り組む中川さんは、「みんなの相談にのっていると疲れてしまうこともある。自分がほかの人にとって役立てる時と役立てない時を理解して、メンタルヘルスについて話す時とオフの時間をしっかりと決めることが大切」と指摘。自身のメンタルヘルスを保つためにも、「自分の心と身体のニーズに耳を傾ける」セルフケアの重要性についても語った。
ケイト・スペード ジャパン プレジデントの柳澤綾子さんは、自身のニューヨークでの経験から、世代やバックグラウンドの違いを超えた女性同士が、お互いをサポートし合う「シスターフッド」の大切さを語ったうえで、「アメリカも少し前まではメンタルヘルスについてオープンに話せなかったけれど、だんだんと状況が変わってきた。日本もここから成熟し、進化していくフェーズにある。シスターフッドを築きながら、こうした小さなムーブメントが少しずつ大きくなっていくことが大事だと思う」と訴えた。
すべての人が生き生きと暮らし、働くための大切な土壌となるメンタルヘルス。今回のイベントのように、安心して互いに話し合える環境が日本でも少しずつ増えていくことを願う。
⚫︎ケイト・スペード ニューヨーク 国際女性デー イベント in Japan
www.katespade.jp/social-impact-event.html
photography: Courtesy of Kate Spade New York