医療的ケア者も、エンタメを楽しめる世界を創る。【BWAピッチコンテスト2025受賞者インタビュー】

Society & Business

「思いを言葉に」をテーマにしたフィガロジャポンBWAピッチコンテスト。4回目の開催となる今年は、国内外から過去最多となる約160件の応募を数えた。

7月11日、ポットラック ヤエスで開かれた本選には6人のファイナリストが登壇。その中からプロフェッショナルアワード、ドリームアワード、オーディエンスアワード受賞者に選ばれた、3人の女性起業家の姿勢に触れる。


Audience Award

会場の観覧者&YouTube Live配信視聴者が応援したいビジネスを投票で選出。

MIMSAPORT
上仮屋 遥 (Haruka Uekariya)

自分の「好き」で誰かの「やりたい」を応援する。
エンタメ×チャリティで創る、諦めない社会。

上仮屋 遥(うえかりや・はるか)福岡県出身。理学療法士として病院や訪問看護ステーションで勤務した後、2023年にミモサポートを設立。医療的ケアが必要な人とその家族が安心・安全に外出するための付き添いや介護タクシー事業を展開する。MIMSAPORT:https://mimsaport.com/

理学療法士として10年間勤務した上仮屋。難病やガン患者のリハビリを行う中で、やりたいことが叶わず亡くなる人の姿を見てきた。「彼らが当たり前に外に出て楽しむことができる世の中を創りたい」と独立を決意、2023年にミモサポートを立ち上げた。これまで150件を超える外出支援を行い、患者や家族の感動的な瞬間に立ち会うことができた。

一方、彼らがもっと身近に娯楽を楽しめたらと考案したのが、ウィッシュ・オンプロジェクトだ。ライブやスポーツなどのチケット購入時に寄付付きチケットを選択できる仕組みを取り入れ、医療的ケアが必要な人も一緒に観覧を楽しめる仕組みを作るというもの。会場やイベント主催者に協力を仰ぎ、患者も安心して参加できる環境作りを目指す。

直近ではドーム球場でのテストマーケティングを予定する。

「みんなが一緒に楽しむことで、誰かの夢を叶え、社会を優しく変えていければと思っています」

看護師や理学療法士の仲間たちとともに、専門知識を駆使してミモサポートを展開する上仮屋。時に自らタクシーを運転し、患者やその家族が安心して出かけられる環境作りを目指す。

Q1.事業を立ち上げたきっかけは?

理学療法士として働いていた時にALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の方との出会いがきっかけで、病気や障がいのある方の外出支援システムを立ち上げました。リハビリ患者の方が生きがいを持てる世の中を創りたい。そこからさらに、エンターテインメントをともに鑑賞できるチャリティシステムを作るべく奔走しています。

医療ケア児の家族旅行の移動をサポート。「久しぶりに家族みんなで旅行できた」とはしゃぐ子どもたちの笑顔を支えた。

Q2.賞を受けて今後の目標は?

思いを伝えることを目標に参加したので、オーディエンスアワードをいただけて大変うれしいです。医療的ケアが必要な人たちが外出を諦めることのないよう、また外の世界に一歩踏み出すことで、健常者にもその存在や背景にある社会課題を知ってほしい。ここからいろんな人を巻き込んで事業を進めたいです。

飛行機や新幹線での移動を支援することも少なくない。特別な設備を要することもあり、旅行費は通常の3倍以上に跳ね上がるケースも。

Q3.働くうえで大切にしていることは?

医療的ケアを必要としている人に寄り添う私の仕事は、他人に元気を与える使命があります。そのためには自分が楽しんでいないと伝わりません。サポートというよりも一緒に楽しむ姿勢を忘れないようにしています。そしてみんなが楽しむ場所であるエンタメの世界に、どんな人でも参加できるような社会を創りたいと思っています。

 

BWAピッチコンテスト2025 アーカイブ動画 *上仮屋さんのピッチは48:48〜。

*「フィガロジャポン」2025年10月号より抜粋

photography: Aya Kawachi styling support: SOÉJU makeup: Team Athlete Beauty text: Junko Kubodera

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/society-business/250820-bwa2025-harukauekariya.html