鎌倉で、したいこと、行きたいところ。 #02 鎌倉野菜と湘南の海に癒されて、パワーチャージ。

Travel 2015.01.08

鎌倉に住むクリエイターにおすすめアドレスを聞き込み調査! 第2回目のナビゲーターは、「ベージュ アラン・デュカス 東京」の小島景シェフ。自身のメニューにも登場するお気に入りの鎌倉野菜を使ったイタリアンや、本当は秘密にしておきたいとっておきの癒しアドレスにご案内します。

採れたての鎌倉野菜が揃う、朝の鎌倉の人気スポット。
鎌倉市農協連即売所

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「フランスに滞在していたころ、朝市で野菜を仕入れてから店へ行くのが毎日の習慣でした。生産者と関わりながら、自ら野菜に触れて材料を選ぶ、そのサイクルを帰国しても続けたくて、レンバイに近い鎌倉に住もうと思いました。この市場には12~3年、毎日通っています」と小島シェフ。鎌倉市農協連即売所、通称レンバイは、昭和3年に発足した歴史ある即売所。鎌倉地域の農家の方々が、曜日交代制で敷地内に約7店舗ほど出店し、採れたての鎌倉野菜を常時約30種類ほど販売している。

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「ずっと通っていると、“この農家さんが、いつ、どんな野菜を作るのか”が分かってくるので、旬に合わせてメニューを考えることもできる。それに、欲しい野菜があるときは“いつ頃、こんな野菜が欲しいんだけど”と相談して、作ってもらうこともあります。皆さんとは長い付き合いで培った信頼関係があります」。また、仕入れの後には、市場のなかのベーカリー「PARADISE ALLEY BREAD&CO.」に立ち寄ることも。こちらは小島シェフのブレイクスポットで、「ここでひと息ついてから、店に向かうことも多い。オーナーと話をしていると、のんびりしすぎちゃうことがあるので気をつけています(笑)」

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この日購入した野菜は、ズッキーニ、インゲン、水ナス、セージやバジリコなどのハーブ類。「今日は、たぶん20kgくらいでしょうか。もっと重いときもありますよ。この荷物を持って毎日電車通勤しているので、身体も鍛えられています(笑)」

 

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鎌倉市農協連即売所
 
神奈川県鎌倉市小町1-13-10
Tel. 0467-44-3851
営)午前8:00~日没
休)年末年始

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歴史を感じる海と“いい波が、人生を豊かにする。
和賀江島

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サーファーでもある小島シェフのパワーチャージ&リフレッシュスポットが、和賀江島。“島”といってもここは貞永元年(1232年)に築造された、現存する最古の港湾施設で、国の史跡にも指定されている。当時、海が遠浅で、船の荷の積み降ろしが不便だったのと、波が高いときは着船が流されるなどの被害が多かったため、巨石を積み上げて築堤。いまも干潮時には、岬の突端から海に向かい、200mほどの積石がみられる。

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「明らかに海のものではない大きな石が積まれていて、浜にもゴロゴロと置いてある。砂浜の海岸とは違う、独特の雰囲気があります。ここは水がとてもきれいなので、水に浸かるのもおすすめですよ。あとは夕陽がとても綺麗に見えるスポットなので、夕暮れに立ち寄って、ぼんやりと夕焼けのなかのサーファーたちを眺めるのもいいと思います。いろいろな意味で、自分にとって人生の幸せを感じられる場所です」

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「海風に吹かれながらサーファーたちが波に乗る姿を見て、いい波来てるな、と思うだけで爽快な気持ちになれます」と小島シェフ。晴れている日は富士山や江の島も望むことができるそう。


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和賀江島
 
神奈川県鎌倉市材木座

 

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住職にいざなわれ、中世鎌倉へと思いを馳せる。
覚園寺(かくおんじ)

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「鶴岡八幡宮の裏手には、建長寺や瑞泉寺など好きなお寺がいくつかありますが、なかでも覚園寺は“いいな”と思うことがたくさんある、お気に入りのお寺です。ここは、行けばすぐに拝観できるわけではなく、決まった時間に住職が敷地を案内してくれます。住職の話からは、知らなかった鎌倉の歴史を感じることができ、ほかでは味わえない濃密な時間を過ごせます。とくに感動するのは、ひんやりと薄暗い本堂で、天井の梁の下部分に残っている足利尊氏自筆の銘を、懐中電灯で照らしながら説明していただくとき。ぜひ体験してみて下さい」と小島シェフ。貴重な文化財も多く、本尊の薬師三尊坐像(国重文)、地蔵堂の地蔵菩薩立像(別名・黒地蔵)(国重文)をはじめ、川端康成の心をとらえた「鞘阿弥陀」なども祀られている。

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また、境内には江戸時代の古民家・内海家が移築、保存されており、その空間を使い、不定期で食や鎌倉文化に関するイベントも開催されているそう。覚園寺は、1296年、北条貞時により開基され、鎌倉幕府執権北条家歴代の尊崇を集めた寺院。心静かにゆっくりと境内を散策し、あちらこちらに残されている歴史の跡と、古趣溢れる周囲の自然に触れながら、中世鎌倉に漂っていた空気と風を感じてみてはいかがだろう。

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鎌倉でいちばん大きな茅葺屋根の建物である本堂の左にある槇の大木は、樹齢600~700年という。また、境内には多くのもみじの木が植えられていて、紅葉の名所としても有名。シーズンである11月~12月初め訪れるのもおすすめ。
 

覚園寺
 
鎌倉市二階堂421
Tel. 0467-22-1195
営)10:00、11:00、12:00、13:00、14:00、15:00(土・日・祝日は12:00も有り)
案内は約40~50分
※雨天・荒天、12月20日~1月7日と8月は拝観できません。
※上記時間以外は拝観できません。

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本格イタリア料理とワインでひと休み。
オルトレヴィーノ

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オルトレヴィーノとは、オーナーシェフの古澤一記さんが考えた造語で、「ワインの世界の、その向こうに」という意味。店内には、300種類以上のワインをはじめ、ワインを楽しむために厳選されたチーズやハム類、イタリア食材、シェフが作る本格イタリア料理や惣菜が並ぶ。これはエノガストロノミアという形態で、イタリアではどの町にもあるなじみのスタイルなのだそう。「数年前、散歩をしているときに見つけて、とても雰囲気がいいお店だなと思いました」と小島シェフ。「フランスに住んでいた時、週末によくイタリア旅行をしたのですが、そのとき食べていちばんおいしいと思ったのがエノガストロノミアの料理。オルトレヴィーノは、料理はもちろん空間も、そんなイタリア・トスカーナの雰囲気がよく出ています」

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シェフの古澤さんは、トスカーナなどのレストランで7年間は料理人として、その後は3ツ星レストラン「エノテカ・ピンキオーリ」フィレンツェ本店でソムリエとして働いた経験を持つ。きっと、これまで味わったことのないワインと料理の組み合わせを提供してくれるだろう。オルトレヴィーノの料理はイートインもテイクアウトも可能。鎌倉散策の途中に立ち寄って本場イタリアの味に乾杯しても、食材を買ってお土産にしても、“上質なイタリア”を味わえることは間違いない。

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ポルスケッタに肉汁と白ワインのソース、オリーブオイルとブラックペッパーをかけて、トーストしたパニーニでサンドした「スペシャルパニーニ 自家製トスカーナ風ポルスケッタ」。パリッとジューシーな食感がたまらない。写真はイートイン。鎌倉野菜のハーブのサラダがついて¥1,500。テイクアウト¥950
 

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イタリアの食器や家具でまとめられた店内は、インテリアコーディネーターである奥さま、千恵さんの手によるもの。使用しているものも含め、すべて販売可能とのこと。
 

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オルトレヴィーノ

神奈川県鎌倉市長谷2-5-40
Tel. 0467-33-4872
営)イートイン:12:00~18:30L.O. ショップ:12:00〜 19:00
休)水
http://oltrevino.com/

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着心地いい、こだわりの洋服に出合える。
Beach Dog Cafe

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Beach Dog Cafeは、インポートや国内のデザイナーズアイテム、オーナーの魚住さんがデザインしたオリジナルTシャツなどを扱うセレクトショップ。「レンバイ(鎌倉市農協連即売所)から歩いて数分のところにあるので、仕入れの後に来ることも。でも、この店は営業時間も休みも決まっていないので、“開いていたらラッキー”って感じで覗いたりしています(笑)。肌触りがよく、着心地のいいものがたくさんあって、時々、デザイナーズアイテムの掘り出し物も発見するんですよ。先日は、魚住さんがデザインした、サーフボードのイラストのTシャツを買いました」(小島シェフ)

洋服のほかにアクセサリーやバッグ、犬用の服なども販売している。鎌倉駅からも近いので、街を散策しながら「今日は開いているかな」と、ふらりと訪れてみてはいかが?

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小島シェフが購入したサーフボード柄のTシャツは¥3,800。魚住さんの最新作は、ボードと犬の柄のTシャツ¥3,800。サイズは、メンズはS~、レディスはM~。
 

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Beach Dog Cafe

神奈川県鎌倉市小町1-13-16
Tel. 0467-24-9236
営)未定
休)不定休

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海風を感じながら、本場イタリアの味を楽んで。
イル ビッライオ

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イル ビッライオは、由比ケ浜から吹く風を感じられるロケーションのイタリアンレストラン。イタリア語で“ビールの醸造所”という意味の店名通り、イタリアビールが充実しているのはもちろん、ワインも豊富に揃えており、本格イタリア料理とともに楽しめる。実はシェフの坂下祐樹さんと小島シェフはサーフィン仲間。「出会ったのは海の上でした(笑)。そこでお互いの職業を知り、お店に伺ったのですが、ステーキ「ビステッカ・ア・ラ・フィオレンティーナ」がとてもおいしかった。ボリュームがあって、“肉を食べている!”という快感があります(笑)。オーダーは500gからで、僕はだいたい600〜700gで注文しています。さっぱりした味付けの赤身肉なので、たくさん食べられるんですよ」(小島シェフ)

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極厚切りの牛ロースを、塩・ペッパー・ニンニク・ローズマリー・ローリエで味を整えながらグリルパンで焼き上げる、お腹も心も満たしてくれる最強の一品だ。港町であるイタリア・ロマーニャ地方のチェゼナティコで修行した坂下シェフの、開放的で陽気な気持ちにさせてくれる本場の味。ぜひ、イタリアのビールやワインとともにいただきたい。

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「ビステッカ・ア・ラ・フィオレンティーナ」 は鎌倉野菜を使ったサラダ付き。100g¥900(500gからオーダー。写真は700g)
 

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「トリッパの煮込み BIRRAIO風」¥1,300。 4回も下茹したハチノスを、白ワインとタマネギだけでじっくりと煮込んでいるので、とろっとした食感とタマネギの甘味が口の中に広がる。ブラックペッパーがアクセントとなり、こちらもビールやワインが進みそうな一皿。
 

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イル ビッライオ

神奈川県鎌倉市長谷2-7-14
Tel. 0467-33-4803
営)12:00~14:00(L.O.)、18:00~22:00
休)不定休
http://www.il-birraio.com/

 

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鎌倉の中心地で、こだわりのピッツァを。
DADA'

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鶴岡八幡宮に続く若宮大路にあるDADAも、小島シェフが散歩の途中で発見したお店。東京の名店で修行を積んだピッツァイオーロ(ピッツァ職人)の井上健吾さんが作る生地は、風味のいい小麦粉にこだわり、練った後はワインセラーで温度管理をしてベストな状態をキープ。食べる直前に薪を使った鉄製のピッツァ釜で焼きあげるので、ピッツア生地そのもののおいしさを味わえる。

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「子どもを連れてよく行っています。いつもオーダーするのはマルゲリータと、子どもが好きな、蜂蜜をかけて食べるクワトロ・フロマッジョ。あとはアンティパストを数品オーダーします」(小島シェフ)。アンティパストはサラダやマリネなど冷製メニューのほか、釜を使ったグリル、パスタなどもあり、いずれもピッツアに合うものを井上さんが考えている。「近くには作家大佛次郎が執筆する際に利用していた家など、観光スポットもたくさんあります。鎌倉の名所を巡るときは、ぜひ立ち寄ってみてください」(小島シェフ)。ただし、ピッツアは生地がなくなり次第終了してしまうから、古都鎌倉の雰囲気に浸ってのんびりし過ぎ、絶品ピッツァを食べ逃さないよう気をつけて。

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「MARGHERITA(マルゲリータ)モッツァレッラ/バジル/ポモドーロ」¥1,200
 

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「QUATTRO FORMAGGI(クアトロフォルマッジ)4種のチーズ/ローストアーモンド/ハチミツ」¥1,500  ※現在、ローストアーモンドのトッピングはなし
 

DADA'
 
神奈川県神奈川県鎌倉市雪ノ下1-11-2
Tel. 080-2338-1127
営)12時~生地が完売次第終了、17時30分~生地が完売次第終了
※月曜のディナーは18時~
休)火 ※臨時休業あり
イラストレーターのカイフチエリさんが案内する「山の上のテラスや古民家カフェで過ごす、鎌倉時間。」はこちら

photo:YUJI KOMATSU, texte:NORIKO KAMIYAMA

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