Destination Canada 刺激を求めて、アートの街モントリオールへ!
Travel 2019.08.14
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世界遺産の街ケベックシティで、美しく静謐な街並みと人々の温かさに触れたモデル・女優の田中シェンさん。次に向かったのは、セントローレンス川の中州に位置する、カナダ第二の都市、モントリオール。フランス語と英語が行き交い、最先端の高層ビルと歴史を感じさせる建造物が不思議に混在する。表現者としてのインスピレーションを求め、田中さんが世界屈指の芸術の街を散策する。
Montréal
starring SHEN TANAKA (model, actress)
田中シェン(モデル、女優)
最初のヨーロッパ人が現在のモントリオールに到達したのは1535年のことというから、モントリオールはカナダ建国より長い歴史を持つことになる。モントリオール散策は、市の中心部にあるモン・ロワイヤルから始めよう。
モン・ロワイヤルは標高233mの小高い丘で、頂上からは街を一望することができる。フランス人探検家、ジャック・カルティエがここに到達した時、「モン・ロワイヤル(王室の山)」と名付けたのだが、それがモントリオールという名前の由来になっている。
そんな歴史を偲ばせるのが、かつて「ニュー・フランス」と呼ばれ、ヨーロッパの古い街並みがそのまま残る旧市街だ。ランドマークであるノートルダム大聖堂では、モントリオールのマルチメディア・スタジオ「Moment Factory」によるプロジェクションマッピングのインスタレーション「AURA」を開催している。重厚な大聖堂と最先端のデジタルアートが織りなす非日常の美に酔いしれてみよう。
旧市街を飛び出せば、さまざまな文化背景を持つアーティストたちが描くミューラルアートがここかしこに。その周囲にはアーティストをサポートするギャラリーやスタジオが立ち並び、最新のアート事情に詳しいガイドがアート作品を案内するツアー、「モントリオールズ・オリジナル・ミューラル・ツアー(Montreal's Original Mural Tour)」も催行されている。「アートの街」といわれるゆえんだ。
新しい作品が生まれるたびに表情を変える「アートの街」の懐の深さに惹かれ、世界中からアーティストが集まってくる。この旅で田中シェンさんが出会ったのは、モントリオールに工房を構えたばかりのトロント出身の陶芸家と、故郷のニューヨークとモントリオールを行き来する現代アーティスト。「モントリオールの魅力はアートやクリエイティビティへの理解があって、文化と歴史のバランスがちょうどいいところ」というふたりの言葉に田中さんも納得。
「アートってわざわざ美術館やギャラリーに観に行くものではなく、身の回りにある美しいものや心を震わすもののこと。自分で見つけるアートの楽しみを教えてくれたモントリオールに、表現者として成長させてもらった気がします」
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光のアートが彩る、真冬の夜の風物詩。
モントリオール光の祭典 MONTRÉAL EN LUMIÈRE
モントリオールの冬のお楽しみといえば、毎年2月から3月にかけてモントリオールの中心地で行われる野外イベント、「モントリオール光の祭典」。今年、20周年を迎えたこのイベントは冬のお祭りとして世界最大規模を誇る。
凍える寒さも吹き飛ばす! アートと食を屋外で楽しむ真冬の祭典。街中に光のアートの作品群「イルミナート(Illuminart)」が出現する。
期間中は子どもから大人までが楽しめるアクティビティや、世界を代表するシェフが集う高級グルメイベントなどが会場に出現しモントリオールの夜空を賑やかに彩る。なかでも見逃せないのは、街のあちこちに出現する「イルミナート」と名付けられた光のアート作品群だ。映像作家やイラストレーターなど国内外のクリエイターが「光、アート、テクノロジー」をコンセプトに手がけた屋外インスタレーションを無料で楽しめる。
「モントリオールの冬は厳しいけれど、それでもたくさんの人が屋外に出てお祭りを楽しんでいるさまが印象的でした。アート作品を眺めて、ステージで繰り広げられるパフォーマンスを堪能して、大きな焚き火の前で見知らぬ人とのおしゃべりを楽しむ。モントリオールの冬の魅力が凝縮された光景でした」
地元の小学校に通う子どもたちが製作したのは、モントリオール生まれのアーティスト、フランソワーズ・サリバン(Françoise Sullivan)のチェック柄にインスパイアされたというアートワーク。
こちらは氷河をモチーフにした、インタラクティブなインスタレーション。
www.montrealenlumiere.com
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サンテレーヌ島のランドマークで、遊びながら環境を学ぶ。
バイオスフィア
Biosphère, musée de l'environnement
「宇宙船地球号」といえば現代のナチュラリストやエコロジストに大きな影響を与えた概念だ。それを提唱した、建築家で思想家のバックミンスター・フラーが設計したのが、モントリオールの中心部、サンテレーヌ島のジャン・ドラポー公園内にある「バイオスフィア」だ。
ジオデシックドームの代表的な建築として知られる「バイオスフィア」。
複数の多面体を用いたジオデシックドームは元々、1967年に開催されたモントリオール万博のアメリカ館として建造されたもの。現在、ドームの内側は北米で唯一の環境博物館となっており、エコシステムや自然と人間との共生にまつわる考察がインタラクティブな手法で展示されている。
ガイド付きアクティビティも好評だ。「ジオデシックドームはミニマルでありながら機能的で、それでいてきちんとデザインされていた点に興味を覚えました。体験しながら学べるスタイルも、わかりやすくて好感触。私のアートワークのテーマが『宇宙』なんですが、宇宙にまつわる展示室ではあらためて想像力やクリエイティビティをかき立てられた!」
「宇宙船地球号」の概念を可視化した展示室、「Spaceship Earth」。
水力発電や風力発電など、再生可能エネルギーを生み出すメカニズムを、子どもにもわかるようインタラクティブに展示している。
160, Chemin du Tour de l'isle, Montréal, QC H3C 4G8
Tel. 514-496-8435
開)10:00〜17:00(最終入館16:15)
休)1月〜5月と12月の月・火、1/1〜1/15、12/24〜12/31
料)大人(15カナダドル、学生10カナダドル、17歳以下入場無料
カード: AMEX、MASTER、VISA
canada.ca/the-biosphere
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話題のオンラインショップの、世界観に浸れる旗艦店。
エッセンス・モントリオール SSENSE MONTRÉAL
ラグジュアリーブランドから新進気鋭のデザイナーズブランドまで取り扱 う、モントリオール発のグローバル・ファッションサイト「エッセンス」が、ノートルダム大聖堂に隣接するロケーションにフラッグシップショップをオープン。「エッセンス」では、世界150カ国でEコマースを展開しているが、旗艦店ではオンラインとオフラインの橋渡しとなるような試みに取り組んでいる。
オンライン上で、500ブランド2万点を揃える「エッセンス」。ウォークインでの試着だけでなく、事前に気になるアイテムをオンラインで予約、実店舗で試着することもできる。
たとえば全5フロアのうちフィッティングルーム専用の2フロアでは、「エッセンス」のテクノロジーチームが開発したインターフェースを用いたパーソナルショピングサービスを提供。スタイリストのアドバイスをもらいながら試着することができるだけでなく、オンラインで予約した商品をここで試着することもできる。
5階にある「SSENSE CAFÉ」では、くつろいだ雰囲気の中で創造性あふれる食の体験が可能。市場直送の旬の素材を使った、新鮮なメニューが楽しめる。
「オンラインとリアルを融合させようというコンセプトが新しい。アートというのは考え方や価値観の変革ということだと思うのだけれど、こういう試みはまさにアートだと思います。石造りの重厚なファサードの下に無機質なコンクリートの空間が広がっているという仕掛けもユニーク」
旗艦店では、常に旬のアイテムを幅広く取り揃えている。写真は、モントリオール発の新進気鋭のブランド「ルキャバリエ(Lecavalier)」。
19世紀に建てられた歴史ある建物は、コンクリート構造の建物を内蔵する二重構造。世界的に著名な設計事務所デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツが、カナダで設計を手がけた最初の建物だ。
418 Rue Saint-Sulpice, Montréal, QC H2Y 2V5
Tel. 514-289-1906
開)10:00〜19:00(月〜水、土)10:00〜21:00(木、金)11:00〜18:00(日、祝)
無休
カード: AMEX、MASTER、VISA
www.ssense.com/ja-ca
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ケベック州の伝統の味わい、滋味深い肉料理に舌鼓。
オー・ピエ・ド・コション Au Pied de Cochon
「オー・ピエ・ド・コション」とは豚の足のこと。カナダの有名シェフ、マルタン・ピカール(Martin Picard)がオーナーシェフを務めるブラッセリーでは、店名の通り、豚の足から頭までさまざまな部位を使い、素朴でシンプル、ダイナミックなケベコワキュイジーヌに仕立てる。
この店のスペシャリテ、「フォアグラ・プティーン」24カナダドル
メニューはフォアグラ、ポーク、ジビエなど肉料理が中心で、近隣の牧場で豚、鶏、鹿を育て、メープルファームでメープルシロップを採蜜している。ぜひ試したいのは「フォアグラ・プティーン」と「ダック・イン・ア・カン」。アヒルの胸肉をニンジンやタマネギとともにカンの中で煮込んだもので、ほろほろと舌の上で崩れるような食感がなんとも美味。
このほか、冬季はクラシックなミートボールやボリュームのあるカスレ、ミートパイなどを提供する。「毎日、キッチンで手作りしているという『ダック・イン・ア・カン』。サービスのスタッフが丁寧に説明してくれる姿に、自分たちが作る料理へのプライドを感じました。フォアグラやアヒルを使った郷土料理からこの土地の風土が伝わってくるよう」
有名シェフの店ながら、カジュアルなムードが魅力。
田中さんのお気に入り、ケベック州産のワインも豊富に揃う。
536, Duluth Est, Montréal, QC H2L 1A9
Tel. 514-281-1114
営)17:00〜2400
休)月、火
カード: AMEX、MASTER、VISA
https://aupieddecochon.ca
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19世紀の古い工場が、モダンなホテルにアップデート。
ホテル・ゴー Hotel Gault
「ホテル・ゴー」は旧市街の中心部、ノートルダム大聖堂やモントリオール旧港にもほど近い絶好のロケーションにあるブティックホテル。もともとカーペット工場だった古い石造りの建物をオーナーがリノベーション、50年代のイームズチェアなどデザイナーズ家具を随所にあしらったモダンな空間に蘇らせた。
重厚な建物の内側には、デザイナーズ家具を効果的にあしらったモダンな空間が広がっている。
メインロビーなどパブリックスペースには竣工当時のカラム(円柱)がそのまま残されており、19世紀のムードをいまに伝えている。ゲストルームは、仕切りのないロフトスタイルが開放的なスイートルーム、オールドタウンの街並みを一望できるプライベートテラスを備えた客室など、それぞれ異なる間取りやしつらいが魅力的だ。
「重厚なファサードの先にモダンな空間が広がっていて、そのコントラストがとてもモントリオールらしい。ミニマルだけれど冷たすぎない、快適だけれど過剰ではない、絶妙のバランスにセンスのよさを感じるホテルです」
開放感のあるジュニアスイート。
すべてのゲストルームとパブリックスペースには、モントリオール出身の女性フォトグラファー、ヴァレリー・ジョディン・キートン(Valérie Jodoin Keaton)の作品が飾られている。
449 Rue Sainte-Hélène, Montréal, QC H2Y 2K9
Tel. 514-904-1616
全30室 バス付き13室 ジュニアスイート200〜1,000カナダドル
カード: AMEX、DINERS、MASTER、VISA
www.hotelgault.com
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モデル・女優。中学からアメリカで学生時代を過ごし、英語、中国語、日本語を操るトライリンガル。近年はイラストレーターとしても活躍している。
http://try-angle-2.com
Instagram : @shen_tanaka
【基本情報】
※1カナダドル=約83円(2019年8月現在)
※日本から電話をかける場合、カナダの国番号「1」のあと、市外局番へと続きます。カナダ国内では掲載どおりかけてください。
※掲載店の営業時間、定休日、商品の価格などは取材時と異なる場合もあります。ご了承ください。
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まるでおとぎ話! 世界遺産の街ケベックシティを旅する。
direction vidéo et montage : TISCH (UM), vidéo AURA : MOMENT FACTORY, photos : LIONEL PIERRON, réalisation : RYOKO KURAISHI, coordination : KOZUE SATO, PHIROUM SAPHAN (INTERNATIONYUL©), collaboration : SPADE & PALACIO, SARAH ANNE EBY, JOE RENZLER, art mural : PHLEGM, INTI