まだ見ぬ台湾の風景を探しに、台東へ。 穀倉地帯・關山(グァンサン)で触れる、原住民の豊かな食文化。

Travel 2019.10.12

台湾には、漢民族より遥か昔からここに住んでいる「原住民」と呼ばれる先住民族がいる。現在、台湾政府に認定されている原住民は全16部族、人口は約50万人強。その原住民の影響が最も色濃いエリアが、台東県だ。

豊かな自然だけでなく、先住民族が受け継いできた文化に触れられる台東エリアは、近年人気が拡大中。台東駅から電車で約20分の關山は穀倉地帯として栄え、豊かな食文化に触れることができる。

關山(グァンサン)

-Guanshan-

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小さな畑が点在する關山では、不定期でファーマーズマーケットが開催されている。

自家製ジャム&シロップで、ヘルシーな愛オーギョーチィ玉子を。

痴愛玉(ツーアイユー)

寒天のようなぷるぷるとした食感が人気の、台湾発のスイーツ、愛玉子。こちらでは店主の実家で栽培する愛玉子の実を使った、こだわりのスイーツをいただける。おいしさの秘密は、愛玉子に添えた自家製パイナップルジャムにあり。この一帯の名産のパイナップルをじっくり煮詰めた濃厚なジャムと、あっさりとした愛玉子は相性抜群! シロップとレモンジュース、ジャムで召しあがれ。

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「就是愛玉」60元。愛玉子は低カロリーで食物繊維が豊富なことから台湾女子に人気の定番スイーツ。

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イチジクによく似た愛玉子。これを乾燥させて裏返し、水で揉むと寒天状に固まる。

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今年、移転リニューアル。店内では乾燥愛玉子も販売している。

痴愛玉
Chi Aiyu


台東縣關山鎮中山路105号
tel:0936-257478 
営)11時~17時
休)水
カード不可 
www.facebook.com/pages/category/Tea-Room/痴愛玉-1794771220581172 

アクセス:關山駅から徒歩約1分 

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部族に伝わる物語を、織り地のモチーフに込めて。

達尼芙工坊(ダニフゴンズォファン)

ブヌン族の伝統衣装は、ヘビや菱形のモチーフを織り込んだ織り地の上に刺繍を施した意匠で知られる。ブヌン族の機織り&刺繍の達人、ダニフさんによる民族衣装のアトリエがこちら。麻を栽培して繊維を取るという昔ながらの製法を貫いており、制作活動の傍ら、アトリエの奥で機織りのワークショップを開催する。若い世代に伝統工芸の技術を継承する活動にも積極的なのだ。

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色とりどりの織り地。30×150㎝で3,000元ほど。衣装はすべてオーダーメイドで1着15,000元ほど。

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自分で紡いだ糸で織った生地に、細かな刺繍を施すダニフさん。

達尼芙工坊
Danifu Gongfang


台東縣關山鎮和平路2巷18號
tel:089-814382 
営)9時~20時
休)日
カード不可
www.facebook.com/matahis 

アクセス:關山駅から徒歩約5分 

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アワの穂からアワご飯へ、ブヌン族伝統の食文化を味わう。

蓋亞那工作坊(カイアナゴンズォファン)

台湾原住民の食卓に欠かせないものといえば小シャオミー米、アワである。こちらはブヌン族伝統のアワ文化に特化した体験施設。体験内容はアワの脱穀とアワご飯作りだ。まず天井に吊るして保存していたアワの穂を、足で揉んで種を取り出す。杵と臼を使って脱穀したアワを、水と一緒に大鍋で炊き上げる。炊き上がったアワご飯は、燻製した豚肉や季節の野菜や果物と合わせるブヌンスタイルでいただこう。

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栄養成分が豊富で原住民に重宝されてきたアワ。

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自らが栽培したアワで、アワ食の伝統を次世代に継承させるべく情熱を注ぐジャンさん。体験は予約制、食事付き。

蓋亞那工作坊(カイアナゴンズォファン)
Kaiana Gongzuo Fang


台東縣海端鄉崁頂村中福路39號
tel:0989-527192
営)9時~17時(月〜土) 13時〜17時(日)
無休
カード不可
体験料1人250元
要予約(5人以上、もしくは1000元以上)
www.facebook.com/GuyanaWorkroom

※關山駅から無料送迎あり
●1台湾元*=約3円(2019年6月現在) *以下、略称「元」で表記。
●日本から電話をかける場合、台湾の国番号886の後、市外局番の0を取ってダイヤル。台湾内では掲載表記どおりにダイヤルしてください。
●地図内の「站」は鉄道の駅を意味します。
●クレジットカードは略記。Ⓐ=AMEX、Ⓓ=DINERS、Ⓙ=JCB、Ⓜ=MASTER、Ⓥ=VISA
●掲載店の営業時間、定休日、商品や料理の価格などは、取材時から変更になる可能性もあります。特に台湾の祝日や年末年始、2月の旧正月には、営業時間、定休日が変更になる可能性があります。ご了承ください。

※『フィガロジャポン』2019年8月号より抜粋

photos : AKEMI KUROSAKA, coordination : HIROKO FUJIKASHI, réalisation : RYOKO KURAISHI

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