レトロな台南を散歩して、美食ざんまい。 台湾のマンゴーの聖地で、食べくらべ＆ジャム作り。

台南市の東側に位置するマンゴーの里では、いろいろな品種を味わったり、ジャム作りやフルーツ入りの料理に出合ったり。マンゴーの新しい魅力を発見。

玉井

-Yuijin-

市場の外で売る人たちも。業者ではなく、個人客向けが多い。

夏の季節に訪れるのに最高なのが、芳醇な味と香りの果物マンゴーが生まれる里、玉井だ。マンゴー栽培の聖地として知られ、6月～8月の最盛期になると町や市場は色とりどりの実であふれ返る。四方を山に囲まれた盆地の玉井は、もともとサトウキビの栽培が盛んだったが、1960年代に入り、品種改良を重ねて「愛文（アイウェン）マンゴー」が誕生して以来、有数の生産地となった。市場を訪ねると、色も形もさまざまなマンゴーがざっと10種類以上。愛文第二代や黒香（ヘイシャン）という品種は、台南中心部ではお目にかかれない希少なマンゴー。メインストリートでは自信作を出すかき氷店がひしめき合い、どこも長蛇の列に。また、さらに足を延ばして訪ねた広大な果樹農園では、マンゴーのジャム作りやフルーツ料理教室などを開催。旅行者も気軽に参加できるのがうれしい。どこを訪れても、マンゴー尽くし！　 太陽の恵みを浴びたきらきらの賜物を、産地で思う存分味わいたい。

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彩り豊かな地元の果物市場で、旬のマンゴーと出合う。

玉井青果市場（ユイジンチングォスーチャン）

玉井へ来たならまず訪れたいのがここ。この地で収穫される農産物が取り引きされる果物市場だ。台南中心部で売られているマンゴーは、ここからの出荷がほとんど。5月～9月がシーズンで、赤や黄色、緑といったカラフルなマンゴーがカゴいっぱいに並ぶ。有名な愛文や在来種の土芒果（トゥーマングォ）のほか、バナナとかけ合わせた黄色の金煌（ジンフォアン）、香水マンゴーと呼ばれる台農1號（タイノンイーハオ）、希少な蜜芒果（ミーマングォ）など、その品種の多さには驚くばかり。ドライマンゴーなどの乾物や砂糖漬けを売る店も多く出ている。

緑の土芒果は、果肉が濃い黄色で穏やかな酸味が特徴。熟す前のものは情人果と呼ばれ、加工品のドライフルーツなどに使われるそう。

マンゴー以外の果物も扱う。

食堂は朝7時頃から営業。

こちらの農家だけで5種類ものマンゴーを栽培。海頓芒果は育てるのが難しいため、木の数自体が少ない希少種だ。

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マンゴージュースで作った、ふわふわの贅沢かき氷。

阿月芒果冰（アーユエマングォビン）

玉井の中心地、バスターミナルからほど近いメインストリートに並ぶかき氷店のうちの1軒。マンゴー味のふわふわの雪花冰に、カットしたフレッシュマンゴーをたっぷりトッピング。さらに甘酸っぱく砂糖漬けした情人果とマンゴーアイスを豪快に盛り付けて。これでもかといわんばかりのフルーツの贅沢使いに心が躍る。

隣も向かいも、みんなかき氷店。オレンジ色の看板が目印。

マンゴージュースで作ったふわふわの氷が玉井流。溶けても濃厚でおいしい。練乳でさらに甘味アップ。「雪花芒果雙響」（小）120元

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広大な果樹農園でジャム作り体験。

果農之家（グォノンズージャー）

青果市場からさらに車で30分北上すると、約20ヘクタールの敷地を持つ広大な農園がある。ここではライチやスターフルーツ、グアバなど40種類以上の果物が栽培されているが、とりわけ注力しているのが愛文をはじめとしたマンゴー。農園内には広々としたレストランがあり、多彩なフルーツ料理もいただける。昼食後にはぜひテラスでジャム作りにトライ。色も香りも豊かな手作りジャムは、旅の思い出として、お土産にもぴったりだ。

約60年前、米農家から始まり、現在のオーナーは4代目。農園内をハイキング気分で散策できる。

1～2年前に栽培を始めたのが西施という新しい品種。愛文と金煌をかけ合わせている。

レストランでは農園で収穫されたフルーツをふんだんに使う。写真はすべて4人前コース（1,600元、1人400元）から。前菜の青パパイアと山菜のサラダの2種盛り「蔬果雙併」は梅ソースを合わせて。

マンゴーとポークフィレの炒め物「芒果菲力」。火を入れるとさらに甘味を増すマンゴーは、豚肉と意外にもベストマッチ。柑橘ソースがそこに深みを与える。

トマト、スターフルーツなどをサルサソースで仕上げ、オレンジのカップに盛り付けた前菜とバナナの春巻き「柳橙莎莎併香蕉」。中に鶏の唐揚げも入っている。

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採れたてマンゴーで簡単ジャム作り。