人気料理家×宿、ごはんを目当てに出かける旅3選。【福井、長野、広島】
Travel 2021.02.26
人気料理家たちが宿とコラボして、その土地でしか味わえない旬の食材を使い新しい世界を生み出している。心づくしの一皿を求めていざ旅に出よう。
海のオーベルジュ志積×中東篤志
若狭湾の美味を洗練の料理で召し上がれ。
若狭湾を望む入江に、漁師が営む民宿が久兵衛を母体として、昨年10月に開業した。民宿を改装した本館とモダンなメゾネットタイプの別館、静やかな日本海の絶景を望むレストランの3棟から成る。料理はイタリアン出身の柳信吾シェフに加え、京都の料理家・中東篤志がアドバイザーを務める。若狭の海と山の幸の魅力を伝える異ジャンルミックスの料理は、わざわざ訪れる価値ありだ。
タコ漁の名人でもあるオーナーが自ら獲った名物のタコはもちろん、フグやカキ、グジなどの魚介から近隣の山で獲れるジビエまで、洗練の料理に昇華。
若狭湾を一望できるレストラン。ランチは若狭の海鮮パエリアがおすすめ。
メゾネットタイプの客室はモダンな古民家宿の趣。
福井県小浜市志積15-6
tel:0770-54-3431
全8室 2室バスタブ付き、6室
共同風呂付き 1室¥17,600~(1室2名、朝夕食付き)
www.shitsumi.com
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ししいわハウス×冷水希三子
高原のグルメが並ぶ、幸せの朝ごはん。
中軽井沢の森に建つ全10室のブティックホテルは、坂茂設計による木造2階建て。中庭を囲むグランドルーム、ライブラリー、共用リビングといったセミプライベートな空間が特徴だ。ここの朝食は、料理研究家の冷水希三子が地元の生産者に出向いて素材の調達からメニューの考案までを行っている。有機野菜や果物、ハチミツ、パン、チーズなど、食通も納得の軽井沢の厳選食材がテーブルを彩る。
旬の野菜を使った季節のポタージュや、こだわりの生産者によるチーズやハム、ジャムが並ぶ。大きなガラス窓越しに中庭を眺めながら至福の朝ごはんを。
燦燦と陽が差し込むライブラリーに置かれているのはアアルトの椅子。
館内設計からインテリアまで、すべて坂茂が手がけた。
長野県北佐久郡軽井沢町長倉2147-646
tel:080-7691-6020
全10室 1室¥55,000~(1室2名、朝食付き)
www.shishiiwahouse.jp
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ログ&せとうち 湊のやど×細川亜衣
瀬戸内の四季を伝える一期一会の味。
尾道の坂の中腹にあるアパートを宿、カフェ、ショップなどの複合施設に再生させたログ。敷地内には数寄屋造りの日本家屋と洋館をせとうち 湊のやどとして宿泊施設に改装した。客をもてなすのは、料理研究家・細川亜衣の独創的な料理。尾道の食材を最大限に引き出した滋味深い味わいは、土地の力を感じさせる。
無農薬で栽培する地元農家を定期的に訪ね、旬のいちばんおいしいものからメニューを組み立てる。
暮らすように滞在できるせとうち 湊のやど。和と洋が調和した落ち着いた内装。
宿泊客はログのダイニングで食事を。ベジタリアンやヴィーガン料理にも対応してくれる。
広島県尾道市東土堂町11-12
tel:0848-24-6669
ログ
全6室 バスタブ付き3室、シャワーのみ3室
デラックスルーム¥40,000~(1室2名) 朝食¥2,500、夕食¥6,000
https://l-og.jp
せとうち 湊のやど
全1棟、バスタブ付き
半棟¥40,000~(半棟4名)朝食¥2,500、夕食¥6,000
https://minatonoyado.jp
*『フィガロジャポン』2021年3月号より抜粋
texte : JUNKO KUBODERA