【加賀】食の宝庫を実感、素敵な美食アドレス4軒。

加賀野菜や加賀産コシヒカリに、近海で獲れる魚介。美食の宝庫として食通たちの舌をも唸らせる石川県の加賀を訪れるなら、この土地特有の食文化を感じられるグルメなこの4軒を、ぜひ旅のリストに。

老舗料亭出身の店主による、滋味あふれる創作料理。

さえ季

京都の料亭、和久傳本店で修業を積んだ店主が2017年にオープン。「食材の宝庫である加賀の恵みを気取りなく楽しんでほしい」と、近海で獲れた魚や加賀野菜、能登の豚肉から旬の食材を使用。割醤油のジュレやバジル味噌ソースなど、組み合わせの妙で遊び心を加えながら、素材の旨味を最大限に引き出す。モダンなうつわで軽やかに供される料理はどれも深く豊かな味わいで、和食を極めた料理人の技が光っている。

コース¥5,500より「橋立産ハモと焼きマツタケ割醤油ジュレ」、粘り気が強く香り高い加賀産「レンコン饅頭」￥990、ワインもあり、日本酒は￥440～

カウンター以外にテーブル席や個室も。

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松葉で炊いたふっくらご飯をぎゅっと握って。

おむすび 銀のめし

林に積もるこっさ（枯れ松葉）を燃料にかまどでご飯を炊く。伝統的な方法で炊いたふっくらツヤツヤの加賀産コシヒカリを、注文してから握ってくれる。約30種のおむすびの具は、味噌やたくあんをはじめ、多くが無添加の手作り。味噌樽の底に敷くおからと麹を混ぜた「まちかね」は、味噌を食べきってようやく出合える家族の楽しみだったなど、この土地特有の食文化エピソードを聞きながらいただこう。

自家製「おかずベーコン」￥275、日替わり「平日おかずセット」￥308、おむすび￥143～。へしこ（サバの糠漬け）入り、まちかねやチーズ醤油焼きむすびなど約30種。

朝3時から米を炊くお父さんと具材係のお母さん。

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能登の珪藻土窯で焼いたモチモチピザが自慢。

片山津バル 牡丹

昭和レトロな内装が心地よく、2018年のオープン以降、地元の人たちから愛されるビストロ。スパニッシュやイタリアン、寿司など、さまざまな経歴を持つ店主が作るのは、地元の新鮮食材を使ったカジュアルな創作メニュー。なかでも人気なのが、国産小麦を100%使用したピザだ。能登で採れる珪藻土を用いたピザ窯は、蓄熱性に優れているため瞬時に高温で焼き上げることができ、ふんわりモチモチの食感に！

バジルの代わりに加賀野菜のキンジソウをのせた「マルゲリータ」￥1,080、コシヒカリが原料でさっぱりとした味の「金沢百万石ビール」￥780、人気メニューの「キノコのアヒージョ」￥630

片山津温泉の中心に位置。

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地元食材のフレンチは、美しい見た目もごちそう。

江沼スタシオン

故郷の加賀に戻ってきた夫婦で営むフレンチ。橋立産の魚介、能登豚、加賀の合鴨といった地元食材をふんだんに使用して、日替わりコースで提供。トマトはグラノーラにするなど、ユニークなアレンジで旬の加賀野菜を味わえる。豊富な日本酒やワインで提案してくれるが、春には加賀の清冽な軟水で醸した新酒とのマリアージュも楽しめるとか。山中漆器で供される美しいひと皿は、目にもごちそうだ。

日替わり5品コース￥5,000より、奥から「メロンのスープとチェリーのテリーヌ」、トウモロコシのスプラウトとトマトのグラノーラがアクセントになった「牛タンのペルシャ―ド」、グラスワイン￥650～

元国鉄駅前の薬局を改装したモダンな内装は、大きな丸太が中央に。

●掲載店の営業時間、定休日、価格などは、取材時から変更になる可能性があります。
●宿泊料金、滞在プランは、客室タイプ、時季、サービス内容で異なるため、予約時に宿泊施設にご確認ください。

＊『フィガロジャポン』2020年11月号より抜粋