【加賀】コンテンポラリーな名作家具に囲まれ、農家ステイ。

加賀百万石と呼ばれ古くから米どころとして栄えてきた石川県の加賀。また、雨が多い風土は有名な加賀野菜のほかに、趣ある苔も育んだ。民家の庭の苔を連ねた苔の里は、杉林から霧が立ち上る幻想的な風景。再生計画に携わったイデー創始者の黒崎輝男は、この地に残る百姓精神に惹かれたという。百姓の語源は、農業の傍ら、きもの作りや陶芸に勤しみ、百の職を持つこと。それは、これからの時代の生き方にも通ずる。ここにはいま必要な価値感があると、滝ヶ原町の空き家を開発して完成した滝ヶ原ファームには、国内外から若者たちが集まって新しいライフスタイルを形成し始めている。

滝ヶ原ファーム

鞍掛山の麓の小さな町、滝ヶ原に魅せられたイデーの創始者が、古民家群を購入して菜園を作り、一棟貸し宿やカフェをスタート。2020年7月にはホステルやワインバーが登場。モダンに改装された古民家にはザハ・ハディッドやジャスパー・モリソンなど名だたるデザイナーの名作家具が配され、朝夕食には自家菜園の採れたて野菜を九谷焼のうつわで供する。長閑な里山の空気とデザイン性の高い空間の調和が心地よい。

トマトやナスを育てている滝ヶ原ファーム。宿泊しながら農家体験も可能。

2020年7月オープンのホステルは気軽に滞在できる。デザイナーズ家具が並ぶ部屋で朝夕食を。

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築約80年の石蔵を改装した一棟貸し宿タキガハラハウス。2階建てで、重厚な扉や石造りの風呂が当時の面影を残している。

工房では、陶芸家が教えてくれる金継ぎ体験も予定している。

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地元の人の憩いの場になりつつあるタキガハラカフェ。海外からのゲストも多く訪れているおしゃれスポット。

ある日のディナーコース例。

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ホステルの離れにある2階建ての蔵が丸ごとワインバー。日本酒から国内外のワインまで豊富に取り揃える。

地元産のそば粉を使ったガレットや手作りジュースが人気。

畑の中にある、一棟貸し宿タキガハラハウス。

●掲載店の営業時間、定休日、価格などは、取材時から変更になる可能性があります。
●宿泊料金、滞在プランは、客室タイプ、時季、サービス内容で異なるため、予約時に宿泊施設にご確認ください。

＊『フィガロジャポン』2020年11月号より抜粋