100年美容で、ウェルエイジング。 免疫も自律神経も司る、腸は健康のマルチプレイヤー。

山﨑まいこ 院長

 

滋賀医科大学卒業後、形成外科医、皮膚科医として勤務し、2017年に開院。心と身体に真摯に向き合うホリスティックな提案とユニークな美容検査で人気に。腸内環境に着目したメニューも充実。

『美しい肌が生まれるところ腸とこころをととのえる』

 

腸の重要性、セルフケアの方法、栄養素のことなど、肌と心にも効くメソッドを詰め込んだ初の著書。●ワニブックス刊　￥1,512

「腸内環境は健康的な美しさの基本。善玉菌2：悪玉菌1：日和見菌7がベストバランスですが、これが崩れると下痢や便秘になるだけでなく全身に影響を及ぼします。加齢で善玉菌は減少するので、善玉菌を増やす食生活や運動を心がけることが大切」と山﨑まいこ先生。

「もちろん便秘は絶対禁物。細菌によって腸内で便の腐敗が進み、そこから毒素が生じて体内に吸収され、全身に巡ってしまう。健康や美容へのダメージは甚大です」

　腸はそのマルチな働きぶりから、最近、特に注目されている臓器だ。主な働きは消化と吸収。免疫細胞の約70％が集まる器官でもあるので、風邪をひきやすい、アレルギーが出やすいなどは、腸内環境が関係している可能性も。さらに腸内環境が良くなれば自律神経も整う。興味深いのは、腸が脳や精神面との関係も深いという点だ。

「腸は“第二の脳”とも呼ばれ、“脳腸相関”の研究は欧米でも盛ん。リラックス作用のあるGABA、幸せホルモンのセロトニン、やる気を高めるドーパミンなどの物質も腸で産生されるので、精神安定などメンタルに影響しています。また腸から脳にはさまざまな指令が出ているとも考えられていて、腸内細菌が食の“好み”を脳に伝達しているという説もあります」

　つまり、腸が悪玉菌優勢だと、悪玉菌が喜ぶ添加物たっぷりの食事を脳が欲するように指令……なんて恐ろしい事態が起きているかも!?　いい腸のためには発酵食品と食物繊維を摂り、シンバイオティクスを意識したい。

腸がしていること

絶対に避けたい便秘に、毎日摂れる漢方サプリ。
漢方とハーブで自然なお通じを促し、体内の毒素もデトックス。腸を刺激しないので、腹痛や不快感も感じにくい。インナークレンズ 100g ￥5,400/プラントロジー

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腸内フローラ検査を受けてみる。

腸内フローラ（腸内細菌叢）とは、腸に定着している100～1000兆個もの細菌群のこと。手相や指紋と同じように、ひとりひとりの腸内フローラは異なるため、自分固有の腸内環境を知るには“可視化”できる検査がおすすめ。菌の多様性、腸管内免疫レベル、口腔常在菌、最近話題の“痩せ菌”“デブ菌”の有無など、腸から体質や摂るべき栄養などがわかる。

医療機関で申し込み後、検査キットで採便して郵送。約6週間で結果が出る。Webで申し込める簡易検査も。詳しくはマイキンソー。

まいこ ホリスティック スキン クリニック

東京都渋谷区代官山町8-6 アイディ代官山 2F
tel:03-6712-7015
診）10時～19時（火～金） 10時～15時（土）　
休）日、月、祝

●腸内細菌叢検査￥32,400
https://mhs-cl.com

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プレバイオティクスを意識する。

ヨーグルトやナチュラルチーズは主にビフィズス菌と乳酸菌、植物由来の納豆や漬物は乳酸菌と、菌そのものを含有する “プロバイオティクス” 。でもそれ単体でせっせと摂取しても腸内に定着しづらく、腸内でエサとなる“プレバイオティクス”と一緒に食べる、というのが昨今の常識。その代表格が水溶性食物繊維とオリゴ糖だ。特に食物繊維は、腸の蠕動（ぜんどう）運動を促して免疫細胞をつくるので、積極的に摂りたい食品。日和見菌に善玉になってもらうためにも、プレ＋プロ＝シンバイオティクスが有効だ。食事に取り入れ、腸内にいいシナジーを生み出して！

15種以上の菌ができるシンバイオティクス設計のヨーグルトの素。牛乳や豆乳に加えて24時間発酵。ヨーグルトたね菌ピュアクレンズヨーグルト 1g×8包 ￥3,450/アンファー

赤ちゃんも摂取できる自然由来のやさしいオリゴ糖食品。カイテキオリゴ 150g ￥3,065/北の快適工房

自然農法の黒米、赤米、発芽玄米などの100％国産ブレンド。食物繊維や鉄分が気軽に摂れる。十六穀米 500g ￥2,484/仲屋

母乳の“初乳”に含まれる免疫成分ラクトフェリン、オリゴ糖、乳糖を配合したツバメの巣サプリ。美巣エキスパウダースティック 1g×30本 ￥11,880/エムスタイルジャパン

藻×モリンガの最強食材を抹茶感覚で飲める栄養パウダー。水溶性食物繊維や亜鉛が豊富。ブルーグリーンアルジーティー・デイリーパウダー 3.3g×30包 ￥5,400/ナチュラルコスモ

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生きている発酵食品を摂る。

日本人が重宝してきた保存食、ぬか漬けや味噌、納豆は菌が生きた発酵食品。でも店頭に並ぶ商品に菌が生きているかどうかは別問題だ。たとえば味噌。発酵が進めば炭酸ガスが充満して容器は膨張するはずなので、通気穴がなく常温で売られている味噌は発酵をストップしている可能性が大。添加物や加熱でも発酵は止まるので、アクティブな発酵食品を選ぶ目安にして。ちなみに生きて腸に届かなくても善玉菌のエサにはなるのでご安心を。

農薬や化学肥料も使わない100％有機植物が原料のため発酵がパワフル！ 2カ月の飲用で、善玉菌が増加したというデータも。有機植物発酵エキス 180g ￥6,480/たかくら新産業

水素で活性酸素をデリート。

あらゆるエイジングの元凶といわれる活性酸素は、腸にとっても大敵。活性酸素が増えると、腸内細菌を攻撃して善玉菌が減ってしまうこともあるというから、こまめにデリートしておきたい。活性酸素の除去物質は体内では生成できないので、ビタミンCや水素などを取り入れて。ストレスフルな生活、過度な運動、添加物や古い油たっぷりの食品は、活性酸素を発生させやすいのでほどほどに。

サンゴカルシウム100％のパウダー。体内の水分と反応して水素イオンと水素分子が発生。エンパワーエイチ 60粒 ￥5,400/アムリターラ

※『フィガロジャポン』2019年7月号より抜粋

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