就寝前に鎮静したい時&すっきり起きられない時のアロマは?

Beauty 2021.05.30

久保直子

就寝前には、鎮静、リラックスする香りが有効です。睡眠の質が改善してくれば目覚めもよくなりますし、疲労感も残りにくくなりますが、すっきり起きられない、気分が晴れないという時には、目覚めをよくする香りをあわせて取り入れてオンオフを切り替えるのもおすすめです。

心を静寂に導く:プチグレン

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精神的に鎮静させる効果が高いのはプチグレン。主にビターオレンジ(和名ダイダイ)の木の葉から採れる精油ですが、レモンやマンダリンの木から生産されたものを指すこともあります。ほどよくウッディな中に、柑橘を感じるような独特の香りが特徴的で、心を静寂に導き、地に足をつかせてくれるよう。マインドフルネスが注目されていますが、瞑想の時などに部屋に炊いておくと、とても心が落ち着き、集中できます。

ゆったりした気分に:フランキンセンス

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一度嗅いだら虜になるのがフランキンセンス(乳香)。スパイシーで、ウッディの中にわずかにレモンを感じさせる奥深い香り。別名オリバナムとも言われているカンラン科の精油です。エジプトでは、神聖な儀式で神々への献上物として祭壇で焚かれ、また瞑想にも使われてきたそう。現在では香水の保留剤としても使用されています。人の心を癒やし、リラックスさせる作用に非常に優れており、イライラ、パニック、ショック状態の時に役立ちます。ストレスを抱えていると、どうしても浅く早い呼吸になりがちですが、ゆっくりとした深い呼吸に導いてくれます。フランキンセンスも、瞑想にとてもおすすめです。香りが長持ちして、じわじわと嗅覚に入り、時間がゆっくり流れているような感覚を味わうことができます。

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アロマテラピーの原点:ラベンダー

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リラックスといえば、やはりラベンダーは欠かせません。副交感神経を優位に導き、自律神経のバランスを整え、緊張を和らげます。この精油を嗅ぐとセロトニンが分泌されることがわかっており、リラックス効果は絶大。ハーバルな広がりと、少し甘みのあるような香りを嗅ぐと、ホッとします。

ラベンダーは酢酸リナリルとリナロールを主成分とし、鎮静、鎮痛作用などが主な作用として知られています。そのほか多数の成分で構成されているので、用途が広く、マルチに使えます。「アロマテラピー」という言葉を作ったというフランス人の科学者、ルネ=モーリス・ガットフォセは、研究室で火傷を負い、ラベンダー精油を塗布したことをきっかけに治療法について研究を始めたといわれ、アロマテラピーの原点とも言える植物です。ちょっとした傷や虫刺されにも効果的なので、家庭に一本あるととても便利。あらゆる場面で使える万能精油です。

疲労感がある時に:ネロリ

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前回も紹介したネロリですが、リナロール、α-テルピネオール、酢酸リナリルの相乗効果で、不安感や喪失感、慢性的な抑鬱状態を和らげ、不眠症状などにも有効で、夜のリラックスタイムにはうってつけ。ストレスフルで、疲労感が溜まっている時に助けになってくれるはず。

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気分が停滞している時に:レモン

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レモンにはリフレッシュ効果があり、気が停滞している時におすすめです。特にイタリアのシチリア産のものが、香気が優れていると言われています。精神疲労気味で、何かと気が散りやすい、という時はぜひ取り入れて。睡眠でいうと、なんだか疲れが取れずに起きてしまい、ぼーっとした日の朝に、脳を心地よく刺激してくれます。

落ち込んだ気持ちを明るく:グレープフルーツ

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心を高揚させ、明るい気持ちをもたらすグレープフルーツもおすすめ。果実そのままのフレッシュ感あふれる香りで、満ち足りたような感覚をもたらしてくれます。高揚効果により、ストレスフルな状態を改善することが期待できます。主成分のリモネンが中枢神経のバランスをとり、落ち込んだ気分を安定させ、日中の活動期をサポートしてくれます。

香りは嗅覚から直接大脳に届き、一瞬で心身をシフトしてくれる強い味方。なかなか鎮静できない現代人の脳を休ませるのにもアロマが役立ちますし、梅雨で湿気が強いこの時期も、柑橘系の香りは大きな味方になってくれます。

リモート生活が続き、なかなか外に出られない時期ですが、ぜひおうち時間で香りを取り入れてみてください。

texte:NAOKO KUBO

久保直子

ウェルネス&ビューティジャーナリスト/植物療法士/アロマデザイナー
AMPP(仏植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト、DTWフラワーエッセンスプラクティショナー、スポーツアロマテラピストの資格を所持。美容ライター時代に培った膨大な美容の知識と、植物療法をツールに、独自のウェルネス&ビューティについて発信。そのほか製品開発、アロマデザインやセミナーなど幅広く活動。
Instagram:@naonaonaozou

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