「酸性食品」と「アルカリ性食品」の適度なバランスとは?

Beauty 2021.09.13

食事において酸性食品とアルカリ性食品のバランスは、私たちの身体、エネルギー、そして全身の健康に影響を与える。努力や不自由を強いられることなく、pHバランスのとれた食事を摂るコツを、ふたりの専門家が伝える。

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酸性食品とアルカリ性食品の調節は、私たちの身体、エネルギー、そして健康に影響する。photo : Getty Images

夏の間は少し羽目を外し過ぎて「グリルした肉、アイスクリーム、ロゼワイン」の暴飲暴食をしたのを認めないわけにはいかない。この塩分、脂肪、糖分の過剰摂取を一掃し、秋に向けてエネルギーを充たすために、デトックスを勧めるには理由がある。イライラするようなダイエットは忘れて、とりわけpHに注意しながら、健康的で適切な量の食事の基本に戻ろう。これは19世紀に始まった生化学的な原理で、1980年代に食生活に普及した「酸塩基平衡」の重要な考え方だ。アンチエイジングを専門とする医師であり、栄養士でもあるアレクサンドラ・ダリューと、ベジタリアンレストラン「Ph7 Equilibre」の共同設立者であるクラウディア・ゼモールに話を聞いた。

適切なバランスを見つける

食卓において、化学はいったい何の役割を果たしているのだろうか?「人間の身体は原則として、pH7の中性に相当する酸性とアルカリ性(塩基性とも呼ばれる)のバランスがとれた自然な状態、つまりホメオスタシスを求めています。体内では自己調整が行われていますが、酸性化する食品やアルカリ化する食品を過剰に摂取すると、特にこのメカニズムが損なわれます」とアレクサンドラ・ダリューは説明する。

酸性食品には、ハムやソーセージなどの豚肉製品、肉、乳製品、アルコール、ケーキや揚げ物などの加工食品、ソーダ水、精製したシリアルなどが含まれる。アルカリ性食品には、ほとんどの野菜(ベジタブル、フルーツ、ハーブ)が含まれるが、トマト、オレンジ、グレープフルーツなどは例外でやや酸性である。ただし、味に頼るのは要注意だ。「レモンや重炭酸の入った炭酸水は、味は酸性ですが、性質はアルカリ性です」

バランスが崩れると、老廃物が過剰に生産され、身体を調整するために多くの消耗し、その結果、細胞の老化を促進することになる。「これらすべてが、炎症性疾患の発症につながっています」とクラウディア・ゼモールは要約する。

「過剰な酸味は、腎臓結石を形成したり腎疝痛を引き起こしたりします。逆にアルカリ度が高すぎると、ミネラルの吸収を阻害するフィチン酸の生成を促します」とアレクサンドラ・ダリューは言う。

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バランスを崩す兆候

バランスが酸性に傾いているのか、アルカリ性に傾いているのか、あるいは中性なのかを判断するための指標がいくつかある。まず、全体的な身体の状態だ。「強い疲労感や痙攣を感じたり、尿の色がいつもより濃いことに気づいたら、一般医に相談して血液検査を処方してもらいましょう」とアレクサンドラ・ダリューは言う。「腎臓や心臓の病気の場合は、迷わず腎臓専門医や心臓専門医に予約を入れて、精密検査を受けるべきです」

目に見える兆候や障害がない場合は、薬局で販売されている尿や唾液の検査紙を使用して、家庭でpHを測定することが可能だ。「このテストは、1日3回、決まった時間に1カ月間行います。尿検査は一度トイレに行った後に行い、唾液検査は 摂取した食物によって結果に影響が及ぶことがあるため、食事の時間以外に行うことが望ましいです」とクラウディア・ゼモールは解説する。

食事のメニューはどのように構成するのか?

「酸性が強すぎるという結果が出ても、すぐに食品棚のストックを空にしてしまうことよりも、適切な量を皿に盛る心がけが大切です。バランスを取り戻すためには、医療機関での検査と並行して、生または加熱した果物と野菜を80%、動物性または植物性のタンパク質を20%食べるべきです。ただ単に慎重になりたいのであれば、その比率を60%と40%に下げてもいいでしょう」とクラウディア・ゼモールは言う。

「たんぱく質の摂取量不足に注意しなさい」とアレクサンドラ・ダリューは忠告する。「菜食主義 のように野菜を中心とした食事では、ベースができすぎてしまいます。極端にならないようにするのが理想です。いい食事の皿には適量のタンパク質と野菜が盛られており、果物は前菜やデザートとして摂りましょう」。サンドウィッチのように急いで食事をする場合も、罪悪感を感じることなく、緩衝材の役割として必ず生野菜(キュウリ、ラディッシュ、リンゴなど)を添えるように勧めている。

料理好きの人は、Ph7 Equilibreの料理メニューからインスピレーションを得て、その日の献立を構成することも可能だ。クラウディア・ゼモールは、朝食には潰したバナナ、レモン汁で乳化させた植物油、挽いた種、新鮮な果物を使った「Miam-ô-Fruit」のレシピを愛用している。昼食は細かく刻んだ野菜のティアンに、魚か豆類と穀物のミックスを添える。夕食は、蒸したズッキーニにチーズ、キヌア、卵などを添えて食べる。料理全体の味付けには、好みに応じてスパイス、ハーブ、オイル、ビネガーなどを使用する。

しかし、このような料理の努力にもかかわらず、酸塩基平衡において食べ物は氷山の一角に過ぎないことを心に留めておくべきだ。「公害、飲酒、喫煙、特定の薬、運動不足、睡眠不足など、そのすべてが体内のpHバランスを崩す原因になります。そのためには、何よりも生活習慣を改善しなければなりません」とアレクサンドラ・ダリューはアドバイスする。

Text :Tiphaine Honnet, Translation : Shiho Tatsugami

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