鳥取との二拠点で実感、ミニマルな暮らしの魅力とは?

Beauty 2021.10.11

桐村里紗

人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」を提唱し、新著『腸と森の「土」を育てる〜微生物が健康にする人と環境』を刊行した桐村里紗先生。東京と鳥取県の二拠点生活を始めて、実際に感じたローカルの魅力とは?


現在、日本一人口が少ない鳥取県と都心のデュアルライフを送っております。
書籍でもエピソードをご紹介しましたが、鳥取県のJリーグチーム、ガイナーレ鳥取のスタジアムの横に、ソニーコンピューターサイエンス研究所が取り組む協生農法(シネコカルチャー)の畑を開き、そのプロジェクトのために米子市に拠点を持つことになりました。

二拠点生活は、結論として、あまりにも快適。あまりにも豊か。
環境、人、食、すべてが豊かで、これが本来の暮らしだったのだと改めて実感する日々です。

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夕焼けのビーチ散歩はメディテーションタイム。

モードなファッションに身を包み、交感神経をブーストするよりも、エシカルなスポーツカジュアルで日常からリラックスしたいと感じるようになったコロナ禍。
コンクリートに囲まれた四角い部屋の中で息を潜め、近所の森林公園で束の間息継ぎをする東京暮らしが、いかに窮屈だったのか。
幼少期も含めて、人生の半分くらいを東京の中心部で暮らし、「案外緑が多いから解放感がある」と思い込んでいたのですが、どうも、心身は気づかずに無理をしていたようです。

いま、月6万円の家賃で築30年ほどの一軒家を借りています。
2階建てで5SLDKの庭と駐車場付き。
入居時に新しく張り替えてもらった、い草の香る畳の部屋が3間続き、縁側からは、庭や近所の田畑の緑や花、そして遠くには霊山である大山を望むことができます。

東京の家もあるので、ほとんどの荷物は東京に残し、スーツケースひとつで米子の家に入居しました。
そんなわけで、米子生活は、ミニマル中のミニマル、完全にゼロからのスタートです。
少しずつ生活に最低限必要なものを買い足していき、余計なものを持たない生活には、余白があります。
その余白が、ぎゅうぎゅう詰めだった心に余裕を与えてくれます。

ワーカーホリックなタイプなので、東京では、ほとんどの時間、パソコンに向き合いながら「時間がない時間がない」と常に追われていました。
いまは世界中どこにいても、オンラインで仕事ができる時代ですから、地方でも当然、オンラインでの打ち合わせや執筆作業などはあります。
でも、東京にいる時と違い、明らかに心に余裕があるのです。
朝から晩までずっと交感神経モードでカッカしながら血眼になってパソコンに向かうことがなくなりました。

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畑から初の収穫物、ブルーベリーとオリーブの実。

朝日とともに徐々に覚醒し、朝の町内放送で起きたら、ゆったりとコーヒーを飲み、まだ日が高くならないうちに畑で土に触り、日が高くなったら作業を終え、ようやくパソコンを開きます。
それも、風が通り抜ける縁側や、サッカーチームの広いグランドの無農薬の芝生の上で!
そんな開放感のある環境でサクサク作業をして、日が落ちたら、パソコン作業は終わり。
早めの夜ご飯にして、週のうち半分くらいは、近所の日帰り温泉に行きます。
眼前に日本海が広がる皆生(かいけ)温泉は、塩分濃度が高く、ケイ素やマグネシウムを多く含み、全身が温まる美肌の湯。
すっかり緩んで家に帰っても、テレビもありませんから、お気に入りの白檀のお香を焚いて、読書をします。
当然のように夜は真っ暗、周りから虫の声が聴こえ、ナチュラルサウンドヒーリング状態です。
21時を過ぎたらすっかり眠くなり、22時には就寝。
自然に、地球のリズムに、心身のリズムが一致します。
夜とは、暗いもの。
この当たり前の環境が、こんなにも心身を休めてくれるのかと体感しています。
緊急事態宣言が明けて、夜の活動が増えるかもしれませんが、これを機に少し、地球のリズムに合わせた生活に立ち戻ってみることを「強く」おすすめしたいのです。

次回は、米子の豊かな食生活や、土に触りながらのプラネタリーヘルス的なライフスタイルについて紹介します。

text:Lisa Kirimura

桐村里紗

医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「大和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、米子市ではソニーコンピューターサイエンス研究所の研究する協生農法(拡張生態系)の圃場を開き、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
https://tenrai.co/

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