乾燥しがちな手のケア、5つのウソ&ホントを検証。
Beauty 2022.01.27
乾燥、傷、かゆみ、ひび割れ……手と寒さは相性が悪い。アルコールジェルと手洗いを繰り返す場合はなおさらだ。正しいケア方法とは? 5つのポイントから、ハンドケアの嘘と本当を見分ける。
photo : Getty Images
冬になれば、手は助けを求めて悲鳴を上げる。寒さで乾燥し、荒れてかゆくなり、手入れを怠るとただれることもある。Covid-19のパンデミック以来、衛生管理の強化、つまり定期的な手洗いは、その問題を解決していない。ベルベットのような肌を取り戻すために、コスメブランドSVRの科学ディレクターのアレクサ・アンドレが、ハンドケアについての正否を説明する。
手はほかの部位より敏感である?
本当です。手は寒さに最も悩まされる部位のひとつです。皮膚は非常に薄く、常に露出している状態です。さらに、身体は生命維持に必要な臓器が優先されるように作られているため、皮膚は最後の臓器なのです。身体のほかの部分に比べて外部にさらされており、特別な配慮が必要です。
ハンドクリームは常に塗るべきである?
誤りです。塗りすぎに注意してください。手が乾燥している時、私たちは本能的に保湿剤を塗りたくりますが、よくない考えです。クリームばかり塗っていると、肌が怠けてしまいます。攻撃から肌を守るために人工的な油膜を作れば作るほど、肌は自ら油膜を作れなくなってしまいます。ハンドクリームの使用は、あくまでも手助けしてあげる程度にとどめて、自分の身体が本来持つ力を機能させましょう。
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手を洗うとより乾燥する?
本当です。特に潔癖症の人は手洗いを控えるべきです。手洗いはたしかに必要不可欠ですが、リスクが伴います。石けんが肌にダメージを与えることは知られていますが、水の影響についてはあまり意識されていません。一見、無害に見える水道水は、実はこの冬の手荒れの原因のひとつです。水道水に含まれるカルキによって、細胞が縮んでしまうのです。さらに、お湯が熱ければ肌の油分が失われてしまいます。そして、これらが原因となり炎症が引き起こされます。手を洗った後は、外部からの刺激を受けやすくなっているので、しっかりと手を乾燥させてください。手洗いと同時に、汚染や風、温度変化から手を守る役割を果たすバリア脂質が失われます。つまり、手を洗うことは、濡れた髪をよく拭かないでドライヤーをかけるような、絶対に避けたい行為と同じです。
スクラブでさらに手荒れがひどくなる?
誤りです。スクラブを使ってさらに手をゴシゴシと擦ったり皮膚を削ることは、余計に刺激を与えると思うかもしれません。実はそうではなく、健康な手を保つための方法とさえ言えるでしょう。クリームを塗る前に、肌を詰まらせるものや不要なものを取り除きます。古い角質に潤いを与えても意味がはありませんから。傷やひび割れができていても、栄養を与える前に、ハンド用スクラブで下地を整えましょう。ボディ用スクラブを使用することもできます。
ハンド用製品のみを使用するべきである?
誤りです。お気に入りのハンドクリームがなくなっても慌てないでください。フェイス用の化粧品を、手に使用してもいいのです。朝、フェイスクリームを出しすぎた時は、それを手に塗れば無駄になりません。手を使った作業をする場合は、あまりリッチな質感のクリームを塗らないように注意してください。手が滑ってしまいますから。これらのちょっとしたコツを毎日のケアに取り入れると、まるでシルクの手袋をしたベルベットのような、なめらかな手になるでしょう。
text : Julia Avellaneda, Victoria Hidoussi (madame.lefigaro.fr), translation : Shiho Tatsugami