強壮効果、抗ウイルス、鎮痛作用......寒さの意外な効能とは?

Beauty 2022.03.01

寒さが敵だなんて誰が言ったの? 寒さに震えることが健康にいいのは科学的に証明されている。その理由とは。

00-220301-effect-of-the-cold.jpg

寝つきをよくし、脂肪を燃やす……。社会通念に反して、冬には健康上のメリットもある。photo: Getty Images

痛みを緩和する

捻挫や打撲に氷嚢を当てると痛みが和らぐのは周知の通り。鎮痛効果だけでなく、寒さは炎症の進行も遅らせる。アスリートたちがこの効果を最大限に活用できるように、国立スポーツ体育研究所(Insep)には10年前から寒冷療法専用室が設けられている。体力回復とパフォーマンスの向上のために、スポーツ選手たちは毎日3分間、下着だけを身につけて(ただし手足は保護する)、室温マイナス110℃に設定された部屋で過ごすことが推奨されている。フランス中に展開する寒冷療法専用センターもあり、誰でも利用が可能だが、その効果についての研究はまだ十分に行われていない。そこまでの冒険はしなくても、寒さが身にこたえるときには、パンツ・ミトン・靴下だけを身につけたアスリートたちの姿を思い浮かべてみよう。そうすればすぐに寒さも気にならなくなるはずだ。

---fadeinpager---

ぐっすり眠れる

iStock-1289222246.jpg「暖かくして寝なさい」はホント? ウソ? photo: iStock

睡眠のサイクルは体温リズムと連動している。体温は入眠の直前に低下する。このプロセスをスムーズに進めるために、布団に入る前には寝室の暖房を切ろう。寝室の温度は18℃で十分。そのかわり分厚い毛布を被って!

---fadeinpager---

シャワーは冷水で

iStock-985880238.jpg冷水浴が身体に及ぼす影響とは? photo: iStock

2015年にオランダの研究者たちが、冷水シャワーが健康と生産性に与える効果を調べる実験を行なった。実験は毎日のシャワーの最後に冷水を浴びるというもの。実験に参加した数千人のボランティアたちは3つのグループに分けられ、それぞれ毎日30秒、60秒、90秒間、冷たいシャワーを浴びるよう依頼された。その結果、3つのグループとも対照群と比較して重病にかかる確率が低く、病気欠勤日数も29%少なかった。最初は不快に感じたという回答もあったが、参加者の3分の2が実験終了後も冷水シャワーの習慣を続けると答えた。ためになる意見だ。

---fadeinpager---

脂肪を燃焼させる

iStock-1368609241.jpg寒さでも脂肪が燃焼する!? photo: iStock

人間の身体は脂肪、とくに褐色脂肪を燃焼することで体温を調整している。寒さによる脂肪燃焼効果はボディラインの向上が期待できるほど高くはないが、糖尿病や肥満の予防には有効だ。それだけでもグッドニュース! 

自分の身を労わるようになる

といっても、いいことばかりではない。冬はやはり日照時間が短く(したがって免疫力と気力が低下する)、梗塞を起こすリスクが上がり、感染症が流行しやすく(社会通念に反して、ウイルスは低温、乾燥した空気中で増殖する傾向がある)、肌が乾燥し、道路も凍結して転びやすくなる。だから冬は自分の身を十分に労ること。口元に微笑みを浮かべても、目はしっかり開けて!

text: Eugénie Blanche (madame.lefigaro.fr)

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
パリとバレエとオペラ座と
世界は愉快

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories