「世界で最も美しい女性」ベラ・ハディッドの顔になるためのメイク術。
Beauty 2022.03.13
ベラ・ハディッドのような彫りの深い顎のラインを得るための、メイク方法やフェイシャルマッサージのテクニック、美容医療などが増えている。羨望の的となっているその顔だちについて専門家が解説する。
2021年7月11日、カンヌ国際映画祭でのベラ・ハディッド。 photography: Marc Piasecki/FilmMagic/Getty Images
彼女は「世界で最も美しい女性」の称号を持っている。イギリスの美容外科医ジュリアン・ド・シルヴァが2019年に行った学術研究では、ベラ・ハディッドの顔は94.35%と最も「完璧」に近く、アンバー・ハードやビヨンセよりも上位だった。
これは古代ギリシャの時代から、建築家や芸術家が傑作を生み出すため用いてきた「黄金比」を計算する数式の結果。顔の特徴の対称性や均整(目と目の間隔、鼻から顎までの長さ、額の高さ......)を測るものだ。その黄金数(ファイ数ともいう)に近ければ近いほど、その形は当時ギリシャ人が想像した理想の顔だちとなる。
「彼女の目、眉、鼻、唇、顎、下顎のラインと、顔の形を測定すると、古代ギリシャの考える完璧に最も近いものでした」と専門家はベラ・ハディッドについて、自身のインスタグラムへの投稿で語っている。
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高まる美容への要求
医療・美容外科ではベラ・ハディッドと同じ“下顎のライン”にしてほしいと望むクライアントが明らかに増えている。「多くの女性たちが卵形の輪郭を得るためさまざまな技術を求めるようになっています。それが若さと美しさを意味するからです」と明かすのはパリの美容外科医であるクリステル・サンティーニ。また、およそ3年前からこの分野への関心が再燃し、特にSNS上で注目を浴びているという。
パリの美容外科医であるアレクサンドル・マルシャ医師も、近年の学術的進歩からこの流行を説明する。「顔の下側3分の1を美化する、ヒアルロン酸注入の新しい技術は特にブラジルからやってきたものです。多くの医師が“顔の調和”のためのメソッドを発展させ、ヒアルロン酸だけで作り上げた顎のラインの、人目を引くようなビフォーアフター写真を公開しました。以来、すっきりとしてまっすぐな顎のラインが美の基準になっています」と彼は語ってくれた。
顎のラインを改善する治療法としてフィラー注入は最もポピュラーであり、現時点で「ベネフィット・リスク比率の点でも最良の方法です」とのこと。
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メイクなしで、輪郭に効果あり
専門家たちは、この特別な施術が特に20~40代までの女性に需要があることを指摘する。「ヒアルロン酸注入は顎のラインを整え、下顎の骨に沿ってボリュームを出し、顎をくっきりさせてくれます。患者はメイクなしで輪郭を整える効果を求めており、つまりこれは顔の構造自体への要望なのです」と説明するのはクリステル・サンティーニ。「皮膚がたるんでくる45歳からは、同じ箇所を治療することはできるのですが、要望自体が変化します。年齢と共に出てくる下顎といった、エイジングサインとの戦いになります」。
卵形の顔を追求するためには、もっと侵襲性の施術も必要だ。「美容外科では首や顔に脂肪が溜まりやすい人のためにその部分の脂肪吸引があります。しばしば最適な結果を出すために顔の形によって技術を組み合わせることも」とサンティーニは続ける。もうひとつ、あまり知られていない外科手術も注目を浴びている。「(バッカルファットという)頬にある解剖学的脂肪組織を切除します。そしてほんの少しだけ下顎と頬骨のあいだ(編集部注:頬骨の近く)をへこませるのです」と医師は説明した。
しかしながら、これらのメソッドが比較的信頼できるものであっても(有資格者に依頼する限り)、「くっきりとした下顎はまだ流行の範疇。流されないようにしてください」とアレクサンドル・マルシャ医師は注意を促す。
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手術なしで彫りの深い下顎に
他にも、メスを入れずに欲しい下顎ラインが手に入る方法がSNSで話題になった。アメリカのメイクアップアーティスト、レイチェル・オクールがTikTokでシェアした100万回再生突破の美容指南では、下顎に沿ってブラシでハイライトを入れる方法を提案している。まるで“ストロボ”のように、顎の骨に光を施し、輪郭に反射させる光学的な効果だ。
また同じくTikTokでは、フェイシャルマッサージの道具であるカッサを使って卵形の輪郭へ自然に整える美容指南も。「顔の輪郭を整え、さらに肌から毒素を取り除くのに役立ちます。特定の筋肉を弛緩させ、余分な水分を排出し、二重顎を解消して引き締める、フェイシャルリフトのような効果があります」とパリのスタジオ「FaceKult」 のフェイシャリスト、レア・ペレは説明した。
その正しいやり方は? 「カッサの先端で顎から耳までの肌を、顎の骨の下を通りながら擦ります。卵形の輪郭に整えてくれるのに役立ちますよ」と専門家であるレア・ペレは、目に見える結果を得るためには左右10回ずつ、毎日続けることを勧めている。
text: Victoria Hidoussi (madame.lefigaro.fr)