目標に向かって進んでいく時に使いたいアロマ。
Beauty 2022.05.09
久保直子
アロマの活用法では、リラックスや鎮静の効果に注目されることが多いですが、実は、集中力を高めたり、心身を活性する効果を持つ精油も多く存在します。
いま、自律神経のアンバランスによる不調を感じる人が増えているそうです。自律神経はもともと活動期に優位になる「交感神経」と睡眠時に優位になる「副交感神経」がスイッチし、バランスをとっています。この交感神経と副交感神経にそれぞれ作用し、効果をもたらしてくれるのが、自然界が生み出した香りの力です。
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精油の素晴らしい点は、リラックス効果もありながら活性するという、二方向へのアプローチが可能なこと。特に柑橘系の精油に多いのですが、オレンジやベルガモット、ネロリなどはその代表。活性するけれど、リラックスもさせる。人工的な成分で、その効果を得ることはなかなかできません。
今回セレクトするのは「目標を持って進んでいく時に使いたいアロマ」です。情報過多で煮詰まりやすい私たちの脳をすっきりとリフレッシュしたり、集中力を高めてくれる香りをいくつかおすすめしたいと思います。
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心も身体も頭もスッキリさせる:ニアウリ
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ニアウリはフトモモ科で、同じ科であるユーカリと似たような香りを放ちます。ユーカリよりもやや甘めですが、爽やかです。頭をクリアにし、集中力を高めてくれます。1.8-シネオールやα-ピネンを主成分としており、抗ウィルス作用、抗菌作用、去痰作用を持ち、免疫を高め強壮する効果に優れているので、風邪やインフルエンザ予防、花粉症にも効果を発揮してくれます。
〇使い方
空間に焚くのもおすすめですが、精油5~8滴を無水エタノール5mlで溶かし、精製水30mlを入れてアロマスプレーにして空間にスプレーしてみてください。
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刺激を与え、神経と心を強化:ブラックペッパー
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鋭さのあるスパイシーな香りが特徴的なブラックペッパー。その歴史は古く、珍重されたスパイスで、かつては肝臓病の治療にも使用されていたといいます。
この精油は、記憶力や集中力を高めたい時や、物事に無関心になっている時などに使うと効果的。感受性を取り戻し、神経と心を強化してくれます。腸の蠕動を促進し、食欲を刺激したり、毒素排出効果も。沈静の精油とブレンドすると、グッと深みが増し、香りのアクセントにもなります。使いすぎは腎臓に負荷をかけたり、皮膚にも刺激となる場合があるので注意しましょう。
〇使い方
単体よりも、オレンジやベルガモットなどの柑橘系精油に合わせると、ブレンドした香りがよりイキイキしてきます。オレンジ9:ブラックペッパー1くらいの少量使いがポイント。
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高揚させ、リフレッシュさせてくれる:カルダモン
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免疫を高める1.8-シネオールのほか、胃液分泌を促す酢酸テルピニル、リモネンなどが主成分のカルダモン。思考能力が鈍った時や、集中力が切れた時、煮詰まった時にこのスパイシーな香りを嗅ぐと、体内の巡りがよくなるとともに、香りが脳を刺激。背中を押してくれるような力があります。
〇使い方
鎮静系の深い香り、たとえばサンダルウッドやフランキンセンスなどとも抜群に合うカルダモン。こちらも主張の強い香りなので、少量使いを。ソルトに数滴垂らして入浴時に使うのも効果的です。

久保直子
ウェルネス&ビューティジャーナリスト/植物療法士/アロマデザイナー
AMPP(仏植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト、DTWフラワーエッセンスプラクティショナー、スポーツアロマテラピストの資格を所持。美容ライター時代に培った膨大な美容の知識と、植物療法をツールに、独自のウェルネス&ビューティについて発信。そのほか製品開発、アロマデザインやセミナーなど幅広く活動。
Instagram:@naonaonaozou