脳を刺激するパワフルなアロマとは?
Beauty 2022.11.08
久保直子
アロマのイメージといえば「リラックス」「甘い感じ」「癒やし」など、とても柔らかな印象を持つ人が多いように思います。ですが、エッセンシャルオイルの中にはいちど嗅いだら忘れられないような、クセのある香りもあります。これらのエッセンシャルオイルは大抵、肌への刺激も強めなことが多く、ブレンドの際に「あまり多く入れないこと」などの禁忌や注釈が書いてあります。
刺激が強いということは、それだけその植物に力があるということ。そういった香りは、心が落ち込んでしまったり、疲労困憊で前を向けない時や煮詰まった時などに活用すると、とてもいい効果を生み出してくれます。
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今回は、このようなクセや特徴の強い香りをピックアップ。ジンジャー、シナモン、タイムチモールの3種の香りを紹介したいと思います。
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心を温め、脳を活性化する!|ジンジャー
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インド、中国、ジャワが原産地と言われているジンジャー。現在では、アフリカや西インド諸島のような熱帯諸国の大部分で栽培されています。
温かみのある香りで、特にジャマイカ産が高品質の良い香りを放つと言われています。機能としては、温める効果や消化器系を強化し、食欲増進、循環器系に働きかける作用などが挙げられますが、さらに感覚器全般を鋭くするとも言われています。
疲労しきって、なかなかいい考えが浮かばないような時は、精神を元気づけてくれるジンジャーがおすすめ。心、脳を刺激し、しっかり現実と向き合えるように促してくれます。
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免疫強化しながら心にもアプローチ。|タイムチモール
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ケモタイプ(植物学的には同種だが、生育環境の違いによって含有される成分構成が異なるもの)がいくつか存在するタイム。免疫強化には欠かせない精油です。その中でいちばん刺激的なのがタイムチモールで、主成分はフェノール類のチモールです。フェノール類は皮膚に対して刺激が強いので、子どもには使えません。また、大人もできるだけ皮膚への使用は避けましょう。
薬効感のあるタイムチモールの香りは、いちど嗅ぐと病みつきになります。身体への作用というよりも、心、脳をメインに活用してあげるのがおすすめ。集中力を高めたい、オンオフの区切りをつけたい、という方は仕事最中はタイムチモール、仕事が終わったら別の香りにスイッチしてもいいですね。
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甘やかで鋭さのある香りが魅力。|シナモン
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スパイシーで鋭く、奥深い香りを放つシナモン。クスノキ科で葉や樹皮から水蒸気蒸留法で抽出されます。古代エジプトの頃からミイラの防腐に使うなど使われてきたスパイスのひとつで、寺院での薫香に使用される貴重なものだったそうです。インドのアーユルヴェーダでも使われています。
フェノール類であるオイゲノールが主成分なので、皮膚刺激が強く、濃度には注意が必要です。身体への作用としては、呼吸器系を強壮する働きがあり、また体温を上げる加温作用も持っています。
身体全体を強壮する一方で、衰弱し、疲れ切ってしまった心に対してもアプローチ。刺激活性してくれる甘やかな香りは唯一無二と言えますね。
text: Naoko Kubo
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久保直子
ウェルネス&ビューティジャーナリスト/植物療法士/アロマデザイナー
AMPP(仏植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト、DTWフラワーエッセンスプラクティショナー、スポーツアロマテラピストの資格を所持。美容ライター時代に培った膨大な美容の知識と、植物療法をツールに、独自のウェルネス&ビューティについて発信。そのほか製品開発、アロマデザインやセミナーなど幅広く活動。
Instagram:@naonaonaozou