名付けて「マン=キュア」? 男性のネイルがトレンド。

Beauty 2023.04.16

歌手、俳優、インフルエンサー......爪にマニキュアを塗ったり、ネイルアートに挑戦したりする男子は多い。名付けてマン=キュア? フランス「マダム・フィガロ」のリポート。

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2023年2月11日、ブリット・アワードに出席したイギリスの歌手ハリー・スタイルズ。photography: Karwai Tang/Getty Images

髭をカットしたり、眉を整えたり、保湿クリームを塗ったり......最近、この種の手入れは男性、特に若い男性の間で比較的浸透してきた。しかし爪に関しては、やっと少し前からネイルケアをする男性が現れてきた状態だ。

オンラインの美容予約サービスTreatwell社が行った最近の調査によると、フランス人男性の30%がマニキュアやペディキュアをしてもらってもいいと考えているそうだ。「以前、これらは女性に特化したものだと考えられていましたが、男性の予約数は増えています」とトレンド情報会社ペクレール・パリのビューティー部門専門のクラリッサ・スキャリジさんは言う。「これと並行して、男性専用あるいは男女共用のネイルケア商品やサービスも次から次へと展開されています」

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影響力のある先駆者たち

前回のセザール賞では爪まで真っ黒に輝かせていた俳優ヴァンサン・マケーニュの姿が注目を集めた。でもこのような挑戦をしているのは彼だけでない。少し前まではゴシック系またはクィアのコミュニティでしか考えられなかったことだが、最近はセレブたちも爪をさまざまな色に塗ったり、ステッカーを貼ったりした姿を披露している。有名どころではラッパーのエイサップ・ロッキーとリル・ナズ・X、俳優のピート・デヴィッドソンやフランスで最多数のフォロワーを誇るユーチューバー、Squeezie(1700万フォロワー)など。

この流れはイギリス出身の歌手ハリー・スタイルズが2021年に立ち上げたジェンダーレスビューティーブランド、Pleasing(プリージング)のネイルポリッシュがきっかけだ。マーケティングやパッケージに使われる言葉も変わってきた。ネイル“ペイント”や“ラッカー”と名付けられ、ボトルにも遊び心がプラスされ、デザイン性が強く、より多くの客層を対象にしている。

この傾向は全世界的な広がりを見せている。「最近、男性性は複雑に多様に語られるようになりました。Z世代の新しい世界観が従来の垣根を取り除いています」とクラリッサ・スキャリジは断言する。「若い男性たちはコンプレックスから脱していて、大胆にクリエイティブであるだけでなく、豊かな表現力を備えているのです」。TikTokでの無数のネイルアートチュートリアルや、それらの何百万回を超える視聴数を見れば一目瞭然だ。

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大胆さとクリエイティビティ

27歳のチャーリーは一年以上前からネイルを塗っている。「僕のファッションを仕上げてくれる表現の一つだ」と語る。「気分によってデザインを変えるし、最近は立体的な炎のミックスに凝っている。スマイリーや花、目などの小さな絵を描くのも好きだ」

5年前から「ネイルアートの大ファン」である33歳のエルミュットも似たような考えだ。「指先に面白みがあるのが好き。ネイルアートを作品のように捉えていて、中国の花瓶、ビデオゲーム、自然から得たインスピレーションなどを表現してる」。ガールフレンドと一緒に楽しみ、いまではデートで楽しむアクティビティの一つとなっているそうだ。

しかし、この新しい楽しみ方に慣れていなく、抵抗する人は多い。「理解できない人と話し合うこともよくあります」とエルミュットは認める。チャーリーは逆に人々の反応を楽しんでいる。人気は急上昇中ではあるが、まだニッチな現象であることは確かだ。「少しずつ定着はしていますが、メインストリームではないので、度胸は必要ですよね」とクラリッサ・スキャリジは締めくくった。

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【画像】マン=キュアと男性のハートをつかみにいくネイルアート

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パリのル・フーケッツで行われたセザール賞の写真撮影でのヴァンサン・マケーニュ。(2023年2月24日)

photography: Foc Kan/WireImage/Getty Images

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ブリット・アワードに出席したイギリスの歌手ハリー・スタイルズ。(2023年2月11日)

photography: Karwai TangKarwai Tang/Getty Images

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パリで行われたロエベの2020年春夏ファッションショーに出席したエイサップ・ロッキー。(2019年9月27日)

photography: Peter White/Getty Images

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ジェシカ・アルバの夫、キャッシュ・ウォーレンはファッションウィークに出席する妻に同伴する際、ピンクのネイルをチョイス。(ニューヨーク、2012年2月15日)

photography: Photo Alo Ceballos / Getty Images

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初めてネイルサロンに行ったスヌープ・ライオンはゴールドが入ったバイカラーフレンチを選んだ。手のケアをしてもらうため二人の女性ネイリストがついた。翌週もまたリピートしたくなったのも当然のこと......

Instagram@heynicenails

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......そしてこちらが仕上がり!(カリフォルニア、2014年2月12日)

Instagram@heynicenails

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こちらは黒色を選んだシンガーのシール。去年のレッドカーペットではゴールドのネイルだったのも発見!(フロリダ、2009年3月7日)

photography: Logan Fazio / Getty Images

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前例を作ったのはジャレッド・レトジョニー・デップだった。おかげでエアロスミスのボーカリスト、スティーブン・タイラーもロックンローラーとしての自分をグラフィックなネイルアートで自己表現。(ロサンゼルスでのグラミー賞にて、2014年1月26日)

photography: Jeff Vespa / Getty Images

text: Victoria Hidoussi (madame.lefigaro.fr) translation: Hana Okazaki, Hide Okazaki

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