ダンサーの創造性をも刺激する、クリードの香りの魅力とは？

英国で1760年に創業し、最高級のフレグランスを手がけるメゾンとして愛され続けているクリードが、8月30日に伊勢丹新宿店本館にオープン！　同時に、軽やかさと繊細さを備えたフローラルの香り「ウインドフラワー オーデパルファム」が発売される。風に乗って流れるように舞うダンサーの動きにインスパイアされたこのフレグランスは、キャンペーンビジュアルに英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルのローレン・カスバートソンを起用。2022年、ロンドンでの発表の際には、ローレンと英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルのリース・クラークが、香りをイメージしたダンスを披露した。

今回、英国ロイヤル・バレエ団の東京公演で来日したリース・クラークにインタビュー。「香りは僕にとって特別な存在」と話す彼に、ダンスと香りの関係や、普段の香り使いのこだわりについて聞いた。

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― ロンドンで「ウインドフラワー オーデパルファム」の発表イベントが行われた際、ローレン・カスバートソンとともに、この香りのためにダンスを創作したそうですね。

はい。香りをダンスで表現することになったのですが、イベント会場には、いつも公演を行うような劇場と大きく異なる点がひとつ。それは、舞台と客席の距離が非常に近いということでした。このことを生かし、香りの特徴を伝えるようなダンスはなんだろう？と、ローレンと振付家のキム・ブランストラップと僕の3人で相談しました。そして、ローレンの衣装のローブに「ウインドフラワー」の香りを纏わせ、僕が彼女を大きくリフトして衣装が広がる時の動きで、フレグランスが香り立つような振り付けを創作したんです。この動きは、「ウインドフラワー」に使われているバラの花のフォルムのようでもあり、香りを会場のみなさんに届けるとともに、フレグランスのエアリーな一面を視覚的にも表現できたと思います。

2022年3月に開催された「ウインドフラワー」お披露目イベントにて。観客との距離を意識した演出で、香りの魅力を届けた。

クリード ウインドフラワー オーデパルファム 75ml ￥48,290/インターモード川辺 フレグランス本部

― これまでにも、香りをダンスで表現した経験はありますか？

香りをダンスで表現するというのとは少し違うけれど、僕は舞台上で演じる役柄に合わせて纏うフレグランスを変えているんです。たとえば『ロミオとジュリエット』のロミオのようなロマンティックな役を演じる時は「アバントゥス」。マスキュリンで強さを感じる香りです。ダンスで体温が上がると、その香りがいちだんと広がって、僕がはけた後も残り香が舞台にとどまり、ジュリエットが嗅覚でロミオの存在を感じて……情熱的なストーリーをいっそう盛り上げる役割を果たしていると思います。『眠れる森の美女』の王子役の時は「サンタル」や「シルバー マウンテン ウォーター」。こうして役ごとにイメージした香りを纏うことで、より自分がそのキャラクターになりきれるというか、表現のレベルを高い次元に上げてくれるとも感じています。舞台を離れても、トレーニングに行く時、打ち合わせをする時などスケジュールに合わせてフレグランスを選びます。いい香りに包まれることによって自信が得られ、自分が快適でいられる。他人がどんな香りをつけているかにも、非常に興味がありますね。

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― クリードのほかの香りでダンスを創作するならば、どんなイメージを膨らませますか？

そうですね……。「ミレジム アンペリアル」のダンスは、このゴールドのボトルを思わせる美しいコスチュームで、太陽の光をモダンな振り付けで表現したいです。「シルバー マウンテン ウォーター」ならばステージ上に花火を打ち上げるように、大きなステップやジャンプ、フリックなどを取り入れ、大胆なパフォーマンスにトライしてみたいです。

左: クリード ミレジム アンペリアル オーデパルファム 100ml ￥43,560　右: クリード シルバー マウンテン ウォーター オーデパルファム 100ml ￥43,560/ともにインターモード川辺 フレグランス本部

― あなたにとって、クリードとは？

ラグジュアリーでモダンなブランドという印象です。香料のクオリティがいいので香りが長持ちする点も、身体を動かして汗をかくダンサーにとっては重要です。たくさんの種類がありますが、どれもユニークで特別。誰しも、クリードでお気に入りの香りが見つかるのではないでしょうか？　僕はもともと「アバントゥス」を愛用していたのですが、クリードでコンサルテーションを受けた時、僕のパーソナリティに最も合うのが「アバントゥス」と診断結果が出て、さらに親しみがわきました。

クリード アバントゥス オーデパルファム 100ml ￥53,570/インターモード川辺 フレグランス本部

― 今回は1年ぶりの来日だそうですね。

はい。日本には何度も来ているのですが、観客のみなさんがいつも温かく応援してくださって感謝しています。それに今回（6月の公演）はカンパニー全体で来日することができ、若いダンサーたちにとっても非常にいい経験になっているのではないかと思います。僕も日本が大好きなので、ここで踊れることにワクワクしています。