腸から整えるメンタルヘルス、まず始めたいことは?

Beauty 2023.07.25

桐村里紗

前回の記事では、腸内環境とメンタルヘルスの関係についてお話ししました。
暑い夏は胃腸にトラブルが起こりがちですが、腸内環境が悪化するとメンタルも調子を崩してしまいます。
今回は腸からメンタルを整えるための、より具体的な方法をご紹介します。

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心に効く有用菌「サイコバイオティクス」を活用しよう。

気分や脳の機能にポジティブな影響を与える有用菌(プロバイオティクス)のことを、「サイコバイオティクス」と言います。
最近、「睡眠」や「ハッピー」に効く乳酸菌やビフィズス菌を含む発酵飲料や食品がスーパーやコンビニでも並んでいるのをご存知でしょうか?

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photo: shutterstock

代表格は、「心理的なストレスを和らげ、睡眠の質(眠りの深さ)を高める」働きがある「ガセリ菌CP2305株」。
それから「乳酸菌シロタ株」は「ストレスをやわらげる」機能があり、ストレスホルモン、コルチゾールの分泌を抑え、ストレスの体感を低下させることがわかっています。
また、熟眠時間や熟眠度が増加して、起きている時の眠気が軽減されることも報告されています。
これらが含まれる飲料は、「飲むとよく眠れるようになった」と人気を呼んでいますね。

前向きな心を維持する働きがある「はぴねす乳酸菌」は、チョコレートやグラノーラ、カップスープなどいろいろな食品に配合されています。「活力・活気」「リラックス度」を維持する働きがあることがわかっています。

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腸にも心にもポジティブな食事の工夫。

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photo: shutterstock

腸内環境を整えるためには、まずは食物繊維。
普段から野菜や果物、海藻、ナッツ、きのこ、雑穀など食物繊維が豊富な食べ物をモリモリ食べること。
ヨーグルトやキムチ、甘酒などの発酵食品も腸をサポートします。
特に甘酒は、江戸時代からの夏の栄養ドリンクとして愛されてきた飲み物。食欲が落ちがちな夏にうれしいドリンクです。糖質は多いので飲み過ぎはNGですが、スムージーの甘味づけに少し加えるなど、工夫して取り入れてみて。

亜麻仁油やエゴマ油、ヘンプシードオイル、青魚などオメガ3脂肪酸が含まれる食材もマル。
腸の炎症と同時に脳の炎症を抑える働きがあり、全身の細胞の働きを良くします。
たとえば、「亜麻仁油を使った鯵のマリネ」なんて、さっぱりしていて夏にもおすすめです。

ハッピーな腸からハッピーな心をサポート。健康で幸せな毎日を送るために、腸の声に耳を傾け、ケアをしていきましょう。

桐村里紗

医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
https://tenrai.co/

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