自分に合った機能性プロバイオティクス食品を見つける方法とは?
Beauty 2023.11.12
桐村里紗
こんにちは。
前回は、プロバイオティクス食品の豊かな個性についてお話ししました。
乳酸菌やビフィズス菌と言っても、種類がたくさんあり、機能性も違いますから、自分に合ったものを選ぶこと。
ただし、必ずしも機能性表示通りに働くわけではありません。
photo: shutterstock
たとえば、よくあるのが免疫についての働き。
「免疫力の強化」という機能性を持つ菌株は、主に感染症対策になります。
ウイルスなど外来の敵と戦う免疫の働きをサポートします。
感染症が流行している季節に、それを予防したいならばこうした機能性を持つプロバイオティクス食品を選択しましょう。
一方で、「アレルギー症状の改善」という機能性を持つ菌株は、逆の働きで、過剰に戦う免疫細胞を制御する働きがあります。
アレルギーとは、免疫細胞が過剰に暴れている状態をなだめて、バランスをとるイメージです。
花粉症やアトピー性皮膚炎などに悩むのであれば、こうした機能性を持つプロバイオティクス食品を試してみて下さい。
でも、繰り返しますが、100%、機能性表示通りに働くわけではありません。
実際に免疫細胞を観察してみると、人によっては例外的に、免疫力を強化するタイプを摂取しても、免疫細胞を落ち着ける作用が発揮されたり。アレルギー症状を改善するタイプを摂取しても、免疫力の強化に働くことがあります。
全ての機能性表示のあるプロバイオティクス食品についても同じことが言えます。
プロバイオティクス食品に含まれる有用菌は、人にとってポジティブに働く種類ですから、それによって「副作用」が起きるというほどのことはありません。
でも、期待する効果が得られないこともあります。
ただし、いまのところ、気軽に検査で人によって合う合わないを診断することができません。
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「じゃあどうすれば!?」という声が聞こえてきそうですが、やることは簡単です。
食べてみて、身体の変化を観察することです。
まずは、継続的に毎日食べてみましょう。
早ければ数日で身体に変化が現れてきます。
あまり変化がないなと思っても、特にネガティブな反応がなければ、継続的に1カ月程度とってみましょう。そして、ポジティブな変化が見られたら、そのまま継続して下さい。
たくさん食べれば効果があるというわけでもありません。
機能性表示食品には、摂取目安量が記載されていますので、それを参考に。
特に期待した変化が見られない場合は、種類を変えてみたら良いでしょう。
「免疫力の強化」という機能を持つプロバイオティクスは、いくつか種類があります。
ひとつの種類を試して効果がないなと感じたら、別の種類に切り替えてみましょう。
また、同時に何種類も試すとどれが良いのか曖昧になってしまいます。
1種類ずつ試して、自分に合っていると分かったら、それを継続。
合うものがハッキリしてから、別のものを試してみるほうが良いでしょう。
バッチリ合えば、思いがけずお悩みが解消すると思いますよ。
text:Risa Kirimura
桐村里紗
医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
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