身体にも地球にも優しい甘味料「羅漢果」の故郷を訪ねて。
Beauty 2023.12.13
桐村里紗
甘いものは私たちにとってこの上ないご褒美ですが、美容と健康を犠牲にしていることを忘れてはなりません。
食後高血糖は、パフォーマンス低下の原因になるだけでなく、老化の原因とされる糖化を促進して美容にも大敵です。
血糖値が上がると、身体の中でキャラメルのような成分ができて、肌代謝に重要な酵素や肌のハリに不可欠なコラーゲンの機能を低下させて、肌老化の原因に。
スイーツはご褒美としてたまに楽しむようにし、日常的にはなるべく控えたいところですが、でもやめられない!
そんなスイーツラバーにおすすめしたいのが、羅漢果由来の甘味料。
健康意識の高いアメリカで、羅漢果は"Monk Fruits(お坊さんの果物)"と呼ばれ、ヘルスコンシャスな女性たちにも大人気です。
中国の桂林が原産で、古来から「神の果物」と呼ばれ、漢方食材として活用されてきた羅漢果。
主にお茶として飲まれ、現地の人たちの健康管理には欠かせないものだったそうです。また羅漢果は保護植物であり、中国国内でしか育てることができません。
私自身は、昔から羅漢果由来の甘味料として、サラヤの「ラカントS」を愛用しています。
そのご縁もあり、先日サラヤさんとともに、羅漢果を栽培する桂林の農村を訪ねる機会がありました。
上海から飛行機で3時間、チワン族自治区・桂林は、山水画のような風景を舟で下る「漓江下り(りこうくだり)」が有名な地域です。
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豊富な水を育む山の上流、日差しが燦々と降り注ぐ山の斜面に、羅漢果の畑があります。
農薬を極力使わず、太陽をたくさん受けた羅漢果は、その紫外線に打ち勝つために果実の中にさまざまなファイトケミカルを生成します。
それが羅漢果の甘味のもととなる、モグロシド類。高い抗酸化活性を持っていることが特徴です。
しかし、そのまま食べると雑味があり、クセが強いのが難点。
「ラカントS」では羅漢果の甘味成分を抽出し、non-GMO(遺伝子組み換えでない)トウモロコシ由来の甘味料エリスリトールと混合し、砂糖の代わりに使えるゼロカロリーの甘味料として製品化しました。
漢方食材として使われていた羅漢果を、農薬を極力使わない農法で栽培し、甘味料として抽出する技術は、サラヤが地元の桂林師範大学とともに研究を重ねてきたものだそう。
地域の農家を指導し、地域の専門家と一緒に、地域の産業として、地域を元気にする。
そんな理念のもとで開発された「ラカントS」は、人にも地域にも地球にも優しい、プラネタリーヘルスの観点からも共感できる製品です。
自分の健康にも良いものが、地域と地球を健康にする。
そんなネイチャーポジティブなプロダクトが日常に増えたら、毎日は豊かに、地球はもっと元気になりますね。
text:Risa Kirimura
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桐村里紗
医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
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