香水ジャドール ロー誕生の旅を追いかけた『インサイド・ザ・ドリーム』。

Beauty 2023.12.22

パルファン・クリスチャン・ディオールのパフューム クリエイション ディレクターに新たに就任したフランシス・クルジャンが最初に手がけることになったのは、メゾンの名香のひとつである1999年に生まれたジャドールの新解釈だった。それが今秋発表されたジャドール ローである。誕生を祝い、パリ市内ボ・ザールにてゴールドに輝く『Dior  j'adore』展が開催されたのは既報の通りだ。そこで展示されていたアーティスト、ジャン=ミシェル・オトニエルによるジャドール ローの限定ボトルはパリのラ ギャラリー ディオールの「不思議の部屋」でいまも見ることができる。

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ディオールのパフューム クリエイション ディレクター、フランシス・クルジャン。©️Valentin Hennequin

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ジャドール ローの発表に際して、9月末から10月頭にかけてパリで開催された『ディオール ジャドール』展からゴールドの泉。photo:Mariko Omura

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ジャン=ミシェル・オトニエルによるジャドール ローの限定ボトル。photo:Mariko Omura

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そのジャドール ローの創香の秘密を追いかけたいと願った映画監督のMatthieu Menu(マチュー・ムニュ)。Terminal 9 Studiosのプロデュースによりそれが実現され、1時間のフィルム『インサイド・ザ・ドリーム』が完成した。フランスでは有料局CanalPlusで、日本ではAmazonプライム・ビデオで12月1日から始まったストリーミングに先立ち、映画館Grand Rexにて映画の試写会が行われた。

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左: 試写会ではフランシス・クルジャン(左から3人目)、監督マチュー・ムニュ(その右隣)など関係者が壇上に。 右: 試写会でのオドラマ。photos:Mariko Omura

映画は新しい香りを携えてフランシスがロサンゼルスにシャーリーズ・セロンを訪問するところから始まる。彼女はその香りに、"It's so..."と反応。どんな言葉で彼女が反応したかが明かされる締めくくりまでに、フランシスの1年の創香の旅が凝縮されているというつくり。試写会では6種の香りのムエットが配布され、上映中スクリーン脇に表示される指示に従って、1999年のジャドールのオードパルファンに始まり、最後に2023年のジャドール ローを嗅ぐというオドラマ体験の遊びが用意されていた。もっともムエットがなくても、映像から香りが漂ってくる。とりわけジャスミンサンバック! フランシスが訪問するインドのマドゥライに広がるジャスミンサンバックの畑や、摘花が積まれて販売されている路上から。

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ジャドール ローの発表前、秘密の香りがこめられたボトル。これをも持ってフランシスはロサンゼルスへ旅立った。

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マドゥライのジャスミンサンバック畑。

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フランシス・クルジャン、畑にて。

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フランシスは彼が新解釈する"ジャドール"を求め、クリスチャン・ディオールが愛した南仏のラ コル ノワール城の庭、グラースのバラ畑、さらに日本における香道のセレモニー......世界のさまざまな地を巡ったのだ。旅から旅の合間にはアーカイブ訪問あり、会議あり、ひとりオフィスに閉じこもる時間あり。カメラは彼を追うことと並行し、私たちの記憶に残る広告映像を撮影しているジャン=バティスト・モンディーノ、ゴールドのネックレスを首に纏ったアンフォラ ボトルの産みの親エルヴェ・ヴァン・デル・ストラッテン、そしてジャドール ローの限定ボトルをデザインしたオトニエルたちも映画に参加させている。

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ローズ・センティフォリア。

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シャーリーズ・セロンがキャンペーン映像で着るドレスを準備するディオールのアトリエ。

1999年に調香師のカリス・ベッカーが生み出したジャドール。ニューヨークでその創作の現場に、当時まだ若き"ネ"だったフランシスは偶然にも立ち会っていたそうだ。ジャスミン、ローズ、イランイランなどの花束がまろやかに華やかに香る名香ジャドールに、2023年フランシスは明るい光をもたらすことで、より花の美しさを際立たせた。それがジャドール  ロー。ディオールで香りをクリエイトすることを願っていたという彼は、料理やダンス、音楽にも通じている。クリスチャン・ディオールと彼が出会っていたら、どれだけ話が弾んだことだろう。彼による次の香りが待たれる。

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ジャドール ローのボトル。アンフォラボトルが纏うネックレスはゴールドの螺旋から、ゴールドが流れるような波打つデザインに。

『インサイド・ザ・ドリーム』
Amazon プライム・ビデオにて配信中
www.dior.com/ja_jp/beauty/fragrance/inside-the-dream.html

動画を視聴する

 

editing: Mariko Omura

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