SNS上で論争が勃発! アイラインはもうトレンドではないのかもしれない。

Beauty 2024.08.01

SNSによると、いまどきのα(アルファ)世代はアイラインをもう古臭いものだと感じているらしい。だが、実際のところどうなのだろう?

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ベルギー出身のポップシンガー、アンジェルはアイライナーを愛用。シャネルのオートクチュールショーにて。(パリ、2024年6月25日)photography : Stephane Cardinale - Corbis/Corbis via Getty Images

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振り返れば、アイラインはどの時代でも愛されているアイテムだったはず。オードリー・ヘプバーンもエイミー・ワインハウスも、ブリジット・バルドーもジェーン・バーキンも、みんなアイラインをくっきりと引き、きりっとした目元に仕上げていた。古代エジプトでは男女問わずに競って黒い粉で目元を強調していたほど。シック、ロック、レトロ、タイムレスなどなど、どんなテイストのメイクトレンドにおいても、アイラインは必要不可欠なものだった。

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クレオパトラ役のエリザベス・テイラーの目元はアイコニックなアイライン。photography : ullstein bild Dtl. / ullstein bild via Getty Images

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だが、2010年以降に生まれたα世代にアイラインは不人気のようだ。日々、ラインを引くための作業が面倒ということなのか?いずれにせよ、このアイライン不人気説を分析した一部のインフルエンサーはそう考えている。

これはローティーン世代がインスタグラムを使いたがらなかったり、英語を話したがらない理由にも通じると言う。いいねの数が少なかったり、上手くしゃべれないことを恐れているのだそうだ。アイラインだって、ある程度器用でないと上手く引けないし、生まれつき綺麗に引く技術が身についているわけでもない。

12歳から14歳の世代がよく見ているTikTokで語っているところによれば、アイラインは団塊の世代(1947年から1949年頃の第1次ベビーブームに生まれた世代)に流行った過去の遺物で"ありえないもの"とみなしているとのこと。"ありえない"とまで言い切っているのは驚きで、例えば、待ちに待った夏休みに電車が運休になったとなればそれは"ありえない!"と言ってもいいかもしれないけれど、表現の自由やメイクの自由が高らかに語られている時代に、アイライナーを"ありえない"とする感性は腑に落ちない。

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アイライナーを語る上でブリジット・バルドーも外せない存在。photography : Herbert Dorfman / Corbis via Getty Images

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アイラインを否定する態度は単なる目立ちたがり精神や話題作りのためなのか?はたまた、自然派志向が一大潮流となった余波としてメイクをすること自体への拒否反応なのだろうか?いずれにせよ、タブーやルール、禁止行為といったものが問い直されるこの時代に、なぜそういった別のルールを作りたがったのかが疑問だ。

一方で、ニキビをさらけ出し、妊娠線を飾り、傷跡を隠さず、体に脂肪がついていることを認めてきた、ミレニアル世代の勇気は賞賛に値する。そうやって解放されたミレニアル世代の女性たちは実にさわやかだった。ではなぜアイラインを敵視するのだろう。アイラインを否定することはメイクの歴史の一部を否定するようなものだ。

ただし、アイライン否定論に対して多くの反論動画がTikTokに上がってきているところを見ると、アイライン好きの人はまだまだ多いよう。毎シーズン、ファッションショーのランウェイではアイラインが偏在する。アイラインはクレオパトラからシンガーのエンジェルまで、時代を超えて受け継がれてきた数少ないメイクの要素のひとつなのだ。だから、アイラインの魅力から目を背けることこそ、ありえないことなのではないだろうか。

text : Justine Feutry (madame.lefigaro.fr)

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