髪の毛にまつわる迷信を、毛髪のプロが検証。
Beauty 2025.01.23
真実というよりむしろ迷信に近い、私たちのヘアケアの"常識"について、最新情報をアップデートしよう。
髪に関しては、先入観は都合のいい言い訳になる。薬剤師であり、公認トリコロジスト(髪と頭皮の専門家)であり、ブランドMake My Maskの創設者でもあるジュリー・ペルネット氏が、髪に関する5つの通説を検証する。
通説1.「髪は毎日洗うべきではない」
毎日シャンプーをする習慣は、一般的に推奨されていない。洗えば洗うほど、髪が脂っぽくなるという悪循環を引き起こすとされるからだ。しかし、毛髪の専門家は「因果関係を示す研究はありません」と、毎日髪を洗うことに特に問題はないと考えている。「硫酸塩を含まないシャンプーを使ってください。洗浄力が強すぎなければOKです。そして、頭皮をよく洗うことです。多くの人は、髪の毛にばかり気を取られていますが、最初に洗うべきは頭皮です。しっかりすすぐことで、頭皮を乾燥させることなく、頭皮の汚れを落とすことができます」。薬剤師に言わせれば、むしろシャンプーの間隔を空けすぎると、フケや脂漏性皮膚炎(ブツブツ、炎症、かゆみを引き起こす皮膚疾患)のような頭皮トラブルを引き起こすリスクがあるという。「皮脂は敵ではありません。むしろ皮脂の役割は髪を守ることです」。たとえば、夕方に髪をよくブラッシングすることで、髪全体に皮脂を行き渡らせることができるだろう(外的刺激から髪を守り、潤いを与える)。
通説2.「髪を切ると成長が促される」
髪の成長を促したいなら、定期的に髪を切った方が良いという話をよく耳にすることだろう。しかしトリコロジストは、「枝毛をカットするのは良いことですが、発毛には何の影響もありません」とバッサリ。代わりに、美容液や専用マスクで頭皮ケアをする方が良いと提案する。また、血液の循環を活性化するため、マッサージすることも勧めている。「ただし、マッサージのしすぎは皮脂の分泌を促すので要注意です。オイリーヘアの人は、シャンプーの直前だけ行うのがいいでしょう」
通説3.「白髪を1本抜くと、何本も生えてくる」
白髪が現れると、多くの人が「白髪を1本抜くと、すぐに10本の白髪が生えてくる」という格言を口にする。この話を聞いて、ペルネット博士は微笑んだ。「この因果関係を証明する研究はありません。毛包には毛が1本しか含まれていないため、後から増やすことはできません。一方、その細胞はメラニンの生成を停止しているため、そこから色のついた毛髪が現れる可能性はありません」
通説4.「髪がヘアケア製品に慣れる」
肌とクリームの関係についてよく耳にするように、髪も使用する製品に慣れてしまい、やがて効果が薄れてしまう。「一生を通じて変化するのは髪の方です。髪はホルモンとともに進化しますが、7年ごとに変化することがわかっています。ですから、その時々で日課を変える必要が出てくるのです」。一方で、専門家は製品の使用頻度について警告する。「頭皮を刺激する恐れがあるので、シャンプーの度にスクラブをするのは避けてください。また、オイルバスを頻繁にやりすぎないようにも注意してください。毛球が呼吸できるように、髪を浄化し、重くならないようにする必要があります」
通説5.「抜け毛防止シャンプーが問題を解決する」
「抜け毛防止シャンプーを選んでも効果が見られないという声をよく耳にします。そもそも、シャンプーは洗うことを目的としているため、成分の濃度が十分ではないのです。そして何よりも、使用時間が十分ではありません。研究によると、効果を実感するには少なくとも10分間置くことが必要です。したがって、シャンプーを単独で使用するだけでは十分ではありません。効果を期待するには、美容液やトリートメントを併用する必要があります」
さまざまな髪の悩みは、もっと落ち着いて取り組めば、それで十分のようだ。
From madameFIGARO.fr
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text: Justine Feutry (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto