19世紀パリジェンヌの洗練に学ぶ。ビュリーの書籍『美しくある秘訣』が発売。
Beauty 2025.02.12
オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーから、19世紀ベルエポックの時代を生きたパリジェンヌが実践していた美容術やルーティンをまとめた書籍『美しくある秘訣』が2月13日に発売される。
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ビュリーのインスピレーション源となっている、19世紀のパリ。美と流行の発信地として世界の人々が憧れた当時のパリジェンヌは、どんな美容術やルーティンを実践していたのだろう? その答えを求めて過去の文献を紐解き、人生と自分を慈しむための哲学書にまで昇華させたのがこの一冊だ。全8章からなる内容は、自由に考え、自由に毎日を生きるパリジェンヌを主人公とした小説風の設えになっている。
本書を手がけたオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーのブランドディレクター、ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックに、彼女が考える美しさやアールドゥヴィーヴルについて、話を聞いた。
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オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー ブランドディレクター
パリのセレクトショップ、コレットで開業からプレスを担当後、ビューティマガジン「コルピュス」を創刊。美容業界に新しい視点を取り込む。夫ラムダン・トゥアミとパリ初のビューティコンセプトショップ、パルフュムリー・ジェネラルを創設した後、長年独学で研究してきた植物由来の美容に関する知見を活かし、2014年オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーをパリに復刻。ブランドディレクターとしてブランドを指揮する傍ら、世界各地の美容の歴史のスペシャリストとして、自然派美容にまつわるビューティーグッズやお手入れ法、風習やその歴史研究に取り組む。著書に世界の美容法を収めた『自然派美容の教科書 アトラス オブ ナチュラル ビューティー』がある。
― SNSやYoutubeなどでクイックに紹介される美容法を見慣れている昨今、『美しくある秘訣』が伝える内容は、より総合的で読みごたえのあるものでした。書籍の形にしたのはどんな思いがあったのでしょうか?
ビュリーで18世紀〜20世紀初頭の美容に関する古書をコレクションしているのですが、それらを読んでいて、美やフェミニニティへの視点のチャーミングさに惹かれました。夫のラムダンと話して、ビュリーとはまた違う提案でこれらの「美」をお客様と分かち合うのもおもしろいのではないか?ということで、書籍にしてみたんです。ホリスティックに美をとらえ、伝えることがテーマだったので、それを読み取っていただければうれしいです。
― 特に、第一章「鏡」のテーマがとてもユニークでした。
私もいちばんお気に入りの章です。鏡との接し方を知ることで、私自身もハッとさせられたところがあります。それまで私は鏡が苦手で、普段メイクをしないこともあり、鏡に向き合うのは身支度の最後に全体チェックをする程度でした。美容院に行って何時間も鏡の前に座らされるのも苦痛だったんです。でも、鏡のことを書いている19世紀の本を読んで、鏡を見ることの大切さや、鏡を通して自分を知り、いたわる方法を学ぶ、そのプロセスが大事とわかって、以前ほど鏡の前でプレッシャーを感じることはなくなりました。
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― 執筆を進めていくにあたり、思い浮かんでいた人物、インスピレーションを与えてくれた存在はありましたか?
あえて言うならば、サラ・ベルナールでしょうか。ちょうど彼女の伝記を読んでいた時期でもあったんです。ベル・エポック期を象徴するドラマティックな女優で、媚を売らない、堂々とした佇まいが美しいですよね。
― 19世紀の美容法を紐解いていく中で、驚いたことはありますか?
19世紀の美容ルーティンは、ビュリーを立ち上げるにあたっていろいろ見てきたので、あらためて驚くことはなかったのですが、お手入れにかける時間の長さや丁寧さに関しては、感覚が現代と全然違いますね。美容だけではなく、朝起きて、寝間着から家着に着替えて、出かける時は外出用の服を着て、帰ってきたらまた家着に......というふうに、生活のひとつひとつに区切りがあって洗練されているんです。手紙を書くことなどもそうですが、静かにゆったりと自分に向き合う心がけは、私たちも見習ったほうがいいかも、と思うこともあります。
―日本において、『美しくある秘訣』の精神を感じる物事はありますか?
日本で感じるのは、水との関係性ですね。入浴文化があるのは幸せなことではないでしょうか。ビュリーでも入浴のメソッドをお伝えしていますが、欧米ではバスタブ自体がラグジュアリーなものになってしまっていて、そのメソッドを生かせない人が多いんです。それに日本には温泉の文化があります。私も大好きで、先日箱根に行ってきたばかり。まさにスローダウンできる瞬間です。
―最後に、ヴィクトワールさんにとってのアールドゥヴィーヴルとは?
「自分自身に何が合っているか」をわかっていること。現代はSNSなどでとにかく多くの情報が入ってきて、何が本当に必要なものなのかが見えなくなりがちですね。自分のスタイルに合ったものを選ぶこと、見極めることがいちばん大事。そのために実験して失敗することだってあります。それを続けた先に、ぶれない自分が見えてくる。決して簡単なことではなく、私も50歳になってやっとわかってきました。この本もそのヒントになればと思っています。私はビューティって旅や冒険のようなものだと思っているので、みなさんもクリエイティブに、いろんな工夫をして楽しんでください。
![250210_buly_04.jpg](https://madamefigaro.jp/upload-files/250210_buly_04.jpg)
期間:2025年2月13日(木)~2月28日(金) 9:00~22:00(2月28日は20:00まで)
場所:代官山 蔦屋書店 2号館 1F
『美しくある秘訣』の世界観を表現した空間で、新書籍をはじめ、パリジェンヌの美にまつわるビュリーのスキンケアやボディケア製品、美容道具のほか、ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックが自らセレクトしたヴィンテージの鏡も販売。期間中、14:30〜17:30の間(※)、カリグラフィーでの名入れサービスも。
※2月28日(金)を除く。また、日程により時間は前後する場合がありますのでご了承ください。
トークイベント『美しくある秘訣』
代官山 蔦屋書店にて、フレンチスタイルやパリジェンヌについて造詣が深く、スタイリストとして幅広く活躍されている福田麻琴さんをお招きし、ヴィクトワールとのトークイベントを開催。オンラインでも視聴可能です。
開催日時:2025年2月13日(木)19:00~20:30
場所:代官山 蔦屋書店 2号館 2F
予約方法:代官山 蔦屋書店 WEBサイトよりオンライン予約
参加費:来場1,650円(フランス菓子とドリンク付き)、オンライン550円
>>お申し込みはこちら(代官山 蔦屋書店 WEBサイト)