「ドカ食い」もホルモンのせい!? もっとも気をつけたい、食欲が止まらなくなる加工食品の原材料3選は?

Beauty 2025.02.23

もう十分な量を食べたはずなのに、食欲が止まらなくなることはないだろうか? そんな時、自分は自制心がないなどと落ち込まないで。実はその食欲は加工食によるホルモンバランスの乱れが原因の可能性も。今回は食欲に関係するホルモンを乱す、要注意な原材料を3つお伝えする。

※本稿は、ダヴィニア・テイラー著『いつでも調子がいいカラダになる! ホルモンをととのえる本』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。

250213-hormone2.jpg
photography: shutterstock

---fadeinpager---

食欲に影響する2つのホルモン

250221-hormone10.jpg

「グレリン」は主に胃でつくられる「食欲ホルモン」。第一の役割は、食べる時間だという合図を脳に送り、食欲をコントロールすること。

ファストフード店の前を通りすぎて、フライドポテトのにおいが漂ってきたときに何が起こるのか、想像してみてください。たいていは、お腹が空いたなぁって思いますよね。これは、グレリンの分泌によるものです。

グレリンの量は1日の間に変化しますが、分泌のきっかけは食べ物のにおいだけでなく、細胞に備わる体内時計によっても起こります。食事の時間が規則正しい場合は一定の時間になると、そろそろ食べるだろうとカラダが「期待する」ため、グレリンが分泌されるのです。

さらに、血糖値の低下もグレリンの分泌を引き起こします。だからこそ、血糖値を急激に上昇させる食べ物を食べたあとは、余計に空腹を感じるのです。上がった血糖値が急降下することで、グレリンが分泌のときだと勘違いしているだけで、本当に食べ物が必要なときではありません。

250221-hormone11.jpg

レプチンは「満腹ホルモン」で、要は「もうじゅうぶん食べたよ。お腹いっぱい」と教えてくれるホルモンです。脂肪細胞でつくられ、満腹感を生み出す(脳内の)視床下部に信号を送ります。

レプチンはまた、カロリーの燃焼もコントロールしているため、体重管理のためにはレプチン値を適切に保つことが非常に大切です。レプチンは、人間が飢えたり食べすぎたりしないように進化してきました。ところが現代の加工食品は、消化管内のレプチン受容体に悪影響を及ぼします。というのも、レプチン受容体が存在する粘膜内層をはがしてしまうため、レプチンがきちんと役目を果たせなくなってしまうのです。

さらに、レプチン抵抗性〔カラダはレプチンを大量につくっているのに、脳がレプチンを認識できないこと〕は現在、肥満の主な原因の1つだと考えられています。脳はレプチンの信号を受け取らないと空腹だと思ってしまい、もっと食べてしまうのです※。

https://www.healthline.com/nutrition/

---fadeinpager---

気をつけるべき加工食品の原材料

食欲ホルモンをコントロールするためにまずすべきことは、食品のパッケージに書かれている原材料を読むことです。パッケージのデザインで、それがヘルシーだとかヘルシーでないなどと判断しないでください。

原材料リストをきちんと読み、下記に挙げたものが入っていたら、食べてはいけません。企業はこうした原材料ばかりを使用した食品を売ることで、私たちのカラダの化学物質を利用して利益を上げていることを、忘れないでください。

それからもう1つ忘れてほしくないのは、パッケージに入っている食べ物は、パッケージに入っていない食べ物(肉や魚、新鮮な野菜などの生鮮食品)よりカラダにいいものではないということです。

250221-hormone08.jpg

● 植物油と菜種油

原材料表記における「植物油」は、私にとって最大の敵です。大惨事以外の何ものでもありません。脳にとってもカラダにとっても、炎症を起こす大災害のようなものです。糖質よりも何よりもまず食習慣から取り除くべきものです。

植物油や種子油(ひまわり油や菜種油)などの精製された油は、オメガ6脂肪酸がたっぷり入っているために炎症を引き起こすだけでなく、腸粘膜にあるレプチン受容体に悪影響を及ぼします。

植物油を口にすると、非常に重要である腸粘膜が剥がされ、レプチン受容体が失われ、満腹だという信号を脳へ送れなくなってしまうのです。ということで、植物油が含まれる食べ物(非常に多くの加工食品に含まれています)をたくさん食べると、糖尿病や関節炎、がんなどの炎症性疾患になるリスクが高まるのみならず、30分もするともっと食べたくなります。

植物油はもともと、農業機械を洗浄する際の洗剤として使われていたことを知っておいてください。安い原材料として加工食品に使われ始めたのは、20世紀後半になってからでした。飽和脂肪ではなく不飽和脂肪であることから、当初はバターの「ヘルシーな」代替品として、私たち消費者に売られていました。ここ20年ほどで食習慣に加工食品が多くなるにつれ、植物油と種子油の消費は急増しています※。

https://www.forbes.com/sites/realspin/2015/09/29/could-so-called-healthy-vegetable-and-seed-oils-be-making-us-fat-and-sick/

ポテトチップスからクラッカー、調理済み食品、ビスケットなどありとあらゆるものに含まれる安価な植物油はどれも、リノール酸と呼ばれるものを多く含んでいます。これは現在、人が毎日摂取するカロリーの約8%を占めており、この量は、現代まで進化してきた人間が対応できる以上のものであると研究者は考えています。

リノール酸を食べすぎると、レプチンから得る満腹感を感じにくくなるほか、脂肪細胞が大きくなることが研究で示されています。さらに、(オメガ3のような)「良質な」脂肪酸のカラダへの吸収が妨げられます。そのため、私たちはより太り、より空腹になるのと同時に、より不健康にもなるのです。

● 乳化剤

乳化剤は、油と水のような原材料を結びつけるために食品に入れられる化学添加物です。サラダドレッシングからパン、ソース、マーガリン、アイスクリームなど、クリーミーな見た目をつくるために、あらゆるものに添加されています。

実際に必要なものというより、見かけをよくするためなのです。風味さえもありません。接着剤みたいなものです。乳化剤を見つけるのは難しいこともあるため、原材料リストに、大豆レシチン、カラギナン、モノグリセリド、ジグリセリドなどの名称を探してみてください。

さらに消化管に存在するホルモン、CCK(コレシストキニン)が基本的にレプチン信号を出しますが、乳化剤が粘膜層を傷つけるために、食べ物に何が入っているのか腸が判断できなくなり、CCKを分泌しなくなります。

これはつまり、レプチンが上昇せず、満腹だという信号が脳に到達するまでにより時間がかかるということです。

250221-hormone09.jpg

● 糖質

グラノーラバーは「砂糖無添加」と書かれているので健康的だと思うかもしれません。でも糖質は、さまざまなわかりにくい形で存在します。以下はすべて形が違うものの、どれも糖質です。

【糖質の種類】
・フルクトース
・スクロース
・グルコース(ブドウ糖)
・アガベネクター(天然の甘味料)
・シロップすべて(お米シロップなど)
・ナツメヤシの実
・大麦麦芽
・はちみつ
・濃縮果汁

食べ物に隠れた糖質はインスリン反応を乱すことで食欲を増進させるため、さらに食べてしまいます。そして私のフォロワーの多くが、砂糖がたっぷり入った食べ物、とりわけデザート系の食べ物に依存していると話すのも偶然ではありません。

とはいえ、気をつけなければいけないのは、見るからに甘い食べ物ばかりではないという点です。「隠れ糖質」は、スープのようなおかず系の食べ物を含む、ほぼすべての加工食品に添加されています。

250212-hormone.jpg

『いつでも調子がいいカラダになる! ホルモンをととのえる本』
(CCCメディアハウス)
ダヴィニア・テイラー 著

購入はこちらから(Amazonに遷移します)

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

2025年春夏トレンドレポート
中森じゅあん2025年年運
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
パリシティガイド
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories

Magazine

FIGARO Japon

About Us

  • 広告掲載
  • お問い合わせ
  • よくある質問
  • ご利用規約
  • 個人の情報に関わる情報の取り扱いについて
  • ご利用環境
  • メンバーシップ
  • ご利用履歴情報の外部送信について
  • Twitter
  • instagram
  • facebook
  • LINE
  • Youtube
  • Pinterest
  • madameFIGARO
  • Newsweek
  • Pen
  • Pen Studio
  • 書籍
  • 大人の名古屋
  • CCC MEDIA HOUSE

掲載商品の価格は、標準税率10%もしくは軽減税率8%の消費税を含んだ総額です。

COPYRIGHT SOCIETE DU FIGARO COPYRIGHT CCC Media House Co.,Ltd. NO REPRODUCTION OR REPUBLICATION WITHOUT WRITTEN PERMISSION.