寝ても寝ても眠い人は要注意! 新生活シーズン、気分のゆらぎと上手に付き合う方法は?【アーユルヴェーダお悩み相談室 Vol.2】
Beauty 2025.03.31
どんな時代、どんな環境にいても、自分で自分の心身を整えられるようになりたい! そんな人のために、アーユルヴェーダ専門家のMOTOKOさんが日常で実践できるメソッドをアドバイス。季節に合わせたアーユルヴェーダ発祥の知恵を伝授します。瞑想やヨガの学びを深めるメイクアップアーティストMichiruさんと、おすすめのアイテムも交えながらホリスティック談義の始まり!
illustration: shutterstock
春なのに気分が落ち込むのはなぜ?
MOTOKO
インドでの約1カ月間のパンチャカルマを終えて、帰ってきました! パンチャカルマとはアーユルヴェーダの浄化療法なんですが、今回は特に、鎖骨から上のアーマ(毒素)を集中して出したんですよ。
Michiru
なんだか、顎のあたりがすっきりしたね。輪郭がキュッとしてる。
MOTOKO
顔が小さくなって自分でもびっくり(笑)。体重は3kgくらいしか落ちてないけど、顔の空洞部分に詰まっていた粘りが流れてリンパの循環が良くなったからか、むくみづらくなりました。
Michiru
肌もツルッとしてる! 私もそれを聞いたら行きたくなっちゃった。
MOTOKO
春は鎖骨から上に「カパ」の質が高まりやすいから、排出しやすい状態に整える目的もあって行ったの。カパは雪解けの季節の土のように、水分を蓄えた重さがあって、良いほうに発揮されれば新しい生命が芽吹いてどんどん成長するエネルギーになるけれど、粘性のほうに引っ張られてうまく扱えないと、精神が「タマス」という怠惰な性質に偏って鬱っぽくなっちゃうんです。
Michiru
それ、わかるかも! 春はバイオリズムが安定していないというか、落ち込みやすくなる日と、調子がいい日の差があってゆらぎやすい。
MOTOKO
体質的に「ピッタ」や「ヴァータ」傾向の人でも、そうなるのが春。はっきりした理由もなく鬱々として調子が悪いと、「春がきたのに、気持ちが軽やかになれない私って......」と自分を責めてしまいそうになるけれど、カパが増えて、タマスの性質が出やすい季節だからというアーユルヴェーダの原則を知っていれば、「いまは新しいことをするタイミングじゃないから、大丈夫、やらなくていいよ」と、自分の心をケアすることができて、少し気持ちが楽になるはず。
Michiru
新生活が始まるタイミングって、環境も新しくなったり「フレッシュな気持ちで頑張らねばならない」という外からの圧みたいなのはありますよね。そのプレッシャーに押しつぶされそうになった時、知っておくと肩の力が抜けるかも。カパが高まっているサインはほかにもあるの?
MOTOKO
寝ても寝ても寝足りない!という人は要注意。身体が重だるくて無気力になって、休みの日に昼まで寝ていたり、寝溜めする習慣がある人もいるはず。
Michiru
私は短眠なのでそれはあまり感じないけれど、なんとなく鬱っぽいというか全体の調子が悪い時は、MOTOKOさんに教えてもらった3点マッサージをするようにしてます。
MOTOKO
頭頂部と、耳と、足の裏の3点ですね。ここをオイルで気持ちいいと感じるくらいにマッサージしてあげて、その後に温かいシャワーを浴びたり、お風呂に入るのがおすすめです。中医学的にも、この3点はツボが集まっている場所ですよね。そしてさっきお話ししたように、カパというのは鎖骨から上に溜まりがち。前回お伝えした「ガルシャナ」と組み合わせて、絹の手袋をはめて首や頭皮をさするようにした後、オイルを軽くつけてマッサージというセルフケアを取り入れてみてください。

Michiru
これは入浴前に取り入れるのがいいの?
MOTOKO
そうですね。でも、時間がなければオイルマッサージだけでもいいんです。ただし、どんなオイルを使うかは注意して。アーユルヴェーダで言うマッサージオイルは、単に身体に塗るというだけでなく、それが肌から浸透して身体の栄養になるべきであるという考えがあります。一般的には太白ごま油をおすすめしますが、私が知っている中では、アタルバのオイルもいいと思います。

Michiru
私はオージャスラボのボディオイルを使用しています。3種あって「若返りボディ用」を使っているけれど、カパのケアには「むくみボディ用」が良さそう。あと、先日銀座のウェルネスサロン、ザ ハンドレッドでハーブオイルのトリートメントを受けたのですが、体質やドーシャのバランスに応じて9種類のオイルから自分に合うものをセレクトしてもらえて、ホームケア用におすすめのオイルも購入できるので、自分で何が合っているかわからない人は、こういう専門サロンに相談するのもいいですね。


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ワクワクするもので気分を上げて。
MOTOKO
きれいなカラーメイクや可愛いアクセサリーなんかでタマスに偏って落ち込んだ気分を上げるというのも効果的。
Michiru
気分を上げるものっていうのは、視覚的に華やかなほうがいいのかな?
MOTOKO
人によるけれど、単純に自分がワクワクする、うれしくなるものを選べばOK。落ち着く、癒やされるものというより、アゲ系ね。Michiruさんはどんなもので気分が上がるの?
Michiru
春夏は新色がたくさん出るから、メイクを見ると気分が上がるよね。カラーがきれいなリップやグロスなんかは特に。


MOTOKO
こうやって話していると、カパが悪者のように捉えられてしまうこともあるんですが、本来は生まれたての赤ちゃんのように大きく育っていくパワーを備えたもの。だから、冬に新しいことを準備してきた人にとっては、カパの力が最高に後押しをしてくれる季節でもあるんです。アーユルヴェーダの知恵を味方につければ、自然のエネルギーの流れとともに、どう人生を動かしていくか?という計画も立てられる。うまく活用して、ビジョンを実現していけるといいですね!
MOTOKO
アーユルヴェーダ専門家
アーユルヴェーダをはじめとする東洋医学や哲学に精通。クリニックでのアーユルヴェーダセラピスト勤務を経て、アーユルヴェーダ施術のサロン導入や、講師やセラピストの育成、サロン経営などを手がけてきた。アーユルヴェーダの知識をわかりやすく発信するインスタグラムも人気。
Instagram:@motokoveda
Michiru
メイクアップアーティスト/ビューティディレクター
渡仏・渡米を経て、ファッション誌や広告、女優などのメイクを手がけ、化粧品の開発などにも携わる。フィガロジャポンのボーテスターとしても活躍し、セルフイメージを変えるメイクレッスンや、インナービューティを体現するライフスタイルも注目の的。ヨガ、瞑想への造詣も深く、RYT300を学び中。
http://make-michiru.com
Instagram:@barbiemichiru
MOTOKOさんの著書が発売に!
漫画でアーユルヴェーダをわかりやすく紹介した、MOTOKOさん初の著書『犬とアーユルヴェーダと私』(カザマアヤミ 画、双葉社)に続き、インドで究極の浄化療法パンチャカルマを受けた体験記『流されるままインドでデトックスしたら毎日がいい感じ日記』(井出武尊 共著、朝日新聞出版)が発売に。心と身体の健康やちょっとした気づきに触れてみませんか?
問い合わせ先:
アートビーング マハラニヘナ公式通販
050-3852-2235
https://maharani.jp/
オージャスラボ
info@ojaslab.com
https://www.ojaslab.com
ザ ハンドレッド ウェルネス サロン
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トム フォード ビューティ
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ドリス ヴァン ノッテン
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