どんな目の形にもフィットする魔法のアイメイク。ディオールのピーター・フィリップスが使う秘密のワザとは?
Beauty 2025.05.28
4月、京都・東寺を舞台にディオールの2025年フォール コレクション ショーが開催された。ルックに合わせてフレッシュな肌と繊細な目元が際立つメイクを手がけたのは、ディオール メイクアップ クリエイティブ&イメージ ディレクターのピーター・フィリップス。ショー翌日には東京に移動し、撮影に臨んだ多忙な彼にインタビュー。バックステージでのティップスや、発売を控える新製品について話を聞いた。
Peter Philips
ディオール メイクアップ & クリエイティブ イメージ ディレクター
ベルギー・アントワープ生まれ。パリコレをはじめ、数々のランウェイのメイクを担当。2014年より現職。毎年数回あるディオールのショーのメイクアップのディレクションはもちろん、すべてのカラー&ベースメイクアップの商品開発を手がける。
― フォール コレクション ショー、とても素敵でした! 目元のピンクが印象的で。
今回のメイクはフレッシュな印象を与えるために、まぶただけでなく、目頭と目尻にもピンク色のヴェールを重ねました。そして目尻部分、まつ毛のキワのところにアイラインをブラウンでぼかしながら入れて目を強調し、そこにブラウンのマスカラを重ねました。
― 京都はいかがでしたか?
会場のお寺や庭がとてもきれいで感動しましたね。日本には25回くらい来ているんですが、いつも東京ばかりで、京都はなんと初めてだったんです! 今回は少し長く滞在予定で自由時間もあるので、東京以外にも足を伸ばしてみたいと思っています。
― 早速ですが、5月30日に登場するディオールショウ コレクションについて聞かせてください。
このコレクションの主役のひとつが、マスカラ ディオールショウ オーバーボリューム。「人気のディオールショウ パンプ&ボリュームをさらに進化させたい」という私たちの大きな願いを実現させたアイテムで、太さのあるまつ毛を叶えながらもヘビーになりすぎず、洗練された仕上がりに見せるため、フォーミュラを微調整して新しいブラシを設計しました。よく見るとユニークな形でしょう? 少し湾曲したような円錐形で、ブラシのひとつひとつが花びらのような形状をしています。コームは鍵型に広がっていて、短いまつ毛をキャッチ。そしてトップの扇形の部分を使って束感も出すことができます。クチュール感のあるパッケージも特徴。手触りもいいんですよ。
ボリュームとカールを同時に叶え、まつ毛1本1本を際立たせる処方。メゾンの象徴的なカナージュ モチーフを纏ったパッケージにも特別感。マスカラ ディオールショウ オーバーボリューム ¥5,610(5/30発売)/パルファン・クリスチャン・ディオール
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― サンク クルールは、優美な4種のシェードですね。マスカラとアイカラーをどのように合わせるのがおすすめですか?
今回の4シェードは、全てマスカラが引き立つヌードカラー。質感もマットやサテン、グリッターなど、異なるテクチャーでブレンドして遊べるようにしました。どのパレットも上の2色は日中に軽やかにつけて楽しめるトーン。下の2色はナイトシーンにも対応するドラマティックなタッチです。パレットの中に必ず1色は輝きが強いものを入れているので、上からトッピングするように使うのもおすすめです。
― ヌードカラーだけで4種ものバリエーションを出すのは、大変だったのでは?
チャレンジではありました。しかし、ひと言にヌードと言ってもいろんなニュアンスがあります。ブラウン、トープ、ピーチ、ベージュ......。寒色系に寄せたり、暖色系に寄せたり、幅広く考えることができるんです。これは赤いリップスティックにも同じことが言えますよね。
ナチュラルで洗練されたハーモニーを織りなす、4種のシェードが揃った。左上: ディオールショウ サンク クルール 557、右上: 同 647、左下: 同 671、右下: 同 857 各¥10,010(全て5/30限定発売)/全てパルファン・クリスチャン・ディオール
― 同時にリキッドライナーも登場しますね。あなたがバックステージで描くカリグラフィーのようなラインを美しく仕上げるコツは?
このアイライナーには柔軟性が高く描きやすい新しいフェルトチップを採用したので、きっときれいに仕上がりますよ。実際のショーとなると、少しトリック的なテクニックが必要です。というのも、ショーではモデルが90人くらいいて、肌の色や顔立ちはもちろん、目の形も多様です。そんな中で、私はメイクを施す相手がどんなモデルであっても、90人全員がステージに出ていく際にバランスがとれた状態に仕上げなくてはならない。こういった制約の中で、どんな目の形にも対応するラインの入れ方というものがあります。それは目の真上ではなく、目尻のまつ毛2〜3本分の位置あたりからアウトサイドに向けて引く方法です。京都のショーでも取り入れた手法ですが、ブラウンや黒のラインを仕込んで、そこをブレンドするようにアイカラーを入れるんです。
ウォータープルーフで高発色のライナーで、プレイフルなアイメイクを! ディオールショウ リキッド ライナー ウォーター プルーフ 各¥4,840(5/30発売)/全てパルファン・クリスチャン・ディオール
― なるほど。2025年春夏コレクションのメイクルックのように、下まぶたラインを描くのにも使ってみたいと思いました。
ぜひトライしてみてください。上まぶたに比べると下まぶたの形は個人差が少ないので取り入れやすいはずです。下まぶたライン初心者なら、シマー質感の2色がおすすめ。ミントとローズ、どちらも透け感のある繊細な輝きのカラーなので、ラインが少しずれてしまっても心配ありません。ちょっと潤んだような瞳を演出できて、とても可愛いですよ。
目元に煌めきを添えるシマー質感の2色から、下まぶたラインにトライ! 左: ディオールショウ リキッド ライナー ウォータープルーフ 301、右: 同 801 各¥4,840(5/30発売)/ともにパルファン・クリスチャン・ディオール
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― そして美しいカラーを引き立てる肌づくりには、7月にフォーエヴァーのラインからヒアルロン酸配合の新フェイスパウダーが登場します。
マット質感とツヤ質感、ふたつのパウダーが登場します。毛穴や小じわをぼかす効果があり、明るさと透明感をもたらします。メイク直しにも最適です。そして、こちらのホイップテクスチャーのブラッシュも試してみてください。新しい質感で、肌をふわふわっと柔らかく染め上げます。
マットとツヤ、選べるふたつの仕上がり。左: ディオールスキン フォーエヴァー ヌード マット フィルター 右: 同 ヌード ラディアント フィルター 各¥7,810(ともに7/4発売)/ともにパルファン・クリスチャン・ディオール
肌にのせた時はクリーム状、のばすと瞬時にパウダーに変わり染め上げるように色づく新感覚ブラッシュが誕生。ディオールスキン フォーエヴァー ブラッシュ ソフト フィルター 全5色 各¥5,940(全て7/4発売)/全てパルファン・クリスチャン・ディオール
― 5色のどのカラーも纏ってみたくなります。
頬の潤いを守る効果もあるんです。みずみずしいテクスチャーで、第二の肌のようですよね?
― ベースメイクのフォーエヴァーのラインからこのチークが出ることが、大きな意味があると思います。
そうですね。チークではありますが、これは皆さんがこれまで知っているチークとは異なるものです。この新体験をぜひ楽しんでください!
問い合わせ先:
パルファン・クリスチャン・ディオール
03-3239-0618
https://www.dior.com/ja_jp