メイドインニッポンの和コスメを選ぶ理由。<シロ編> 生産者の思いと素材の持ち味を生かして製品に。

Beauty 2017.11.25

国産原料を主成分とする、日本生まれのスキンケアがおもしろい! フィガロジャポン1月号「メイドインニッポンの和コスメを選ぶ理由。」の紹介記事に加え、各ブランドの原料選定、栽培、製法のこだわりをより詳しくリポートします。

■本当に使いたいものをつくるというこだわり。

コスメブランドとして知られるシロ。もとは北海道で農業を営んでいた先代の社長が、ラベンダーなどのハーブを育て、香りや食品のプロダクトを手がける中で「素材をそのまま生かしたスキンケア製品をつくりたい」という思いにいたり、前進ブランドであるローレルが生まれ、2015年からシロへとブランド名が変わった。身近に存在する豊かな原料をもとに、初めは酒かすやがごめ昆布の切れ端など、捨てられてしまう素材を有効に使いながら化粧品を製造。“自分たちが本当に使いたいもの”のために、全国各地で、信念を持って原料をつくっている生産者とつながってきた。

ものづくりの中心にいるのが今井浩恵代表と中川美由紀開発担当。ローレル時代から二人三脚で製品を手がけてきた同志だ。パワフルな原料を探し出し、その素材のエキスをたっぷりと使いながら、自社での製造力を駆使し、スピーディに製品を世に送り出している。素材の持ち味を引き出すベストな処方や製法の研究は、尽きることがない。

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左:130年の伝統がある北海道の老舗造り酒屋、小林酒造の酒かすを搾って作ったシンプル化粧水。健やかな肌に整える。シロ 酒かす化粧水 120㎖ ¥4,104 左から2番目:北海道産のルバーブとハマナスのエキスを配合した美容液。赤い色は自然そのものの色。ルバーブハマナス美容液 60㎖ ¥4,104 右から2番目:北海道産のラワンぶきを搾ったジュースをベースに使用。肌荒れを優しくケアしながら外的刺激から肌を守る。ラワンぶきUVクリーム 30g ¥3,456 右:とろみが強く、保水力が高いがごめ昆布エキスが凝縮されたクレンジングミルク。優しくメイク汚れを包み後肌もしっとり。がごめ昆布クレンジングミルク 120g ¥4,104/以上ローレル
photo:SATOSHI YAMAGUCHI, création en mizuhiki:CHIE NAGAURA(TIER)

たとえばがごめ昆布は、とろみ成分を効果的に引き出すために、刻み方を工夫したり、かき混ぜる時間や温度調整を徹底している。これは少しでも温度が狂うと肌にかゆみが出てしまうため。可能な限りの濃縮度で、肌にしっかりと効果の出る形で届けるのがシロのこだわりだ。酒かすにいたっては、いまだに手搾りで製造しているというから驚く。機械導入を試みたこともあったが、納得いく仕上がりにならず、断念したそう。

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函館近海で取れるがごめ昆布は、とろみが非常に強いという特徴を持つ。昆布の中で唯一網の目模様がついていて、フコイダンやアルギニンなどを含み、スキンケアでは保水力を発揮する。

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取れた昆布をふるいにかけて、不要物を手作業で選別。昆布を粉砕し、温度を一定に保ちながら混ぜ方にも時間にも神経を配る。保水力などのデータ取得については、北海道大学の教授と連携。

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酒かすをガーゼに包んで手搾り。1日8時間の作業で搾れる量は限られているので、大量生産はできない。ガーゼの目の細かさなどにもこだわりがある。

■素材の特性を生かし、肌に合わせた使い方を提案。

ルバーブやハマナスなど、鮮やかな色で豊富な栄養素と高い抗酸化作用を持つ植物にも注目し、その濃厚なエキスを化粧品に配合。ルバーブハマナスのシリーズは、肌を優しくピーリングしてくれるので、季節の変わり目や、ごわつき、くすみが気になる人に。がごめ昆布や酒かすシリーズは保水力が高いので、乾燥肌の人におすすめだ。このほかにもラワンぶきやショウガ、サボテンなどのスキンケアラインを展開しているが、すべてのラインにクレンジング、化粧水、美容液、クリームが揃っているわけではない。素材自体の向き不向きを考えて製品をつくり、肌状態に応じたベストな組み合わせを提案するのが特徴だ。

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色鮮やかな赤い花を咲かせ、ローズに似た香りを放ち、ビタミンやポリフェノールなどを含有するハマナス。クエン酸、リンゴ酸を含むルバーブ。栄養価の高い組み合わせでできたのが、ルバーブハマナスのシリーズ。

■ロンドン、ニューヨーク……海外にも展開。

国内にショップを次々と展開すると同時に、2016年にロンドン店をオープン、世界進出も果たした。2017年10月にロンドンにあらたに2店舗をオープン、2018年頭には、ニューヨークのソーホーにショップを構えることが決定している。そして、同年の秋頃にはインナーを含めた漢方シリーズを発売することも発表。その勢いはとどまることを知らない。

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2017年10月にオープンした、ロンドン3店舗目のモンマス・ストリート店。その場所でその時に求められているものを届ける、という信念のもと、店舗デザインにもこだわり、店ごとに違った空間演出を施している。

●問い合わせ先:
ローレル
0120-275-606(フリーダイヤル)
https://shiro-shiro.jp

texte:NAOKO KUBO

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