良質な睡眠を手に入れる食事とは?
Beauty 2018.03.07
山口華恵
良質な睡眠に効果的な食事について専門家がアドバイス。 photo : iStock
質の高い睡眠を手にいれるには、まず毎日の食事を気遣うことから始めてみよう。赤ちゃんのように深く眠るために効果的な食品(調理した野菜、タンパク質、乳製品など)に注目したい。
布団に入ってもなかなか眠れない……それは、アメリカのホラー番組を観たせいではなく、むしろ3時間前に食べたラザニアのせいかもしれない。栄養士のラファエル・グルマン氏(*1)が、良質な睡眠のために摂取すべき食べ物を紹介する。
*1 ラファエル・グルマン氏:『Dopamine : le régime minceur et bien-être le plus facile du monde(ドーパミン:世界でもっとも簡単なダイエットと美しい生き方)』の作者。2018年2月刊行 全320ページ 18ユーロ Leduc.s Éditions刊
正しい食事
眠りにもっとも影響を与える食事は、やはり夕食である。
「夕食は就寝時にもっとも近い食事です。そのほかの食事は、ほとんどの場合、就寝時にすでに消化されています。軽めでも満腹感を得られるバランスのよい食事を選択することが大切です。タンパク質がまず基本です。キヌアやレンズ豆、ブルグル(挽き割り小麦)などを摂取するとよいでしょう。これらは栄養価が高く、満腹感が長続きします。睡眠を妨げる空腹感を起こりにくくします」とグルマン氏は説明する。
もし野菜のない食事はあり得ないということであれば、加熱した緑野菜を食べるとよいそう。グルマン氏は言う。「たとえば、ニンジンやチコリなどを摂取してもよいのですが、その場合は一度鍋で煮込む必要があります。生で摂取した場合は、一晩中膨満感を感じる可能性があります。これらの野菜はセロトニンを生成します。メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌に関与するアミノ酸であり、幸せを感じる神経伝達物質でもあり、当然リラックスにつながります」
そのほか注目すべき食品として乳製品が挙げられる。ヴィーガンの方には残念だが、動物由来のミルクに限って効果がある。「動物性のミルクにはトリプトファンと呼ばれるアミノ酸が含まれており、メラトニンを分泌するのに役立ちます。 体内で生成することはできないので、外から摂取することが必要です。牛乳や羊のミルクで作られたヨーグルトをデザートとして食べると、よく眠れるでしょう」とグルマン氏は述べる。
正しい水分補給
また、効果が実証されているハーブティーも忘れずに取り入れたい。「バレリアン、パッションフラワー、リンデンのブレンドホットティーがよいでしょう。これらの植物は高いリラックス効果があることで知られています。また白湯も気分を落ち着かせてくれます。長時間水分補給しにくい夜寝る前に、この簡単な儀式を取り入れるとよいでしょう。より夕食を楽しむためには炭酸水よりも炭酸なしの水を飲むようにしたいものです。炭酸なしの水のほうが消化を妨げず、刺激がありません」とグルマン氏は言う。
厄介もの
厄介なのは、ラザニアなどを食べた時だ。「食べ応えのある食事というのは非常に消化しづらいものです。身体の中の多くのエネルギーを必要とし、消化に時間がかかってしまいます。結果、睡眠が優先事項ではなくなってしまうのです。さらに体内温度が若干上昇してしまいます。身体は体温を上昇させてカロリーを燃焼させますが、本来眠るためには体温を下げなければいけません。辛いものが多いインド料理にも同様のことが言えるでしょう。快眠によさそうな着心地のよいパジャマに着替えるよりまず、眠りによい食事について考えてみましょう」とグルマン氏は提案する。
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texte : Lucie Rousselle (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi
山口華恵
翻訳、ライター