歯科医が教える「口もと美人」の絶対ルール。【セルフケア編】
Beauty 2018.08.24
笑った時の口もとに自信がありますか? きれいに揃った白い歯の美しさは、グローバルスタンダード。見た目だけでなく、機能的にもトラブルがない歯と口は、清潔感や幸福感を印象づけ、若々しさや全身の健康にも影響します。
誰にも必要で、意識するのが早いほど人生が変わるデンタルケア。前編では歯科医の石井さとこ先生に、ヘルシーな歯と口を守るセルフケア法を教えてもらいました。
強く美しい歯を育む、毎日の習慣。
こんな歯ブラシの持ち方をしていませんか? じつはそれ、間違っているんです......。
Q:毎食後磨いているのに虫歯が......。正しい歯の磨き方とは?
歯磨きでゴシゴシ力を入れすぎて歯茎が下がり、そこから虫歯になるという人も増えています。まずは歯ブラシの握り方をチェック。ペンを持つように親指と人差し指で優しく握り、くすぐったいくらいの力加減が正解。磨くタイミングは1日2回でOK。睡眠中は唾液の分泌が減るため、朝起きたときの口内には雑菌が繁殖しているので、朝は起きたらすぐに。唾液がしっかり出る昼はうがいだけで、時間のある夜は1本ずつ丁寧に、できれば15分以上かけて磨きます。
Q:磨き方のコツを教えてください。
①キャップ1杯のぬるま湯を口に含んでゆすぎ、大きな汚れや食べかすを取る。
②歯と歯茎の間に45度の角度で歯ブラシを当て、毛先を差し込んでなぞるようなイメージで、小刻みに横方向に動かして歯を磨く。磨きにくい利き腕側の奥から。
③歯間ブラシで、つけ根の隙間をサッと通す。
④フロスを歯に沿わせてくるっと巻いて上下に動かし、歯と歯の接触点を掃除。
⑤仕上げに歯磨き粉をつけずに歯ブラシで歯肉をマッサージ。
これが理想のステップ。磨き残しを避けるために、鏡で確認しながら磨く意識磨きを実践してください。ツールも重要。歯ブラシは毛先が広がってきたら、ターゲットである根本をしっかり磨けません。1ヶ月に1回ペースで新しい歯ブラシに取り替えましょう。歯磨き粉は発泡剤や研磨剤が少ないほうが、歯や歯茎に負担をかけず長時間磨きやすいはず。口臭の原因にもなる舌は、ブラシで強く磨くと味覚異常にも。上アゴに舌表面をこすりつけて唾液で流すか、濡らした綿棒でサッと拭う程度で十分です。
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Q:歯にダメージを与える生活習慣ってあるの?
一番は、唾液の出にくい生活です。唾液は、口の中を洗い流す浄化作用、虫歯菌や歯周病菌の増殖を抑える抗菌作用、口内を中性に保つ中和作用、歯の表面のエナメル質を修復する再石灰化作用など、歯と口の健康を保つために不可欠な存在。40代半ばから唾液分泌は減ってしまいますが、噛まない食生活でも唾液が不足に。早食いはもちろん、スムージーやジュースなどを食事代わりにするのもおすすめできません。よく噛んで唾液をしっかり出す生活を心がけて。また、スナック菓子などのダラダラ食いもNG。食べ物が常に口の中にあると、口内のバランスが酸性に傾き、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすい状態に。スポーツドリンクやすっぱい飲み物のチビチビ飲みも、酸が歯の表面のエナメル質を溶かします。食べる・飲むはオンオフをつけましょう。
Q:ドライマウスを防ぐにはどうすれば?
ぽかんと口が開いてしまう口呼吸は、唾液が減りドライマウスの原因に。口臭が強くなる、免疫力が低下するなど、百害あって一利なし。口を閉じた時に、舌先が上の前歯の付け根にあるのが正しいポジションです。呼吸とは直接関係ありませんが、食いしばりと歯ぎしりも要注意。かみ合わせや歯並びに影響し、表情筋の過度な緊張は顎関節症の原因にも。スマホやPC作業時は顔が下向きになり、無意識の食いしばり、唾液分泌不足、顔のたるみも加速するので、顔を前に向ける姿勢を意識して。
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Q:口もと年齢を若返らせるには?
目もと以上に年齢変化が顕著な口。唇が薄く弾力がなくなり、輪郭がぼやけ、鼻の下が長くなり、口角が下がる......。この変化には口の周りの筋肉の衰えが大きく影響しています。でも筋肉は、身体同様に顔だって鍛えることができるのです。
①小鳥がさえずるときの口ばしをまねて口をすぼめ、そのままピヨピヨと唇を上下に開けたり閉じたりを4回繰り返す。
②大きくフーッと深呼吸。
③唇をすぼめたまま両頬を膨らませて口輪筋をほぐす。
※ ①と③で逆の動きをすることがポイントです。
①手の指が縦に3本程度入るくらいに口をあけて「は」。
②これ以上開けないと思うくらいまで口を横に開き口角を上げて「に」。
③両頬をくっつけるようなイメージで「ふ」。
④森進一さんの顔真似をするイメージで「え」。
⑤巻き舌を作って「ろ」。
※ できるだけ大きな声を出してゆっくりとした動きで行いましょう。
口を軽く閉じて、舌で下の歯茎全体をなぞるように左右にゆっくり10秒ずつ往復させるだけ。舌を動かすことで唾液の分泌を促しナチュラルな口掃除をしながら、フェイスラインもすっきりさせる一石二鳥の舌トレです。食後に行いましょう。
石井さとこ先生
ホワイト ホワイト デンタルクリニック院長。歯科医師、口もと美容スペシャリスト。
1961年東京都生まれ。歯のホワイトニングを日本に広めた第一人者。女性歯科医師ならではの美的感性で、歯と身体を美しく保つ食事や生活習慣、口もとエクササイズもアドバイスする。2006、2007ミス・ワールド・ジャパン、2005~2012ミス・ユニバース・ジャパンのオフィシャルサプライヤーとして口もとと歯をプロデュース。著書に『口元から美人になる52の法則』(講談社刊)など。
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photo:©PARADE/ANYONE/amanaimages, texte:ERI KATAOKA